トラウマ映画を語る

私の記憶の中で映画『オーメン』にめちゃくちゃ過激な「思い出補正」がかかっていたハナシ

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その後シリーズ化されることになるホラー映画『オーメン』の第一作を、私はそうとう小さい時にテレビで観ました。

めちゃくちゃ怖かった。

いやしかし、これも正直に言わなくちゃいけない。怖かっただけでなく、「カッコいい!」と思った。

というのは、日本文化の中で育っていた小さな男子にとって、「666の記号」とか、「メギドの短剣」とかいった、キリスト教圏オカルト思想の小道具が、エキゾチックで、ゾクゾクきた、というところ。この感覚、昭和のラストの頃のオカルトブームを知っている人には、伝わるのではないでしょうか。

成人してからも、『オーメン』の影響は続きました。大学時代にイタリアとイスラエルにバックパックで個人旅行したのは、『オーメン』の影響がなかったとは言えない・・・。

ところが、私。最近気づいたことがあるのです。

私はそのようなわけで、『オーメン』シリーズ第一作を、めちゃくちゃ怖い、究極のホラー映画だと思っていたのですが、最近になってちゃんと見直してみると、自分の記憶の中にあるのとずいぶん、違うんです。

たとえば、子供の頃の私が本作の中でいちばん怖いと思った、イタリアの墓地で山犬に襲われる場面。

私の記憶の中では、このシーン、10~20匹もの山犬の大集団が右から左から襲ってくる中を、グレゴリー・ペックが必死に逃げるという、めちゃくちゃ危機一髪な恐怖シーンでした。

ところが最近見てみると・・・山犬、二匹くらいしかいないんですわ!!いや、これでも、雰囲気満点で怖いは怖いんですけど(50%は音楽の力ですがw)。

他にも、私の記憶の中では、残虐非道、めちゃくちゃ怖いシーンになっていたところが、

今、この年齢で見直すと、かなりな「補正」がかかっていたものと判明しました。

しかし、こういうことがあるので、子供の頃に見たホラー映画ってのは、特別な存在になっていくんでしょうね・・・!

ですが!

たったひとつだけ!

オーメン第一作で、たったひとつだけ、私の思い出の中よりも、今、見直した実際の映像のほうがエグくて怖かった、という場面がありました。

ファンなら予想がついたかもしれません。イスラエルに乗り込んだ主人公二人、そのカメラマンのほうが、あんなことになっちゃうシーンですね!

あのスローモーションの残虐シーンだけは、思い出が追い付いていなかった!

というのも、あのシーンは、特撮のツクリモノ感がむしろ強みになっていて、悪夢の中のシーンのような嫌な映像美になっているんですね。これがあるから、『オーメン』第一作は今見ても恐ろしい。

・・・という『オーメン』に関するハナシをTwitterのほうで投げかけたら、いろんな方から反応をいただけました。やはりオーメン好きは日本にもたくさんいるのだ!

「オーメンが好き」などといったら「クラいヤツ」といじめられるのではないかとビクビクしていた小学校時代の私に伝えたい。君は孤独じゃないぞ!ネットの世界には、こんなにもオーメンファンがいるw!


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