雑記

怪談好きが薩摩藩史にとりつかれ自顕流剣術の体験訓練まで受けたハナシ

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先日、別の記事で、西南戦争と怪談の関係についてのオハナシをしました。

その続きとして、私と鹿児島県の、、、というか、私と薩摩藩の!フシギな縁のことをこちらに書いておきましょう。

snow sea landscape mountains
Photo by Marek Piwnicki on Pexels.com

まず、西南戦争という事件について。

この戦争については私、政府側に対しても西郷側に対しても、安易に「よいわるい」を言わないようにしております。とても複雑な背景の内戦ですからね。

ただし、そんな私、

「誰がよいわるい」関係なく、薩摩のお侍さんというものにとても縁があります。というのも、

ある時、トルコのフリー紙のライターさんから、「日本文化の紹介記事をやってほしい」と仕事の依頼があり。

それを受けて、

薩摩自顕流の道場に取材に行き、その結果を英語記事にまとめトルコの日本紹介サイトに掲載してもらう、という企画をやったのです。

※その時の内容は私のnoteに上がっています。英語版がコチラで↓

※日本語版がコチラです↓

この時、自顕流道場の方から木刀を持たせてもらい、存分に稽古を体験させてもらった上に、

東郷平八郎元帥の話など、薩摩出身の軍人や政治家の話をいろいろとさせてもらえました。めちゃくちゃ面白かった。

その際の印象の結論。

薩摩というのはやはりなんだか底が知れず面白い!

それどころか、薩摩の自顕流道場の方々と話をしていた時、「もしかすると、日本人の美質とか日本人の良さとか一般にステレオタイプでイメージされているものの大半は、薩摩人から来ているのでは?」と思ったくらい、彼らの雰囲気、豪快でありつつおおらかで気持ちがよい。昔の日本人の輪に入った外国人みたいな不思議な気持ちになった。私だって日本人なのに、「ああこれが本で読んだことのある日本人なのかあ」という、妙な感情が湧いてきて。

思えば、かの司馬遼太郎氏も、私が愛読するこちらの本、

『鹿児島百年』の序文で、

歴史を読むとき、ときに薩摩人は日本人の中でもとくに優越人種なのであろうかと思うときが多い

と大胆なことを書くほどに、薩摩に惚れ込んでおりました。

その司馬遼太郎氏も『翔ぶが如く』の後半ではどこか陰鬱な展開でしか政府軍と西郷軍の潰し合いを書かなかった。そうなんです、それくらい、西南戦争は振り返り見ても辛くて暗くて扱いにくい。

ですが、そんな私が、けっきょく今また怪談妖怪というジャンルから鹿児島近現代史に接近しているところ、自分でもおかしみを感じています。

そうです、鹿児島も怪談や妖怪のハナシには事欠きません。

そんな方面と史実をつなげて考えようとする私は相当変わっていると思いますが、、、怪談や妖怪には歴史上の人たちの思いや気持ちが入り込んでいるはずだ、そう思えばまるで見当違いなアプローチでもないはずです。たぶん、、、。

さて。

いくつか、そんな私がビビっときた本の紹介をさせてください。

まず「西南戦争と怪談」ということであれば、先日も触れた石牟礼道子さんの『西南役伝説』が面白い。取材したのは熊本側ですが、西南戦争での戦没者がどのように「伝説化」したかが、当地の人々の口伝怪談の取材から蘇ってきます。怪談取材が目的の本ではありませんが、怪談好きにはめちゃくちゃ興味深い証言の宝庫。

西南役伝説 (講談社文芸文庫) [ 石牟礼 道子 ]

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最近のものでは濱幸成さんの『鹿児島の怖い話-西郷星は燃えているか』が面白かった。濱幸成さんが城山で車中泊をして、案の定といいますか、いろんな怖い目に遭います。そのハナシも面白いのですが、「げじべぇ」とか「ボゼ」とかいった、鹿児島県に伝わる妖怪や土着神(?)のハナシの取材が、貴重でとても興味深かった。

鹿児島の怖い話 西郷星は燃えているか [ 濱幸成 ]

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感想(0件)

最後に、「中心人物の西郷隆盛のことをもっと知りたい」という方にはAmazonからKindle形式で出ている『西郷隆盛漢詩全集』がオススメです。現代人には難しい平仄法の話なども細かく解説してくれるので漢詩の勉強にもなります。今更ながらですが、西郷隆盛の漢詩などが電子書籍でガンガン読むことができる現代というのは本当にすごい!

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