ロシア・ソ連映画鑑賞日記

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ワールドエンド

『魔界探偵ゴーゴリ』のイーゴリ・バラノフ監督が放った渾身のSF戦争映画。宇宙侵略モノといえば宇宙侵略モノだが、どちらかというと圧倒的な絶望の中に追い込まれたわずかな人類の極限の心理ドラマといったほうがよい。とてつもないド迫力はさすがはバラノフ監督。問題点は、いま、ロシアがウクライナと泥沼の戦争をしている2024年現在にこの映画を見ても、「戦争とは何か」「人間の残酷さとは何か」というテーマが現実の重さに負けてしまっていること。とはいえは、我々日本人には珍しい、「ロシアから見た人類終末もの」ということで、観ておいて損はないと思う。ただし、めっちゃくちゃ、暗ーいSF映画。ラストについても重苦しいオチで、カタルシスはない。


ワールドエンド(吹替版)