『怪談のシーハナ聞かせてよ。』の隠れた愉しみどころは、毎回の怪談のタイトルの背景に描かれているイラスト。
「怪談の内容もさることながら、イラストがいちばんこええよ!」とツッコミたくなることすらありますよね。BGMとして流れる「びしゃあんきゃよええんぴきぴきずううん」みたいなナゾの効果音と相まって・・・。
というわけで、ここでは「怪談そのものが始まる前の、タイトルのイラストがすでに怖くてビビった」回、10個を選んでみました!ここに登場している10怪談分のタイトル、どれも眺めているだけで、不穏な気分満載になることでしょう!
『クラブの女』のタイトルのイラストですが、これは気がついている人は少ないハナシと自負していますが、実はこれ放送第一回の『ペディキュア』という怪談のイラストを使いまわしなのですね。もともと『ペディキュア』のイラストもインパクトがあったのですが、さらに顔をアップにしてインパクトを増したのが、この第五回『クラブの女』で使われたイラストなのでした。振り向き加減がこれまたグー!
『遺品の整理』のイラストは本当に怖い。怖いよ。出落ち感満載だよ。やめてくれ。直視できない。嗚呼なんなのだろうこの禍々しさは!
『オーグリーンは死にました』のタイトルのイラストは、もはや内容とは直接関係がございません!レトロなテレビ画面のほうからとんでもなく禍々しい顔がこちらを覗いているイラストですが、肝心の怪談のほうはもっと抽象的な、都市伝説?的なオハナシ。こんな禍々しい顔のモノが出てくるわけじゃございません。でもこれだけ怖ければ許されるのだ!
『老夫婦』と『おばあさん』は同系統のイラストと言っていい。どちらも「顔が奇妙に歪んでいる老人の顔」をボーンと出すインパクトを狙っています
『青い女』も同系統。『老夫婦』と『おばあさん』が老人の顔芸だったのに対してこちらは不穏な「女性の顔」のドアップパターンです。こちらも絶好調で不穏な空気を振りまいてくれます。
『あつい』のイラストの禍々しさも忘れがたい。うん、このイラストは、たしかに、あつそうだ!でも怪談本篇のハナシを無視して、なんか地獄の業火の絵みたいになっとるね。出落ち感満載。
『のぞくな』はスペインのホラー映画「REC」のジャケットデザインを思い出す顔芸イラスト。そんでもって、「REC」のジャケットよりはるかにこちらのほうが怖いです。この顔で「のぞくな」と言われましたら、「ハイ」と答えるしかございません。
『紐引き女』も激コワ絶不穏!怪談の中に登場する「紐引き女」の形象は「こんな感じかな」と再現図にしてくれたところというべきか。それにしても、怪談の中に出てくる奴は恨みつらみ系のはずですが、このイラストのやつは微妙に笑っている?何にしてもこええ。
『カーテン』もハナシのオチに出てくる「モノ」をイラストに図消化してくれた、といったところ。なお、どうでもいいかもしれませんが、このイラストを見たとき、世代的に「聖闘士星矢」のデスマスクの神殿を思い出した。
総評として。総じて『怪談のシーハナ聞かせよ。』のタイトルイラストはぜんぶ怖い。ぜんぶ怖いけれども、ここに挙げた10話のイラストをたとえば大画面にプロジェクターで連続投射したら、それだけで見た人を仰天させられるスライドになるんじゃないか、と思った次第でした。
※次回は「異形のモノの名セリフ10選」をピックアップして紹介します!
さまざまな切り口からのベスト怪談集3:異形のモノの名セリフ集10選