雑記

いっけん怪談本に見えない名作怪談本『日本城郭奇談』のこと

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「怪談」「歴史」「城」の三つが好きだ、という皆様!朗報です!

そんな方にピッタリの本を見つけてしまいました!

菅井靖雄さんの『日本城郭奇談』(東洋出版)です!

私は、学生時代から「城」に興味を抱きました。…そこで、城に関する奇談が書かれている資料を集めだしました。対象は、伝説・人柱・事件・七不思議・民話・埋蔵金・妖怪などに関するものなどです。

『日本城郭奇談』(菅井靖雄/東洋出版)

私がこの本を強く紹介したい理由は、タイトルも表紙も地味すぎて、きっと怪談の本だと気づかない怪談ファンが多いのではないかと、危惧したからです。私も最初見た時は、地味な歴史本かと思った。

しかしその中身は、愛知県吉田城のバケモノ退治伝説や、大和郡山城の容貌うるわしき侍女「玉苗(たまなえ)」が起こした妖怪騒動など、

日本全国の城にまつわる、怪談奇談伝説異説集。よくぞここまで集めたもの。

特に私が面白かったのは、「岐阜城の歴代城主は10人がことごとく横死している」というもの。斉藤道三から義龍、龍興にいたる斉藤家は戦国時代の人なので仕方なかったとしても、そのあとにこの城に入った織田氏、池田氏の当主連続非業死は、たしかに、「いわれてみれば気味わるい」ところ。面白かった!

この手の本がなんといっても良いのは、あくまで「好きな人」が趣味として熱心に資料を集めていたのが、蓄積されて一冊の本になった、というナチュラルな成立史に好感が持てる点。もともと日本の城というのは見かけからミスティックで興味の尽きない対象ですしね!まさに掘り出し物、良書でした!


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