最近見た動画では、こちらが面白かった。
YouTubeで活躍中の精神医による、人間の精神世界の解説ですが、
人生の三本柱のひとつが、
「死」をどう考えるか、であるのはわかりやすいとしても、
「両親」との関係が大テーマである、というのはいささか意外(、、、ながらも、もしかしたらそうかもしれない、と思わせる話)、
だがここに「夢」が来るのは、かなり私としては驚きました。ここでいう夢というのは「野球選手になる夢」とか「よい伴侶に出会い結婚する夢」とかの意味ではなく、寝ている間に見る「夢」のほうのことです。
フロイトの『夢判断』とかジジェクの『イデオロギーの崇高な対象』とかを読んできた私としては、そういう精神分析の歴史の中での「夢」の扱いの話しかと、最初、この動画を受け止めたのですが、
この動画を見ていたら、少し違うな、精神分析の歴史を背景にはしているものの、この動画で「夢」を通じて語ろうとしているものは「脳」の話ですね!
私も(これはフロイトやユングやラカンのせいではないだろうけど)精神分析の本を読んだと思われる人が、「無意識」というなんだか謎めいた単語を無遠慮に乱発するのが、すごく気になってた。
無意識、などというものものしいキーワードを、現代の若い精神医が使用を避けて、「夢を通じて、あなた自身の脳のクセを理解する」「夢を通じて、あなた自身の脳に刷り込まれている機構を自己把握する」と説明していることに、私はまず、好感を持ったし、
夢を分析することで、自分自身についての認識が深まること、そしてここで認識が深まる「自分自身」というのは、オカルト的なものではなく、とことん「脳」という物質的なものにあるということ(※物質的なものだから唯物論的ということではありません、「無意識」とか「イド」とか「エス」とかいった言葉よりも現代人には「脳の機能」と言ってもらったほうがわかりやすいし誤解もないだろう、という、説明の簡潔さの話です)
こういう現代的なドライな理解で、しかし結局、「夢」というものの重要性が強調されること、そしてそれがYouTubeのような媒体を通して、精神医の専門用語でなく一般の人の人口に膾炙していくということは、それはとてもよいことと私は思ったのですが、いかがでしょうか?