『ゲゲゲの鬼太郎』といえばアニメですか?漫画ですか?それとも妖怪大図鑑ですか?
ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大図鑑 (講談社 Mook(テレビマガジン)) [ 講談社 ] 価格:880円 |
いえいえいえ!皆さん大事なコンテンツを無視しておりますよ、本当に。
トラウマ級の怖さを携えた傑作ホラーゲーム、Playstation1時代の『ゲゲゲの鬼太郎』です!
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「Hahaha!鬼太郎のゲームが怖いだっえ?ノロケだよね?きっと、少しビックリさせる演出が合間にあるくらいで、けっきょく全体は楽しいヒーロー物なんでしょう?」
などと思うなかれ。
PlayStation版『ゲゲゲの鬼太郎』は本当に怖いのです。ちゃんと怖いのです。計算され尽くして怖いのです。しっかりと「ホラー」をやってくれているんです。
そう、このゲームは、私に言わせてもらえるならば、『トワイライトシンドローム』シリーズや『零』シリーズに匹敵する、和風ホラーの味わいを見事に取り込んだゲーム作品の好例として、いつまでも記憶に留めたいモノ!
どういうことかと言いますと。
このゲームは三つの物語のオムニバス構成になっているのですが、第一話の「学校編」から、いきなり飛ばしてくる。
夜の校舎に先生が立っていて、話しかけると恐ろしい顔で・・・「ギャー!」。
というホラー演出から一気に盛り上げてきます。
最終話の「人形編」にいたっては、主人公(つまりプレーヤー)が妖怪の呪いでどんどん市松人形に変えられていく。そのせいで、だんだん、だんだん、自分の体が小さくなっていき、、、
そして、時間切れになると、「ギャー」!
かように、夜の校舎とか、市松人形とか、和風ホラーの伝統を折り目正しく消化しているのがこの作品。いったいどういう企画で出てきたのかといいますと、
つまりこれは、アニメの『ゲゲゲの鬼太郎』の世界観ではなくて、水木しげるさんの原作漫画の雰囲気を出そうとした企画なのですね!
ところが、この作品の声の出演が、
鬼太郎は松岡洋子さん。
目玉の親父は田の中勇さん。
猫娘は西村ちなみさん。
・・・と、アニメ版(第四期)の声優さんが揃っているので、うっかりアニメ版の世界観のキャラゲーと誤解して買ってしまった方は多数と思われる。うーん、コンフュージング、、、!というか、この混乱はマーケティング戦略として、わざと仕掛けたハナシかな!?
ところで、このゲーム。ニクいところがあります。鬼太郎ファンの心理の、実に鋭いところを突いている作品でもあるのです。
『ゲゲゲの鬼太郎』というタイトルでありながら、プレーヤーが操作するキャラクターは鬼太郎ではないのです!
怪奇現象に巻き込まれた一般人を操作するのです!
無力な一人の人間が、逃げ惑いつつ怪異な原因を探り、「危ないところで、鬼太郎を呼ぶ」ゲームなのですよね!
でもこれ、まさにファンにとっての夢の展開ではないですか?
だって、『ゲゲゲの鬼太郎』に憧れる人の心理って、
「自分が鬼太郎になりたい」という欲望ではなくて、「鬼太郎に会いたい!そして一緒に冒険したい(冒険が終わったら日常に戻りたい)!」のほうではないですか?
少なくとも私はそうだなー。
となると、自分が鬼太郎になって妖怪と戦うゲームではなく、
「鬼太郎、たすけにきてー!」なバッチリのタイミングで、「カラーン、コローン」と彼が駆けつけてきてくれる、
この感覚を再現した本作は「もっとも鬼太郎ファンにとって正しい鬼太郎ゲーム」として、燦然と輝くべき作品なのではないでしょうか?
本作がPlayStation1というレトロハード時代の、しかも版権モノということもあり、再プレイする機会もなかなかなく歴史に埋もれかけているのは、極めて残念なこと。
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鬼太郎ゲームというのみならず、名作ホラーゲームとしても、ずっと記憶に留めたい作品なのです、本当に!