『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章レビュー集

怪談のシーハナ聞かせてよ。第壱章:私的ベスト名作怪談第10位~第6位

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前回の第30位~第11位に引き続き、カウントダウン形式で、『怪談のシーハナ聞かせてよ。』全放送怪談中、第10位から第6位までの怪談を紹介します(ランキングはあくまで私の個人的オススメ度となりますので、あくまで参考程度としてください)。

それは、まずは第10位から!

【解説】

山の怪談というのは、そもそもが舞台設定からして、どこか桁違いな怖さをもっている傾向なのですが。

放送第2回で安曇さんが語ってくれる2つの「山の怪談」は、どちらも強烈

人によっては、この回で安曇さんが語ったもう1つの山の怪談、『ゾンデ』のほうが怖かったと感じる人もいるかもしれません。ただ私自身はこちら、直球で「でたー!」となる、こちら『アタックザック』のほうが強烈な印象であり、私的なランキングながら、第10位に選ばせていただきました。

しかし!

この2本の怪談のみならず、安曇さんがこの第2回で累々と語った、「自分(安曇さん)自身は幽霊を信じてない」のになぜ怪談を集め語るのか・・・をめぐる見解が、とても含蓄に富み、興味深かった。

最高級の怪談を聞けるだけでなく、「怪談とは何か」についての各怪談師さんたちの考え方が聞けるのも、この番組ならではの醍醐味ではないでしょうか?

つづいて、第9位の発表です!!

【解説】

これぞ実話怪談、と唸らせられた1本。

さまざまな出来事が続き不穏なエピソードなのですが、本当のところは何が起きているのか、どうにも、核心が曖昧なままに進んでいく。

けっきょく、「カオルさん」という女性に起こったことの正体はなんだったのか?

宇宙人のシワザ、というのも簡単ですし、幽霊のシワザ、というのも簡単ですし、神様か怨霊のシワザ、というのも簡単ですが。どの仮説をとっても釈然とせず、ただ「鉄の棒」が残ったというオチの前に、怪談を聞いている者は宙づりにされる。

実話怪談の本領とは、いかにもこのように、聞いている者の「理解」に、奇妙な「スキマ」を開けて去っていくところにあり。

まさに「実話怪談」というジャンルならではの 奇妙な後味の怪談なのでした。

続いて第8位の紹介です!

【解説】

トラウマ回。

あまりにも凄惨な展開が、これでもか、これでもかと続いていき、

このオハナシはどこにオチるのだろうか・・・?と心配になっているタイミングで、見知らぬ老婆が近寄ってきて、あの言動ですからねぇ。

終わったあとに現場の空気もいささか凍りつき、狩野英孝さんもそのせいか噛んだ。直後のせきぐちあいみさんの妄想時間のおかげで場の空気は相当に助かったんじゃないかしら。この回に関しては(!)。

なお、このハナシって、実際に古い日本民家に住んだことのある人じゃないと真の迫力は伝わらないのかもしれません。

私自身も、小さい頃に、実家の古い民家に泊まりにいったことがありまして。

明治以来の建物だったということで、雨戸の外には古井戸が、たしかにありましたが、夜に見るとめちゃくちゃ怖かったです。

このハナシを聴いている時に、私としても、子供の時のその民家に泊まった 、夏休みの夜の不安さを思い出してしまいましたよ。古井戸ねえ・・・そう、古井戸なのです。。。

続いて第7位の発表となります!

【解説】

漫画家として大活躍している押切蓮介さんが登場し、語った話。

「ある意味で」全333怪談中、最強のドンデン返しが待っている怪談です。

何を話してもネタバレになってしまうので、これについては私も細かくコメントできない!

(※もっともこの話、押切さんが漫画作品として既に出しているので、そちらを先に読んでしまった方も多いかもですが・・・)

私の感想としては、これほど哀愁ただよう怪談オチはないと言ってよく。

嗚呼、人の世とは何なのだろう!

怪談は怪談のまま終わってくれていたほうが、きっと、まだ、よかったのに!

「ニンゲン」という生き物が情けなく思えてくる、そんなテツガク的な怪談なのでした。

押切蓮介さん!この話こそ「ある意味で」最恐怪談と、私は応援させていただきます!

続いては第6位の紹介となります!

【解説】

第壱章屈指のインパクトであるだけでなく、なんとこの怪談は、後年、第参章に登場する別の怪談とリンクしますよ!(第参章未視聴の方は、お楽しみに!)

ナニモノかが憑いている(らしい)部屋の情景も、登場するモノの見た目も、恐ろしいは、恐ろしい。

しかし!

いちばん恐ろしいのは、この怪談を、語り手のいたこ28号さんが知ることになった背景を巡る不可解な点のことです。

もしかしてこの話、放送で出しちゃいけなかったのでは?!

ネタバレはしないように、コメントはこれくらいで。

ただし、もうひとつだけ付け加えますと、途中でいたこさんがギャグで入れたのかと思った「クラシアンに電話しなくちゃ」のところから、この怪談はむしろ、真骨頂になっていきます!「クラシアンで笑いをとった後に云々」のところが、オチへのキーワードになるとは!

※次は、記事を改めて、いよいよベスト5の紹介を行います!

カウントダウン形式で紹介!私的ベスト名作怪談第5位~第4位!


※『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章は2024年11月現在、DVDはGEOにて貸出可能、放送第39回以降からはU-NEXTで動画配信中と確認できております。

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