前回の記事(≫一番よく使われている体験者の名前は、Aさん?Bさん?Cさん?)では、『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第1シーズン放送の全333怪談から、どんな名前が「体験者の名前」として好まれて使われているかを分析してみました。
その結果、「聴き手に邪魔にならない」Aさんが上位に来たのは予想通りでしたが、Mさん・Iさん・Kさんが上位の頻度で使われていることがわかり、この理由は何だろう?ということを宿題にさせていただきました。
で、こちらの件ですが、その後MさんKさんIさんが登場した回を深掘りしてみたところ、
あっけなく、理由がわかりました!
Mさん、Iさん、Kさんが登場した怪談を集めて、話者である怪談師さん単位で割ってみたところ、以下のような結果になりました。
『怪談のシーハナ聞かせてよ。』において最も怪談を語る機会の多い(※毎回、最低でもひとつは披露しているわけですからね・・・)上間月貴さんが、特定のアルファベットに寄らないように、複数のアルファベットに「散らしている」工夫をしているように見えます。つまりナゾの分散の理由はほとんど上間さん一人の影響でした!
もう少し詳しく見るために、上間月貴さんが使った「名前」と、そのばらつきをみてみましょう。
アルファベット26文字以内17文字まで活用して分散しています。この中で上間さんが特に採用しがちなのがIさんKさんMさんという次第でした。
他にも、登場回数が多い方は、なんとなく似たような分散になってくるようで、
登場回数が増えた怪談師さんほど、最初のほうはAさんを比較的使いつつ、しだいに同じアルファベットの反復を避けるようになる。その際、H・I・J・K・L・M・Nあたりのアルファベットが確率的にやけに狙われる、という傾向が掴めました。
それにしても、宇津呂さんも高田さんも「Mさん」と「Nさん」になんとなく引き寄せられているのは何なのでしょうね?偶然なのでしょうか?このあたりのアルファベットが選ばれやすい何かセオリーがあるんでしょうか???
この調査をしていて、別の面白い発見があったので、それも以下に記載します。
今仁さんのケースをぜひ見ていただきたい。3回だけ「Aさん」を使っているものの、その他はアルファベットに頼らず、毎回、仮の名前とはいえ、固有名を割り振ってあげているんですね。これはシーズンを通じて集計してみないと気づかなかった、今仁さんの見えないところでの工夫と言えるのでは?!
似た工夫をされている方をもう一人、見つけました。
城谷歩さんです。こちらも、アルファベットよりも、固有名の割り振りで語ることを好んでいらっしゃいます。それにしても、狩野英孝さんが司会をされている番組で、「カノウさん、という体験者さんから聞いたオハナシです」と始めた時はちょっと笑いました!狩野さんもこの時は苦笑してましたね。
さて、この結果を見て、いかがでしょう。あなたが次に人前で怪談を語る時は、無記号的「アルファベット」派でいきますか?それとも、何らかの固有名を逐一、割り振ってあげますか?最終的にはこれは好みの話になるので、お気に入りの怪談師さんの語りを研究しながら、ご自身の「喋るときのセオリー」をぜひ、作って行っていただければと思います!
※『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章は2024年12月現在、DVDはGEOにて貸出可能、放送第39回以降からはU-NEXTで動画配信中と確認できております。