『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章レビュー集

『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章レビュー【第22回(ついてくる/幽霊を呼ぶ音/他...)】

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放送第22回について


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最初にはっきりさせておきましょう。怪談好きとしては危険な表明なのですが。

というのも、「心霊現象の科学的な考察が何より好き」と言ってしまうと、

怪談好きからは「仲間じゃない」と思われかねず、真の科学好きからは「ゲテモノ野郎」と思われかねず、いろいろリスキーですが、それは百も承知で言うと、私は

「心霊現象の科学的な考察が何より好き」です

そしてそんな私にとって、この放送第22回に登場した「幽霊の出る音」はきわめて興味深い対象です!あの音については何度も聞いて、自分なりにいろいろ考えた。野暮な考察しか出てこなかったのでここで話はしませんが。

さてさて、そんな放送第22回のレビューをやっていきますが、

この回は、ベストの神回には数えませんが、「なにそれ!?」とドギモを抜かれる珍しい怪談が集まった名作回です。ゲストがいいのですよ!ゲストの顔ぶれが!

怪談と怪談の合間のトークが盛り上がったとなったのは、梅木一仁さんのキャラが立ったからと考えます。梅木さんが「オモシロネタ」を持ってきて場を盛り上げているいっぽうで、もう一人のゲスト怪談師大谷雪菜さんが超正統派の怖い話をぶつけてくる、そんなふうにバランスが取れた回という印象ですね

そして番組の構成や司会陣のキャラクターにも愛着を感じる私が、なんともホッコリとしてしまったのは、

アシスタントのせきぐちあいみさんが、マジメな心霊考察をしているトークの真っ最中に、唐突に梅木さんの頭のことを素でいじりはじめたところでしょうw

「今は頭の薄さは関係ないでしょう!」というツッコミを返しつつ、すかさず大笑いの場に変えてしまった梅木さんも、さすがの反射神経ですが、この頃のせきぐちあいみさんはいろんな意味でキレッキレでしたw

それではまた、ひとつひとつ、登場怪談をレビューしていきましょう!

溺れるから(上間月貴さん)

body of water under blue and white skies
Photo by Matt Hardy on Pexels.com

語り出しは、

「夏に、キャンプで、海に行った時のこと・・・」

こんなオープニングを聴いただけで、怪談好きとしては、もはや不穏な予感でバリバリです!夏シーズンの海の怪談はマジで怖い!

そういえば、稲川淳二さんの名作に、海から引き揚げられた友人の溺死体の、死体袋を開けてみたら、すんごいのがくっついてた・・・ってのがありましたね。『長い死体』という、稲川先生の代表作ですね


稲川淳二の怪談 MYSTERY NIGHT TOUR Selection14 「長い死体」

本作に登場するのも、あれを思い出させる、形状の凄まじい怪異でした

ここまで凄いヤツだと、幽霊とか妖怪とかいうよりも、ラブクラフト的なナニか、という考察さえしたくなってきます。

「ドラクエみたいに、あとからあとからゾロゾロついてきてる」っていうユーモラスな表現も個人的にツボりました!


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ついてくる(大谷雪菜さん)

girl in blue long sleeve shirt holding orange and black basketball hoop
Photo by cottonbro on Pexels.com

大谷雪菜さんの『怪談のシーハナ聞かせてよ。』初登場となります!SAY HELLO!

これまたいろんな解釈ができる怪談ですが、サイコスリラー的なノリともいえるのかな?

何はともあれ、最後に出てきたモノの「服装」のインパクトがやばすぎました。

タンクトップに半ズボンで虫取り網のおっさん、というヤツね

なんかしかし、フロイトとかラカンとかが好きな人が飛びつきそうな、どこか精神分析の世界を感じさせる怪談でもありけり

あるいは、MさんとAさんの無意識のシンクロニシティが見せたナニカだった、とでも、いうのだろうか・・・!?


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トンネルのシミ(梅木一仁さん)

silhouette of man
Photo by Artem Lupanchuk on Pexels.com

冒頭でも述べた通り、怪談そのものもさることながら、終わった後のせきぐちあいみさんによる「梅木さんいじり」の切れ味の凄さで記憶に残っている話ですねw

「そのせいで髪がなくなっちゃったんですか」て・・・w

ところで、この不穏な心霊写真怪談の舞台となっているのは、埼玉県の古いトンネルと紹介されていましたが、

どこのハナシなのか、一度、ネット上ではありますが、検討をつけてみました。

で、本件については、あっけなくわかりました。

「あ、このンネルかな」とアタリはついています。

でも、そのトンネルは問題だらけで、今は立ち入り禁止になっているそうだから、敢えて場所は伏せたままにしておきます。そもそも私、「心霊スポットに乗り込む」というのは、近隣住民の方々とのトラブルにもなりかねない話ゆえ、否定的なのです。あしからず・・・


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雨の学校(大谷雪菜さん)

rain drops
Photo by Pixabay on Pexels.com

怪現象そのものよりも、舞台となっている学校の雰囲気が怖いハナシ

広義のヒトコワとも解釈できますね

学校の先生も生徒たちも、何かを知っているっぽいのに、信任の先生にだけなぜかカタクナに教えてくれないってハナシ

特に、目の前で怪異が起きているのにスットボケたことを言って核心に触れない教頭先生にはイライラしましたね、ぶっとばしてやりたくなった・・・

雨がジトジト。登場する人たちもみんなジトジト

日本の田舎社会に紛れ込んだ人の不安がよく出ている怪談として、なんか、痛いほど、体験者の方の気持ちがわかる


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幽霊を呼ぶ音(梅木一仁さん)

turned on black samsung smartphone between headphones
Photo by Vlad Bagacian on Pexels.com

問題作、キターーーー!

「幽霊を呼ぶ音を採取してきた」という梅木さんが、スタジオでその音源を再生するという、なかなか絶後なパターンの怪談です!

冒頭でも述べた通り、この「音」についての科学的考察はいろいろできるし、かつ、本気で心霊を信じている方にはあまり面白くない考察結果にしか私は行き着かなかったのでその話は放っておいて、

ただ、

なんだか聴いているだけでゾクゾクと気味の悪くなる変な音であることはたしかです

これを心霊スポットなんぞで再生したら、一種の催眠効果で、何か変なモノが見えちゃったりするんじゃないですかね?そういう意味では、「幽霊を呼ぶ」ということも、あり得なくもない、

やはり、取り扱い注意な音であるとは、言えそうですね


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まとめ

放送第22回全体の感想としては、

ゲスト怪談師のバランスが素晴らしい!

という、ここにつきます

梅木さんと大谷さんという、タイプの違うお二人がそれぞれの持ち味をぶつけてくるのが、スパイスが効いていて、まことに、贅沢な回でした!

次回、第23回では、いよいよ川奈まり子先生がシーハナ初登場です!


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※『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章は2024年11月現在、DVDはGEOにて貸出可能、放送第39回以降からはU-NEXTで動画配信中と確認できております。

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