「怖い本」トラウマ読書日記

まんが学術文庫『群集心理』に描かれたフランス革命時代が並々ならぬトラウマになったこと

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フランス革命を舞台にした作品とえば、遠藤周作先生の小説『王妃マリー・アントワネット』とか、坂本眞一先生の漫画『イノサン』とか、強烈なインパクトのものはいろいろありますが、

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私にトラウマを植え付けた本というならば、まんが学術文庫から出ている『群集心理』にまさるものはありませぬ。

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群集心理』という本からは想像できない内容になっていると思いますが、実は、

これはロベスピエールを主人公にした漫画になっているのです。

ロベスピエールが群集の熱狂を背景に恐怖政治を敷き、たくさんの人を殺戮したあと、

今度は掌を返したかのような群集にリンチされ殺される変転を描いたもの。

そしてラストページの、「何かまた、熱狂できるものを!」求めてイナゴの群れのように暴走する群集心理の戯画は、現代を考え上でもいろんな示唆に富んでいるのではないでしょうか?

群集の熱狂こそ世界を陰で動かしている最大の怪物だという予感。

しかし、本作品のいちばん恐ろしいところは、この漫画に描かれている物語だけでも、まだまだなまぬるく、史実のフランス革命で「反革命」のレッテルを押された人たちが辿った末路は、少年王子ルイ17世の事件を含め、もっと残虐だった、というところです。

リアルな歴史を上回る「怖い話」は結局、ないのかもしれない、、、。

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