放送第15回について
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それでは、『怪談のシーハナ聞かせてよ』放送第15回のレビューを始めます、、、が!
まず強調させていただきたい!
この回は神回だー!
神回なのですよ。ゆえにこの回をレビューするのは私もすでに楽しみで仕方ない
ですがゲスト怪談師の顔ぶれを見れば、この回が神回になったのも納得かもしれず
ゲスト怪談師は吉田悠軌さんと今仁英輔さんのお二人という、事実上の「とうもろこしの会スペシャル」なのであります!
このお二人のポテンシャルの高さが爆発する回でありますぞ!
それでは、ひとつひとつ怪談を見ていきましょう!
戦死(上間月貴さん)
出だしは上間月貴さんによる
戦争に関する怪談から
太平洋戦争絡みの話は、なんとも、聴いているうちに重苦しく、物悲しくなってきてしまいますよね
それに、そもそも、
こういう怪談番組で「戦争怪談」を扱うのはリスクもあると思うんですよ。「聞きたくない」って人もいらっしゃるでしょうからね。『怪談のシーハナ』も、この回では、思い切って戦争怪談を出して来たのですね
そもそもよく見たら、この回の放送日は8月9日
終戦記念日が近い中での、番組としての心意気だったのかもしれません
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線路沿い(吉田悠軌さん)
キターーーーー!!
近年の傑作ホラー漫画『不安の種』に描かれていた内容とそっくりな怪異が、実話怪談界隈の証言の中に入り込んできたという衝撃展開
我々が雑誌やコミック本で読んでいるホラーな漫画に描かれているバケモノが、今夜もどこかで虚構の世界から抜け出して、現実の東京をさまよっていることが、ある、とでも、いうのだろうか!?
しかも、そのような「現実世界侵食」系の事件が、この怪談語りの中では豪華に二つ、ミックスされているわけです
ひとつめの怪談が「西荻窪駅と荻窪駅の間」
ふたつめの怪談が「中野駅に向かって線路沿いに歩いている途中のコンビニが見えるところ」
どちらも中央線の線路沿いで遭遇したモンスター(?)についての話
すなわち、
この怪談を聞いたら、中央線沿いの荻窪、中野辺りを夜歩くのがめっちゃ怖くなる!
自分も何かに出会ってしまうんじゃないかって
視聴者の日常に浸食してきそうな怖さがあるわけです!
解釈によっては、今敏監督のアニメや、ラテンアメリカ文学のような、「現実とオハナシが相互に浸食しあう恐怖」ともいえます、いやはや、たまらん傑作でごわす!
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窓の顔(今仁英輔さん)
唐突ながら、私、この『怪談のシーハナ聞かせてよ。』という番組を通じて、
今仁英輔さんの怪談を多数聞いているうちに、気づいたことがあるんです。喋ってよいですか?
それはすなわち、
この頃の『怪談のシーハナ』での今仁さんの怪談って、前置きも状況説明もすっ飛ばして、
いきなりクライマックスから始まることがありますよね?
本作もその例のひとつ、
「ヨシミさんはその夜も・・・」と突然始まってます、普通の怪談では「これはヨシミさんという方から聞いたお話なのですが…」とかから始まると思うのですが、今仁さんのこの手法、なるほど、いきなり事件の現場に放り込まれるような感覚がありますね
それでいて、この怪談は、加害者と被害者(・・・という言い方が正しいのかはともかく)の関係がくるりとひっくり返る、複雑な構成をしているわけで
構成といい、語り方といい、練りに練られた、これまた傑作怪談なのです!
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せんせぇ(吉田悠軌さん)
なんとなんと、
「とうもろこしの会」吉田会長が語る、怖くて陰惨でしかしどーしても少し笑ってしまうところもあるという、
まさに「奇妙な味わい」のこの怪談も、この回、放送第15回に入っているのです。まことにこの回は神回だー!
満室になっているホテルに入って「どうしてもというなら、ひとつだけ、いわくつきの部屋が空いていますが・・・」と案内されるというお決まりの展開から、強烈な怪異が起こりますが・・・面白いのは、テレビの怪異の場面です
幽霊がテレビをジャックしたのか、それとも幻術の類だったのか、、、。ともかく、深夜テレビに映っているアイドルの映像に異常が起こり始めるという、なんともモダンな攻め方をしてくるホテル怪異!
それにこの怪談・・・どこかエッチなのですよ
ふざけているわけでなく、これは日本怪談を語る上で大事な点と思っていて、
もともと古典怪談以来、日本の怪異とはどこかで「淫靡」な事件とセットで現れるところがあります
この怪談は、テレビという機械を使うモダンな見た目をしていて、なかなか古典怪談の伝統に誠実、ともいえるわけで
怪談と淫靡さ
・・・そういえば、吉田悠軌さんが、テレビに映っているアイドルの映像のマネをするところのしぐさ、手のしぐさがなんだかかわいいですよね!
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海の絵(今仁英輔さん)
ふと気づけば、ホテル怪談2連発ですね!
そしてこの今仁さんのホテル怪談も、忘れがたいインパクトの傑作怪談なのです
とりわけ、途中で出てくる
「やめて」
というナゾの声の出どころとか、奇妙な点が多いハナシです!もしかすると複数の怪現象が並行で起こっていたんですかね?
絵の中の女が迫ってきたり、かと思えばそれとばそれとは関係ないナニモノかの声がしたりと、
『線路沿い』につながる、現実とオハナシの混交のハナシとも解釈できますよね?!
絵の中の世界と、ホテルの部屋とがつながったという、異次元系のハナシとでもいうか
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まとめ
さて、こうしてみてきました、放送第15回、
かえすがえすも、
神回でございます!
そして吉田悠軌さんと今仁英輔さんが実に活き活きと大活躍する好回ですよね
その他に、もうひとつ、ぜひ注目してほしいことがありまして、
怪談のひとつには正式にはカウントされていないのですが、今仁英輔さんの『海の絵』が終わった後の解説中に糸柳寿昭さんが語る「ダンガンババア」のハナシは、ぜひ聞いてほしい!
この「ダンガンババア」は隠れ名怪談と思います!
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※『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章は2024年12月現在、DVDはGEOにて貸出可能、放送第39回以降からはU-NEXTで動画配信中と確認できております。