「おじさん、このガチャ、こわれてるよー? お金を入れて回したけど、何も出てこないよー?」
「ああ、それね。いや、壊れているんじゃないんだよ。
このガチャは正確には、『いつ、何が出てくるかわからない』ガチャといってね。
さあて、今夜になるかね、明日になるかね、ヒヒヒヒヒ」
ダメダメダメ!これはダメじゃ!今まで見てきた創作怪談の中で、いちばんダメじゃ!
(いつにもまして旦那が怒ってる・・・)どこがいけないんですかい?旦那?
お前はこれを読んで、どう思う?サンチョ・パンサよ
んー。「おじさん」と呼ばれた、たぶんガチャを置いている店の店主がイジワルで気持ち悪いだけで、そんなに怖くない・・・とかですかねえ?
ちがうのじゃ・・・サンチョ・パンサよ。お前がそう読んでしまうのも無理はない、というのが、この怪談のダメなところなのじゃ。お前は悪くない、むしろまっとうじゃ。この怪談を読んだら、たいていは、「イジワルな店主のハナシ」だと思い、「呪いのガチャのハナシ」だとは思わんじゃろ?
ああ!まさか・・・!
そうなのじゃ!この怪談は、書いた側の意図としては、「使うと呪われて、今夜になるか明日になるかわからないが、サダコ的な呪いの幽霊がガチャから這い出してきて子供を襲う」という怪談にしたかったのじゃ。ところが、どう読んでもそれは伝わらず、「イジワル店主の詐欺まがいな言動を扱ったブラックユーモア」と読めてしまうじゃろう?だが書いたほうは、幽霊の出現を匂わせた怪談のつもりでいるのじゃ!
そもそも意図が伝わらないってことは・・・採点は厳しくなりますかね?
だがまぁ・・・この作者は、この怪談を投稿した日、「おもしろいハナシでした!イジワルな店主ですねー」等の、褒めてくれているのだが意図が伝わらなかったことは明白な読者から複数コメントがついて、相当ヘコんだらしいから。すでに反省済みの件として、少し採点を甘めにしてやろう・・・1点じゃ!