お化け屋敷プロデューサーの五味弘文さんの著作はすべて必読と私は思っておりますが、
たとえプロでなくとも、有料コンテンツ作成者でなくとも、人を怖がらせるモノを作ってお客さんを呼び込んでみたい、という夢がある人にはぜひ一度読んでほしいのが『人はなぜ恐怖するのか』。
このステキすぎる表紙が目印です。
・おばけは歩いている人に対してどういう角度から登場させるべきか
・怖い場面は、ひとつあたり何秒に収めて出すべきか
などといった、実践的きわまる「お化け屋敷」テクニック集も素晴らしいのですが、
怖がらせるだけが目的ではない、怖くて+楽しい、ものを提供するのが目的である
という言葉は、このまま額に入れて飾っておきたい!
お化け屋敷プロデュースの際に特に大事なのは、キャスト(つまりオバケ役の役者さんたち)に心構えを覚えてもらうこと。怖がらせるテクニックだけではダメなのである、お客様に楽しんでもらうのである。
という箇所も、同じ考えから来ているのでしょう。そう、本書はテクニック集であると同時に、ホラーコンテンツをやる人の「心構え」論なのです。まことに必読。
そして、
この本に書かれているような、「お客さまのことを考えてこその、怖がらせコンテンツ」という考えが、発信側にも受容側にも共有されていくのなら、
最近話題になった「心霊番組と非科学性」の問題にも回答が見えてくるのではないでしょうか。それを見た視聴者をミスリードするような演出は、よしんばそれが「怖がらせる」という目的には適っていたとしても、本当に視聴者にとって楽しい番組なのかどうなのか、ということと思います。
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