『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章レビュー【第03回(時計/ねじれる/他…)】

stainless faucet

放送第3回について

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さて、それでは放送第三回のレビューを始めましょう

この放送回について、まず言いたいことは、

この回は、神回である!

ということです。

いやもう、私の中でのレジェンド回のひとつなのですよ、率直に

今回のゲスト怪談師さんは、

いたこ28号さんと、郷内心瞳さん

今から観ると、いたこ28号さんの紹介キャッチが、「一般の方」「普通の会社員の方」となっているのが驚いてしまう!

その後、怪談界隈を語るには避けて通れぬ御方となった、いたこ28号さんが!

司会の狩野英孝さんが「怪談社さんのオスキつきというなら、一般の方といっても大丈夫ですねー」と言っていますが・・・今や怪談界隈でのいたこ28号さんの知名度はそれどころではございませんからね。

いっぽうの郷内さんは、現職の「拝み屋」さんということで、持ってくる怪談も貴重な話ばかりながら、合間に話すご本人のトークも逐一、面白い。東北に行きたくなってきます!

それでは、怪談をひとつひとつ、見ていきましょう!

時計(紙舞さん)

analog clock sketch in black surface
Photo by Miguel Á. Padriñán on Pexels.com

紙舞さんご自身が、

「怪談ってのは怖いばかりじゃないのです。こういうハナシもあるんです」

と仰っていますが、まさにその通り。

強烈な感動が後に残ります。

心にジワっとくる、「あったかい系」の怪談は、もしかしたらこれが『怪談のシーハナ』で初めてじゃないかな?

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ねじれる(いたこ28号さん)

stainless faucet
Photo by Steve Johnson on Pexels.com

この怪談は・・・いやもう素晴らしい!

パーフェクトな怪談!怖い!面白い!引き込まれる!

もうたまらん!いたこ28号さん、大好きです!!

『怪談のシーハナ聞かせてよ。』には傑作が多々ありますが、「純粋に怖い怪談が聞きたい」という方には、これは特にオススメ

番組に登場した怪談中の「謎のモノたち」の中でも、弩級にヤバい存在が迫ってきます!

そしてもうひとつ、忘れてはならないこと。

この「ねじれる」という怪談。なんとなんと、『怪談のシーハナ聞かせてよ。』の第参章で、後日談が登場するのです!

ここで話された怪異は、まだ続いているらしく!詳細はぜひ、「第参章」のいたこ28号さんゲスト回を参照くださいませ!

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ザリガニ神社(郷内心瞳さん)

traditional shrine with columns
Photo by Kyla Van Dyk on Pexels.com

郷内さんらしいネタです!

まるでフォークロアの世界観。

こういう「日本昔話」そのままのような因果応報な出来事が現代にも起きたという、感慨深い実話怪談でした

そのうえ、子供の命をとるまでには至らず、スンドメくらいの目で解放してくれているのが、

なんとも、東北の神様の仕業って感じがしますよね

しかし、この怪談、話の内容そのものよりも、怪談の開始前に郷内さんが語る、「今日は他の怪談をするつもりだったのに、急遽、この怪談に変更します。その理由は・・・」というところが、いちばん怖くないですか?!

郷内さん、本当は別の怪談を準備して撮影に臨んだのに、なぜか目が腫れてしまったそうで。

そして、この郷内さんの「目の腫れ」の話、このあとの放送第四回で、アシスタントの高田のぞみさんに伝染してしまうのです!

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愛しの雛人形(いたこ28号さん)

doll with grey eyes and brown hair
Photo by James Sutton on Pexels.com

おそらくはミヤビな古代王朝時代からやってきたと思われる、

古語で話しかけてくるという珍しい幽霊との遭遇譚。

夜中に現れたモノの言ってきたセリフが「そちは誰じゃ」って・・・お前こそ誰だってハナシですわいw

なにやら淫靡な方向に展開していくあたりも、まさに日本の古典怪談とリンクするような世界観で、面白い。

しかしこの、体験者の方の妄想なのか夢なのか、なんなのかわからない感じが、なんとも「実話怪談」!

お線香を食べちゃうところとかw

とっぴなイメージが入り乱れる、

もうわっけわかんない、奇妙キテレツなハナシ!

まこと、強烈なインパクトなのです。

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桜女と青い光(郷内心瞳さん)

pink petaled flowers closeup photo
Photo by Brett Sayles on Pexels.com

私は、こういうタイプのオチの怪談が、いちばん怖いのですよ

すなわち、

「このハナシを聞いてしまった人には何かが起こるのでは?」と不安にさせるオチのパターン

この怪談のラストにも、「ゾゾゾ」っとしたものです。

それにしても、そういう「話しちゃいけないのではないか?」な怪談を語る時、この時の郷内心瞳さんも含め、

怪談師の片って、実に楽しそうですよねw?

この怪談でも、郷内さん、このくだりに差し掛かった時、「またしてもね・・・フフフ・・・夢の中でね・・・ハハハ・・・光が・・・フフフ・・・ぐるぐるまわってたんですよ!」とめちゃくちゃ嬉しそうなんです

怪談を聴いている人たちを、運命共同体のごとく、巻き込んでいく感覚があるからでしょうか!

ところで、もう一点、この怪談を視聴していて気づいた、

細かすぎて伝わらないトリビアをひとつ。

この怪談が終わった後に、せきぐちあいみさんが、「今日は、腰がヌケるような怖い話から、ちょっとヌケるようなエロいハナシまで、いろいろですね」と、シモなダジャレをかましてくれているんですが、

せきぐちさんは「きつーいシモネタを言ってやったぜ」という感じでいるのに、

みんなが完全にスルーしているところ、

とてもかわいそうだった・・・大丈夫ですよせきぐちさん、私は、笑いました。。。

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まとめ

総評として。

いたこ28号さんと郷内心瞳さんという、これまたスタイルのまったく違う怪談師さんを交互に楽しめる贅沢な回であり、

まさにシリーズ初期の神回と扱うべき放送回でございます!

特にいたこ28号さんの「くねくね」のインパクトと、郷内心瞳さんの眼の腫れの話がヤバかった。

なお、私としてはもうひとつ、細かすぎて伝わらないトリビアに気づいてしまいました。

この回で、せきぐちあいみさんが、怪談の合間に「私も昔、不思議な体験をしたことがあって・・・」と短く喋っているハナシ。・・・このハナシ、もしかして、のちの放送第9回で語られる『帰りの車中で』という怪談のモトネタになっているのでは?

「中華料理屋のワンさん」が出てくるやつ

ここで少しだけ話していた、せきぐちあいみさんのコネタが、のちに正式な怪談として洗練されて語られ直すわけですねー!

さて次回の放送第四回は、お初の「心霊写真もちこみ」回となります!第四回に登場する怪談についても、以下の記事で、レビュー致しますね!

↓↓↓

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『怪談のシーハナ聞かせてよ。第壱章』全333怪談リストに戻る


※『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章は2024年12月現在、DVDはGEOにて貸出可能、放送第39回以降からはU-NEXTで動画配信中と確認できております。

『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章レビュー【第02回(合宿/アタックザック/他…)】

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放送第2回について

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それでは『怪談のシーハナ聞かせてよ。』放送第2回のレビューを始めましょう!

今回のゲスト怪談師は安曇潤平さんと宇津呂鹿太郎さん

第一回のゲストもいきなり凄かったですが、

第二回もまた、強力コンビをぶつけてきましたね、

この番組の出し惜しみのなさ、

さすがです!

特に私は安曇潤平さんには注目!

もともと「山の怪談」ってのは本当にヤバい話ばかりですが・・・

安曇潤平さんの持ってくるネタはとりわけ爆弾級の怖さのものばかり

そうです、「山の怪談」は別格なのでござんすよ。山をナメてはいけない。

もう一人の宇津呂鹿太郎さんは、こちらはこちらで、この後『怪談のシーハナ』に欠かせない「準レギュラー」クラスの一人になっていくお方です。

それでは、この放送回で語られた怪談、ひとつひとつ見ていきましょう

合宿(紙舞さん)

string lights hanged on bed frame
Photo by Tan Danh on Pexels.com

紙舞さんの奇声「イイイイイイイイ!」の不意打ちにびっくりさせられた怪談

紙舞さんのスタンスとして、「いきなり声を出して驚かす怪談は違うと思う」みたいな雰囲気をいつも出しておりますが、

たまーにこうやってぶっこんでくるのでw、

真の意味で不意打ちになります。心臓に悪いことこのうえないですタイ、オラ本気でびっくらこいた、、、。

ですが、この怪談の放送でいちばん面白いところは・・・!

怪談が終わった後のトークパートで、狩野英孝さんが、アシスタントのせきぐちあいみさんを驚かそうとして「イイイイイ」と真似してみせたとき、

一瞬だけですが、紙舞さんもびくっと体が反応しているように見える、ところなのです!

ちょっとだけですが、きっとこれ、びっくりしてますよね?紙舞さん?違うかなどうかな、、、?

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アタックザック(安曇潤平さん)

man standing on cliff
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神回キターーーー!

怖い怖い怖い怖い!

このハナシはめちゃくちゃ怖い!!

いいですねー!安曇潤平さん。待っておりましたよ、かような、ガチで怖い山の怪談を!

『怪談のシーハナ聞かせてよ。』放送第二回目で、さっそくこのような、超弩級の怖さの怪談が叩き込まれるあたり、

この番組は本当に凄い。

繰り返しになりますが、

やはり「山の怪談」というのは、日本怪談の中でも別格だと思います。

こういうとんでもなく不穏な話が出てくるのも、やはり、山という場所の力かと。

そういえば・・・吉本隆明さんが宮沢賢治論の中で「山の怪談が特別に怖いのは当然だ、そもそも日本の怪談というものは山の怪談から生まれて派生してきたものなのだ」という意味のことを書いていたことがありますが、

なるほど、そういうことかもしれませんね。

何をおいても、安曇潤平さんの、静かで、しかし重い語り方も、たまりません。

「ヤット見ツケタヨ・・・」のところとか

ヤバいすねこのハナシ、、、!

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白い手(宇津呂鹿太郎さん)

white and red house surrounded by trees at night
Photo by eberhard grossgasteiger on Pexels.com

これはあくまでも、この第2回の構成上の話にすぎないんですが、

安曇さんの後に宇津呂さんが来ると、なんか、めちゃくちゃ安心しますw

というのも、

宇津呂さんが投入してくるのも、こちらも怖い話には違いない筈なのに、

あったかい関西弁の語りがどこか癒し系で、たまらないのです

この『白い手』という怪談に出てきたモノは、

幽霊というよりは、家に憑いている妖怪?の類なのかなあ、と推測しました。悪意とか攻撃性とかは、なさそうな、たぶん

なお、この怪談ですが、この後放送30回の『彼女の実家』でも、この怪談にとても似た構図が、上間月貴さんから出てくることとなります。つまり、「彼女の実家に行ってみたら、怪異に遭遇するけど、相手のご実家では『ああ。あれね。この家では普通だよ?』みたいに扱われる」ってパターン。

「彼女の家に何かが憑いている」は、現代怪談の1パターンなのかもしれません。

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ゾンデ(安曇潤平さん)

landscape photography of mountains covered in snow
Photo by eberhard grossgasteiger on Pexels.com

紛れもなくこの回は神回だーーー!

安曇潤平さん二連発の、

超弩級破壊力の「山の怪談」となります。

これも怖い怖い怖い怖い!

この回の安曇潤平さんは絶好調ですね!!

最後に、「おそらく、怪異の正体が見えたら、あの人の顔なんだろうな?」と聴き手に思わせておいて・・・

実は予想外のオチ

に向かうあたりも、まこと、実話怪談ならではの置いてけぼり感!

ちなみに、アシスタントのせきぐちあいみさんはこの怪談のインパクトが相当強かったようで

、後の放送回で「アシスタントが選ぶ傑作怪談」というコンセプトの際に、これを選んでいましたね

たしかにせきぐちさん、のめりこむように聴いておりましたね

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依頼(宇津呂鹿太郎さん)

close up photography of concrete tombstones
Photo by Mike B on Pexels.com

奇妙奇天烈、摩訶不思議!

時空が歪んだのか?タイムスリップが起こったのか?

何かSF的なとんでもないことが起こった、とでもいうのか、、、?

なんだか『トワイライトゾーン』とか『世にも奇妙な物語』とかに出て来そうな不条理な話ですが、

こういうものが実話怪談師の方々が取材していると集まってくるというのだから、現代日本も、わからないことだらけと、いいますか。

なお、私個人は、幽霊とか妖怪が出てくるハナシよりも、

このような「あれ?時空間が何かおかしくなったのか?」と戸惑うような、

世界感覚の喪失パターン、

あるいは並行世界パターンの怪談が、

大好物でございます!

安曇潤平さんの後に、宇津呂鹿太郎さんが登場して、「幽霊ではない」系統の怪談を披露してくれるって。この第2回はバランスとれてます。

はやくも、第一シーズン(第壱章)の神回のひとつですよね

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まとめ

前回の放送第1回では、朱雀門出さんに「あなた自身は幽霊を信じているのか」の話が振られたわけですが、

今回は、安曇潤平さんに対して、「あなた自身は幽霊を信じているのか」という質問が出ます。

そこでの安曇潤平さんの回答が、もはや、怪談を愛する人必聴の見解と思います。

こういう深い話が聴けるのも、『怪談のシーハナ』のたまらない魅力ですね。

そして、もうひとつ、この放送回については指摘したいことが!

せきぐちあいみさんの「妄想タイム」!なんと、この第2回から、始まっていたんですね!!

視聴者としても、最初は「???」だったが・・・だんだんこれも、第一シーズンの「顔」として、ないと寂しいコンテンツとして認知されていくのですから、不思議なものです。

さて、以下の次回記事では、放送第三回、郷内心瞳が「怪談を語ろうとしたら身体に霊障らしき異常が、、、」と訴えてくる、こわーい事件が起こる回をレビューします!

↓↓↓

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『怪談のシーハナ聞かせてよ。第壱章』全333怪談リストに戻る


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『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章レビュー【第01回(ドアスコープ/オーグリーンは死にました/他…)】

old television

はじめに

今回より、いよいよ、やります!始まります!

すなわち、

『怪談のシーハナ聞かせてよ』第壱章の全怪談レビュー

マラソン投稿開始です!

このレビューを読んだ後にぜひ本編も視聴していただきたいという観点での記事となりますので、ネタバレは最小限にしていきます(もしレビューの都合上、ネタバレに踏み込まなければいけない場合は、「この先はネタバレとなります」の旨、都度、注意喚起します)。

それにしても、

今から放送第一回を再視聴すると、

司会の狩野英孝さんも、アシスタントのせきぐちあいみさん・高田のぞみさんも、怪談社のお二人もなんだか初々しい

そんな記念すべき放送第一回のレビューを、

それでは、始めましょう!

第一回のゲスト怪談師は、

吉田悠軌さんと朱雀門出さん

いきなり強力なゲストですねー!

ドアスコープ(紙舞さん)

silhouette photo of person holding door knob
Photo by George Becker on Pexels.com

その後、名前が「上間月貴」さんに変わることになりますが、この時代のお名前は、まだ「紙舞」さん。

その紙舞さんが放送第一回目の冒頭の怪談を担当しますが、

いきなりの安定のクオリティ、さすがです。

そもそも、

ドアスコープというものは、

「視界が限定されてしまう」モノであるが為に、これを通して「何かを覗き見ている」という状態は、

死角が多くてあまりに不安!

そしてこの怪談では、案の定、実に奇妙なモノの存在が視界の外から体験者を脅かします。

ドアスコープというモノのもつ、

・よく見えないのがもどかしい

・しかし何かが見えてしまったら、それも怖い

というアンビバレンツな不安に聞き手を追い込む一編でした。

番組初回の冒頭の怪談からこのクオリティ!!

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ペディキュア(吉田悠軌さん)

interior of bathroom
Photo by Max Rahubovskiy on Pexels.com

その後すっかり番組の「準レギュラー」的存在感になってしまう、

吉田悠軌さんの初登場です!

今から振り返ると、初登場にして語り方もキャラクターもすでに堂々たる風格で完成されているのがさすがというべき・・・!

語りとしては、

「真っ白な肌」と

「真っ赤なペディキュア」のコントラスト

を強く印象づけることで聞き手を引き込みます。

語り方も、構成も、巧みです。

ちなみに・・・『怪談のシーハナ聞かせてよ』の相当なマニアでないと絶対気づかないと思う、細かすぎて伝わらないかもしれないトリビアひとつ

この「ペディキュア」という怪談のタイトルイラスト。不気味な女の影がこちらを振り向いているイラストは、放送第5回でDJ響さんが語る『クラブの女』という怪談のタイトルで、使いまわされていたりします。

皆様、気づきましたでしょうか!?

細かすぎて伝わらない指摘??失礼しました、、、

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呪殺寺(朱雀門出さん)

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Photo by Kyla Van Dyk on Pexels.com

民俗学的といいますか、人類学的といいますか、

こういうアプローチはまさに朱雀門先生です!

怪異そのものが怖いのか、それとも、それを信じて成立している共同体の因縁が怖いと言うべきか。

髑髏を持った仏像の視覚的インパクトといい、

ディテールも不穏なアイテム続出で、たまりません。

ですが怪談本編以上に私の心をとらえたのは、

怪談を終えた後の狩野英孝さんとのトークの中で出た、朱雀門先生の「ある意味、呪いというのは科学的にも存在する」の見解。

レヴィ=ストロースの本にも出てきますよね。

全員が呪いを信じている共同体では、呪いをかけられたほうも、呪いを信じているがゆえに体調を悪くして死んでしまうことがある、そういう意味ではその共同体には呪いは実在する」という話。

こういう、

「怪談師さん自身はどこまで怪異を信じているのか?」

とか、

「怪異とか霊とかについてどのような見解なのか」

とかを伺えるのも、本番組の醍醐味です!

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鼠(吉田悠軌さん)

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Photo by DSD on Pexels.com

突飛でシュールでクレイジーで、面白すぎる怪談

吉田さんのアヤしくもユーモラスな魅力が爆発します!さすがは我らが吉田会長、放送第一回から絶好調ではないですか!

それにしても、この「アキヤマ」さんなる女子はいったいナニモノだったのか、、、さっぱり掴めない。意味がわからない。ですがこれぞ実話怪談。

ドッドッドッドッドッ、という、吉田さんの擬音語を活かした語りと相まって、超ブキミー!

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オーグリーンは死にました(朱雀門出さん)

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これは、、、たまらない傑作!

『怪談のシーハナ』シリーズにこのあと登場する、あまたの怪談の中でも、

かなり特異な存在ではないでしょうか?

子供の頃にテレビの人気番組を見ていたら、変なものを見てしまう、という怪異のオハナシ

朱雀門先生ご自身が体験した実話となります

すごい!怖い!気味悪い!でも面白い!

しかしこれ、実際に見た人が全国にもたくさんいるわけですよね?背景をネットとかで調べてみたら、何か出てくるんじゃないでしょうか?

・・・とは思いつつも、なんとなく、一生懸命調べて何かが出てきてしまうのも怖い気もして・・・私はそっとしておくことにした次第

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まとめ

第一回から番組のコンセプトも登場怪談のクオリティも確固としていて、なんべん振り返り視聴しても、いい回です!

そのうえ、この回、紙舞さん、遮那さん、吉田悠軌さん、朱雀門出さん、それぞれに「あなた自身は幽霊を信じているのか?」と司会の狩野英孝さんが切り込んだ時の、それぞれの回答がめちゃくちゃ勉強になって、面白かった。

とりわけ私としては、朱雀門先生の「いる/いない」概念そのものをめぐる、とても知的な見解が特に興味深かったオハナシでした!

次回の放送第二回は、山の怪談、安曇潤平さんが登場します!以下の次回記事でレビューしますね!

↓↓↓

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【第015夜】電話がかかってくる時

yellow and silver rotary phone
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Photo by Markus Spiske on Pexels.com

「オレだけが気づいていて、お前らは誰もわかってないな。この街は実はな、何度も全く同じ一日を繰り返し続けてるんだぜ。オレ以外のヤツは記憶が深夜にリセットされちまうみたいで誰も気づかないがな。ウソじゃねえよ。見てろ。2秒後に猫が一声鳴いて、そのあと電話が2回だけ鳴って切れるから」

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電話機一台だけが写っている写真をお題に出されて、こうきましたか

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SF路線じゃが、『トワイライトゾーン』とか『世にも奇妙な物語』とかを想起させる雰囲気もあるのお

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お?ということは、旦那、この140字怪談は、なかなかお気に入りってことですかい?

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いや別に?やりたいことはわかるが、正直、たいして面白くもないのお。1点じゃ!

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【第014夜】「あれはマネキンじゃなくて、トルソーだよ!」

white dress on mannequin
white dress on mannequin
Photo by Mochammad Algi on Pexels.com

「あの窓際に置いてあるマネキン、こっちを見ている感じで気持ち悪いな」
「お前さ、あれはマネキンじゃなくてトルソーっていうんだよ?頭と手足がついてるのがマネキンで胴体だけのはトルソー。それが違いさ」
「何言ってんの?頭も手足もついてるじゃん?」
「・・・お前、何が見えてるの?」

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おお!よいぞよいぞ!これはなかなか、よいじゃないか!!

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ええー!?ドン・キホーテの旦那が140字怪談を褒めるなんて珍しいですね!なんかむしろ怖いな・・・

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何を言うんじゃ、サンチョ・パンサよ。まあ、この作品をよく見るがよい。この怪談は、「トルソー」という、服飾系の仕事をしている方でもない限りは、普通は知らないコトバを使っておる。だが、それをちゃんと説明しつつ、きっちり、140字内で怪談オチまで持ち込んでいるのじゃ!

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ああ!ほんとだ!ちゃんと言葉の説明をしているのに、140字以内にきちんと収まってる!

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ツイノベというなら、こういう、「よくぞこの文字数の中で、説明まで含めて全部入れたものだ!」と感心させてくれるものを読みたいわな。よし、これは100点満点で・・・60点じゃ!

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ええー!?ドン・キホーテの旦那がそんな高い点数を?珍しい!(次回、一気に酷評に戻るんじゃないかと怖いなぁ・・・)

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【第013夜】ネッチーの棲む湖

water splash
water splash
Photo by Pixabay on Pexels.com

この湖には伝説の怪獣ネッチーが棲んでると聞いたのに何も出ない。水辺で集合写真を撮って帰った。後日写真を見ると僕らの後ろに妙な水柱が…
「あそこに噴水なんてなかったよな?」
「湖の中から何がこんなに水を高く吹き上げてたんだろう?」
「鯨の潮吹きに似てないか?」

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「ネッチー」ってなんすかね・・・w?

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というツッコミを喚起するだけで成立しておる140文字怪談じゃな

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「出落ち」みたいなもんですね。「ネッチーっていったいなんだよ!」という読者の心の声が響き渡る感じの

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まぁ、おもいきってギャグに振り切った感じなのは、いさぎよくて、悪くないかもしれん

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お!ということは旦那、これには少しは良い採点を出しますかい?

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そうじゃな。それでは100点満点で・・・2点じゃ!

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【第012夜】歩道橋の向こう側のビルに見える人影は

high rise buildings during nighttime
high rise buildings during nighttime
Photo by Irina Iriser on Pexels.com

A「向こうに見えるビルの窓、こんな時間なのに明かりがついているんですね」
B「人影も見えますか?」
A「はい、いくつか」
B「それなら、あなたはこの歩道橋を渡らないほうがいいですよ。あのビルの人影が見えちゃっているならね、、、」

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これはつまり、「向こう側のビル」の窓に見える人影は、普通の人には見えないものだ、と

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うむ

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それが見えてしまっている人は、霊感が強いので、歩道橋を渡って「向こう側のビル」に近づくと不吉なことが起きるぞ。そう警告されている、という怪談ですね!

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うむ。それで?サンチョ・パンサよ。それを理解するのにどれくらいかかった

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めちゃくちゃ読み直して、考えて、やっとわかりやした

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そうじゃろ?というわけで、こんなものは1点じゃ!

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【第011夜】立ち入り禁止の警告の向こうに

road closed signage
road closed signage
Photo by Travis Saylor on Pexels.com

私「すいません、立入禁止ってありますけど、この先には何があるんですか?」
警備員「あなたたちはもうここを通っちゃダメなんです。現世への道なのですから」
私「???・・・あ!そーゆーこと?!そうか、オレ、死んだのか、、、」

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ん?これはどういうことでしょう?

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つまりじゃな、サンチョ・パンサよ。「立ち入り禁止」とあるのは、この世へ戻るための通り道。つまり、この会話がなされているのは、あの世、ということじゃな

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あー。つまり、またしても「実は語り手は既に死んでいた」パターンですか

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そのうえ、なんか、よく考えないとわかりにくいじゃろ?

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わかりにくいですね

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というわけで、1点じゃ!

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【第010夜】バンジージャンプの幽霊を描写しているっぽいが何が何だかわからない

grayscale photography of scafoldings
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Photo by Pixabay on Pexels.com

Α「このあいだ、あの鉄骨からハイテンションな若い人がバンジージャンプをしてたの。あれはテレビの撮影だったのかな?これがその時、下から撮った写真」
Β「え?バンジーしてる人なんて写ってないじゃん?」
C「そういやここ半年前に迷惑YouTuberが鉄骨に登って自撮り中に落下死したとこだな」

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だめだめだめだめ!これはだめじゃ!

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おっと、どうなさいやした?ドン・キホーテの旦那?

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これはまったくだめじゃよ!なぜだかわかるか、サンチョ・パンサよ?

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んー・・・誰が誰だか、なんだかよく情景が浮かびませんね

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そうなのじゃ、サンチョ・パンサよ。この140字小説はA・B・Cという三人のキャラクターによる会話になっておる。だが挿絵も何もなく、かつ、140字という制約の中で、三人分の会話だけで背景を理解させるなど、超高度な難易度のはずじゃ!しかしそのことに自覚がなく、野放図にA・B・Cという記号だけですべてを完結させようとしている。読者に負担を強いるという意味で、これは無理じゃ!もっと単純化した設定にするか・・・そうじゃな、A・B・Cではなくて、せめて太郎、次郎、花子という人名にするか、口調にクセをつけるとかで、三人のキャラを立たせれば多少はわかりやすくなったかな?

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たしかに、A・B・Cとやられてたこれを読んだだけでは情景がさっぱり、何も思い浮かびませんね・・・

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というわけで、これに高い採点を入れるわけにはいかんな。100点満点中で・・・1点じゃ!

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【第009夜】お題「モンスター」に対して私が投稿した140字怪談を猛省する回

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Photo by Lisa Fotios on Pexels.com

モンスター?実はうちにも一匹出ますよ。全身が青の毛むくじゃらで「クッキー!クッキー!」とばかり叫んで。まあ確かにクッキーの盗み食いしかしないんですわ。それなら実害がない?でもね、目玉がグルグルいつもあらぬほうを向いてマッドな感じで、いつか何かやらかすんじゃないかと怖くてね

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・・・ええーーっ!

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・・・こ、これは・・・

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アメリカの国民的子供番組をいじっている??ちょっとこれは問題作ですよね、ドン・キホーテの旦那!

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いろいろマズいじゃろう・・・

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Twitterで「お題:モンスター」での投稿の呼びかけに、2021年6月にこれを出したそうですが・・・書いた本人が現在はたいへんに反省をしているそうです

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そうか。悪いことをしたと、わかっておるのじゃな。ならば採点も容赦はすまい。100点満点中で・・・1点じゃ!

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