『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章レビュー集

怪談のシーハナ聞かせてよ。第壱章:私的ベスト名作怪談第30位~第11位

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ここでは、カウントダウン形式で、『怪談のシーハナ聞かせてよ。』全放送怪談中から、第30位から第11位までの怪談を紹介します(ランキングはあくまで私の個人的オススメ度となりますので、あくまで参考程度にしてください)。

解説:第30位から第21位まで

30『手首』

「お前も高校生になったら一人暮らしをせいや」という方針のお父さんの言いつけどおりに、実家近くの部屋に引っ越してみたら、いろんなことが起こり始める、というオハナシ。ラストの余韻もたまらない。つまるところけっきょく、この怪異の原因は、幽霊だったの?それともラストを考慮するかぎり・・・? !

29『メンヘラ』

語り手である糸柳寿昭さんのご家族が登場するという、このうえなく「実話」怪談なオハナシ。まさかの暗黒展開に追い込まれる。それにしても押切蓮介さの『父親』を含め、語り手ご自身のご家族が巻き込まれるハナシというのは、聴いているほうにもグサグサくる緊迫感がありますね。実話と聞くとこのオチのダークさには、ただただ顔がひきつる。

28『百物語-第九十七話』

百物語スペシャルにはタイトルが入っていないので、やむなく「第九十七話」と振らせていただきましたが、いやはやこのハナシは凄い。幽霊の話かと思わせておいて、実はヒトコワになる・・・かと思わせておいて、もう一回、幽霊の話に振り戻しがかかります。短い時間の中で物語の構造が二重三重に入り組む怪談。

27『友の顔』

『怪談のシーハナ』世界においては珍しい(?)ことに、どちらかといえばハッピーエンド、感動的なエンディングを迎えるハナシ。よせやい、泣けるハナシじゃないですか。運命は選択によって変えられるのだ!

26『ひとりぼっち』

聴いている人が、いじめっ子の経験があるか、いじめられっ子の経験があるかで、感想がまるで変わってくるハナシと思います。途中の焼却炉のくだりも聞いていて辛いが、人間の暗黒面が奔流するラストがどうにもこうにも強烈。

25『温泉旅館の露天風呂』

温泉旅館が大好きなのに、何というハナシをうっかり聞いてしまったのだろう!今後、一人で露天風呂に入れなくなっちゃったらどうしてくれるのですか!なんてね。それにしても、一緒に温泉旅行ついてきた四人の友だちはガーガー寝ていて何の役にも立たないのは怪談界のお約束!

24『掃除の女』

新宿で借りためちゃくちゃ安い部屋に引っ越してみたら、いい感じで怪異が起こります。そしてこの場合、怖いのは、「最初は誰かが掃除をしている音かな」と思った音が、実は違う音だった、という認識転換の瞬間なのです。

23『彼女の実家』

結婚前提でお付き合いしている恋人の実家が、こんな家だったら、とってもイヤだ、というハナシ。それにしても、「お茶」に関する一連のやりとりはいったいなんだったのだろう・・・?これだけの怪現象を起こしておいて、お義父さんのセリフが言うにことかいて「泊まっていったらどうだ?」なのです。こんなことが平気で起こる実家に泊まるわけなかろう!だまれ!

22『桜女と青い光』

このオチを聞く限り、これは放送で話してはいけない怪談だったのではなかろうか!『怪談のシーハナ』のこの放送回の視聴者は(私を含め)今後、大丈夫なのでしょうか!?

21『深夜のバラエティー番組』

初見殺しの傑作。後半、「そうきたか!」と思うた。ちなみに、別番組のハナシですが、『永野が震える夜』というトーク番組に山口綾子さんが出演した際、この怪談イッパツで芸人の永野さんをマジでビビらせることに成功していました。自分もあんなふうに怪談で人を震え上がらせたい、と嫉妬する怪談。この語りの見事さは、そうそう真似できるもんではない。

解説:第20位から第11位まで

20『おとしもの』

いったいこれは、登場人物たちの人生に何が起こったのか?まるで『トワイライトゾーン』や『世にも奇妙な物語』に出てきそうな、時空感覚が混乱するハナシ。ただただ奇妙。

19『セーターの女』

いろんな意味でヤバすぎるハナシ!とっても怖いのですが、日本の犯罪史上にも名を残す実際の殺人事件が背景になっている為、「怪談」としてスナオに楽しむにはちょっと強烈すぎるかもしれない。同じ第14回で住倉カオスさんが話す『心霊映像の編集』はこのハナシの後日談になっているので、ぜひ、連続で視聴の程!

18『紐引き女』

大学からの帰り道で観たモノが、どんどん深刻化していき、最後は凄まじいモンスターにまで成長する!ところでこのハナシ、『怪談のシーハナ』では珍しいことに、埼玉県熊谷市と土地の名前が明言されています。どういうわけだか「熊谷」は第壱章の別の怪談でも舞台となっていた町。怪異のモノたちに人気の土地なのか、熊谷?!

17『島の旅館』

夏休みに出かけた離島の旅館で出会った親子のハナシ。最後まで聞くといろんな背景が見えてきますが、起きる事件そのものよりも、実は私自身は、何もしゃべらずにひらすらゴハンをかきこんでいる少女の挙動が妙に意味深でめちゃくちゃ怖かった。

16『カラオケ』

カラオケボックスで働いているとき、監視カメラが奇妙な頻度で故障する。そうしているうちに、お客さんが奇妙な様子で部屋から逃げ出してきて・・・。監視カメラの故障の頻度、そして故障の仕方、すべてに実は意味があった、というオハナシ。

15『車を覗く女』

これまたヤバコワなオハナシ!渋滞をしている車列に干渉をしてくる奇妙な女を見た・・・という始まりなのですが、ハナシはそこでは終わらない。映画『リング』『呪怨』の如く、関係者にどんどん事件が感染していく恐怖が余韻を残す。この奇妙な現象は、今でも日本のどこかで続いているかもしれないのだ!

14『手の話』

心霊スポットでバチあたりなことをすると大変なことになるというのも怪談界の常ではございますが、これほどのレベルの悲惨な目にあった「罰当たり心スポ突撃隊」もそうはいないのではなかろうか。ここまでボコボコに罰が当たると聞いているほうも気持ちがいい・・・なんてことはなく、やっぱり怖い!

13『留守電』

幽霊でも怪談バナシでもないんですけどね、一回だけ気持ちの悪い体験をしたことがあるんですよ」って、そういう始まり方をするハナシがたいてい幽霊なんぞよりもめちゃくちゃ怖いというのが『怪談のシーハナ』の常でございますからね。語り出しから警戒して聞いていましたよ。間違い電話の類かと思っていた留守電が、意外な波及を見せていくというハナシ。

12『ゆうれい』

背景となっている事件があまりに凄惨すぎて聞いていて打ちのめされるハナシ。映像のない「語り」という表現でも、ここまで残酷さ・不条理さは出せるのだ、と思うた。いや、もしかしたら、このハナシの言いようのない残酷さは、映像のない「語り」だから、出せているものなの、というべきなのかな?!

11『駅前のおばあさん』

ただ立っているだけでもじゅうぶんなインパクトのあるおばあさん。追いかけてきた上に、無言でいるだけかと思いきや、意外な言動に出ます。やめてください、おばあさん。これを食らったら、ぁみさんでなくても、誰でも、ファミレスに逃げ込んで朝までしのぐしか打ち手がありません・・・。

※次は、記事を改めて、いよいよベスト10の紹介を行います!

カウントダウン形式で紹介!私的ベスト名作怪談第10位~第6位!


※『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章は2024年12月現在、DVDはGEOにて貸出可能、放送第39回以降からはU-NEXTで動画配信中と確認できております。

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