『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章レビュー【第05回(シェアハウス/クラブの女/他…)】

person playing dj turntable

放送第5回について

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さてそれでは、第一シーズンの放送第五回のレビューを始めましょう!

始めようと、思ったのですが、

おお、、、そうですか、、、私、実際には『怪談のシーハナ』は過去に何周も視聴しており、今回はレビューを書くために第一回から振り返り視聴をしている時間軸に今いるのですが、

ゲスト怪談師を確認していて、感慨、

早くもぁみさん登場回なのですね!

ぁみさん無双が始まるのはもう少し後のシーズンだったような誤解があった。いいですねー、ぁみさん、待っていましたよ!!

そしてこの回はもう1人、DJ響さんがゲスト怪談師として登場。

こんな二人組を惜しげもなく投入してくる『怪談のシーハナ』という番組、やはり、タダゴトではない!

それでは、登場怪談をひとつひとつ、見ていきましょう!

悪戯(紙舞さん)

landscape photography of grass near body of water
Photo by Alex Gállego on Pexels.com

「心霊スポットへ行くのがとにかく好きな〇〇さんは…」

・・・で始まる怪談というのは、たいていが「因果応報モノ」と決まっておりますが、こちらも例に漏れず、甘い気持ちで心霊スポットに向かった人がコテンパンな間に合います。

なお、この「悪戯」という怪談の舞台は、話の中で言及されている限りだと、「山梨県のある心霊スポット」とのことですが、、、

私は、やはり、生来の怪談好きであり、かつ、リサーチ好きなのですねえ。

どこの心霊スポットの話なのだろう、と、めちゃくちゃ調べちゃいましたよ。

そして、「たぶん、ここだ!」という場所まで、特定できました。

ただ、私、いわゆる「心霊スポットで肝試し」というのは好きじゃないのですよね、、、いや私もオバカな学生の時はやっていたので、強く否定もできないのですが、やはり、心霊スポットと伝わる場所に夜中に出かけてワイワイ騒ぐのは近隣の方とのトラブルにもなるので、奨励はできない。

よって、漠然とだけ、お伝えします。

この舞台はおそらく、山梨県の、稲川淳二さんの持ちネタでも有名な、Sのつくあの池のことではないですかね!?私なりの推理。

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エレベーターでのできごと(DJ響さん)

anonymous person pressing button of lift
Photo by Kelly on Pexels.com

やはり『怪談のシーハナ』の醍醐味のひとつは、

怪談の語りが終わった後の、

ゲストと司会側がワイワイと語り合う「考察タイム」の賑やかさですよね?!

そしてこの「エレベーターでのできごと」という怪談は、まさに、聴き終わった後の「それぞれの解釈披露」が盛り上がるタイプの階段だと思います。

そうなのです、何を隠そう、私自身も「考察の虫」がウズウズさせられてしまい、怪談を聞いている最中から、「さてはこれ、体験者の舞さんと、先生とに、男女の関係があるってことじゃないか?」と疑ってました。

考察でも皆さん、そのポイントに食いついてましたね、やはりこの怪談、オトナはそう勘繰りますよねー

でも、その解釈をとると、最後に出てくる、先生の奥様の冷静さがいちばん怖い・・・ってことになってきますよねぇ

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シェアハウス(ぁみさん)

brown wooden wheel on top of green grass
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ぁみさん無双の始まりの章です

いや、ぁみさん、怖くて面白い、すごい、すごすぎるよ、やはりこの方はダテじゃないですねー!

・・・と、私はベタ褒めする怪談師さんなのですが、皆さんはどうですか?!私は直球でストライクゾーンに打ち込まれた感じがして好きだなー。

内容としては、ぁみさんが若い頃にお友達と住んでいた、あの「シェアハウス」の話。

これが、凄まじいんです。

禍々しいんです。

狩野英孝さんもが「もはやオバケヤシキじゃないですか!」と仰ってますが、まさにそうですよ、どんだけ怪異が続くんだ、という!

特に私がツボにハマったのが、みんなが二階へ向かって、「いそげ、いそげ!はやくこい!」と呼びかけているところですかね。

結論から振り返ると、「はやくこい」と言われたのに、早く来てくれなくて、、、よかったですねw

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クラブの女(DJ響さん)

person playing dj turntable
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なんとも人間心理のスキを狙ってくる、

おどかし上手な幽霊さん

が出てくる怪談です!

狩野英孝さんがおっしゃる通りです。

「おどかす演出」まんまんで準備してきたような幽霊だよな。いいところから出てくるよなぁ・・・

それにしても、『怪談のシーハナ聞かせてよ。』初期の頃は、「え?クラブなんていう賑やかなところも幽霊って出るの?」なんて思いましたが、

DJ響さんのおかげなのかw

今ではすっかり「クラブ」も怪異の起こる場所の定番と感じられるようになりました、、、!

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通話中の後ろで(ぁみさん)

selective focus photography of person holding iphone displaying white screen
Photo by Terje Sollie on Pexels.com

さきほどの「シェアハウス」で、恐ろしい物件を引き当てたぁみさんですが、

また引き当てた模様です

しかも今度は携帯電話やらネットやらを巧みに使って混乱させてくる幽霊ですぞ!

それにしても、私がこの怪談で気になったのは、「地元の山口県にいる、その手の能力がある女の友達のユカちゃん」の存在感ですね

この人が、ホラー映画によく出てくる、「幽霊のやっつけ方を教えてくれるキーパーソン」であるか・・・と思わせておいて、そうでもないwという

このユカちゃん、霊能力はあるらしいけど、なんとなく、「夜中に電話されたり、わざわざ東京まで来いと言ってきたり、あーめんどくさい」という物憂げな雰囲気があって、実にいいキャラでしたw

再登場を希望しまする!

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さまよう足音(高田のぞみさん)

reflection of a person wearing orange sneakers
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前回のせきぐちあいみさんに続いて、今回は高田のぞみさんが、怪談語りにチャレンジコーナーを、やります!

、、、出だしから、噛み噛みですけれどもw

擬音で驚かそうとしたり、タメを作ったり、一生懸命、語り方を工夫しているのですが、どうしても、うまくいかない

でもそれが、なんともホッコリ、ほほえましい

面白いコーナーと思いますよ!私は好きですねー!

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まとめ

放送第五回の総評として、

やはり、ぁみさんと響さんのコンビというのは、贅沢すぎる!素晴らしい!

なお、すごく細かいところの感想になりますが、

高田のぞみさんの怪談が終わった後の、紙舞さんのフィードバックが、めちゃくちゃ勉強になるんじゃよな。「女の子が出てくるシーンが大事なのに、それがドアなのか、すりガラスなのかの説明を事前の流れの中に入れていないのはもったいない」とか。なるほどって思うなぁ。

さて、次回の第六回は、ドライブ好きにはたまらない(あるいはドライブ好きならなおさら怖い?)回となりますよ!以下の記事で、第六回の全怪談もレビューしますね!

↓↓↓

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※『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章は2024年12月現在、DVDはGEOにて貸出可能、放送第39回以降からはU-NEXTで動画配信中と確認できております。

『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章レビュー【第04回(電波試験場の写真/憑いてくる臭い/他…)】

black and grey camera

放送第4回について

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ゲスト怪談師は

桜井館長

西浦和也さん

今回はシリーズで初めての「もちこみ心霊写真」がありますよ!

思えばこの番組ではこの後、動画を持ち込んでくる人や、ついには「幽霊を呼ぶ音楽」という音素材持ち込みまで拡がっていく「持ち込み素材」パターンが定まりますが、

その「お初」がこの回の桜井館長ということになります

また私個人としては北野誠さんの心霊番組のおかげで西浦和さんのことは前から知っていたわけなので、

『怪談のシーハナ聞かせてよ。』への西浦和さんの参戦、まず嬉しかったですね

別の番組で馴染みの怪談師さんが出てくるとやっぱり親近感沸きますね。

それでは、登場怪談をひとつずつ、見ていきましょう!

おんな(紙舞さん)

old television
Photo by Christiano Sinisterra on Pexels.com

赤ん坊をじーーっと覗き込んでいる「おんな」の目撃談から始まり、その不穏な予兆が思わぬカタチで凄惨な悲劇連鎖をもたらす、、、。

と、あらすじを要約しようとしても要約不可能。聴いていただくしかない怪談

まさに「実話怪談」ならではの、とても不可解で、不条理で、けっきょくなんだったのか、よくわからないハナシで。。。

そして何より後味の気味悪さは本番組の歴史中でも超弩級レベル!

「地上波では敬遠されるような本物の怪談をやる」という番組コンセプトに、まさにあっている怪談じゃないでしょうか。

脅かされる怪談とか、ドキドキする怪談とか、いろいろありますが、

オチをきいたらあまりの無惨さに凍りつく怪談などというのは、他の番組ではなかなか聴けず、この番組ならでは、なのかも・・・

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電波試験場の写真(桜井館長さん)

black and grey camera
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みんな大好き!心霊写真です!

いやあ、私も何だかんだ言っても、地上波の心霊番組を見て育った世代ですねえ。心霊写真を見て、スタジオの人たちもきゃあきゃあ言う雰囲気ってのが、なんか、たまらなく、好きですねえ。

おわかりいただけただろうか?ではもう一度」なノリのやつです、好きですねえ。

この桜井館長の話、語られる怪談自体も面白いんですけど、問題の心霊写真を披露をした後の、の「貸倉庫」の話のほうも面白かった!

狩野英孝さんの、「こういうヤバいモノ(心霊写真等)は普段はどこに保管しているんですか?」という質問が引き出した、短いながらもぞぞっと怖い後日談となります。狩野さん、よくぞこれを引き出してくれた!

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憑いてくる臭い(西浦和也さん)

red and white volkswagen van
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西浦和さんの語るコレは、

まさに、北野誠さんの「あの番組」の舞台裏、カメラが回っていない時に起きた裏怪談となります

そしてココで、狩野英孝さんと西浦和さんとが、

「心霊番組のロケって、カメラが回ってない時のほうが、(不思議な現象)ありますよね」「ありますねー」と一発で意気投合していたところが、なんか、面白かった

狩野英孝さんもいろいろな心霊系に出ていますからね、いろいろと心霊ロケには苦労話もあるようで。

この西浦和さんの『憑いてくる臭い』という話は、嗅覚に関するブキミな話

私としては、ふと、『世にも奇妙な物語』でで関根勤さんが主演した、「死体くさい」っていうエピソードを思い出した。懐かしい話ながら、、、

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墓場の女の写真(桜井館長さん)

close up photography of concrete tombstones
Photo by Mike B on Pexels.com

もう一発、心霊写真モノとなります。

「え?どこにも変なものは写ってないじゃん?」

「ほら、そこですよ?もういっかいよく見て、右上のあたり・・・」

「わかった!うわ、こわーーー!」

となる、ありがちながら、私の好きなパターン

ここではせきぐちあいみさんが「実によいリアクションを放ってくれます

それにしても、こういう、スタジオの芸人さんが気持ちよくビビッてくれるというのは、

大勢でお化け屋敷に入ってキャアキャア楽しんでいるような共感性があって、よいですねー

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島の旅館(西浦和也さん)

black kettle on brown wooden table
Photo by Satoshi Hirayama on Pexels.com

きたきたきたきたー!名作ですよこれは!

こういう怪談は私好みですね!古典的な怪談パターンでありつつ、そこは、やはり「実話怪談」。「え?なんだったの?」感が後味にしつこく残る

たまりませぬ!

とりわけ私にとって、この怪談でいちばん強烈なインパクトだったのは、

物語の間じゅう、ずーっとゴハンを「カツカツカツカツ」とかきこんでいる女の子でしたw

なんだったの、あの女の子は?!

不穏な感じが、もうタダゴトではなかった。名作怪談です!

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異質な男(せきぐちあいみさん)

rickshaws on the street
Photo by Ronny Siegel on Pexels.com

番組をまだ見ていない人のために説明すると、この放送第4回から、アシスタントのせきぐちさいみさんと高田のぞみさんにも怪談語りにチャレンジしてもらう試みが始まりまして、その第一弾がこれです。

これ、なのですが・・・

まあ、そもそも、「怪談」として成立しているのだろうか、という重大なツッコミを禁じ得ないオハネシでした。。。

せきぐちあいみさんには申し訳ないのじゃが、ぜんぜん怖くない上に、なんか、聴いてて笑ってしまう。。。でも、せきぐちあいみさんを弁護しておくと、ここから急成長して、後の「生収録スペシャル」あたりではかなり見事な怪談を聴かせてくれることになるのです!

そこはぜひに、後のスペシャル回をご期待ください!

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まとめ

第四回の総評として。

私はすでにこの番組を何周も繰り返し見ているのですが、こうして順番にレビューしてみると、

やはりゲスト怪談師のチョイスの豪華さに圧倒されますねえ。

第4回目で、桜井館長と西浦和さんって。もう、豪華メンバーを「ちぎっては投げ」という大盤振る舞いです

そして次回の第五回では、『怪談のシーハナ』初期の雄、怪談師ぁみさんの無双が始まりますw。以下リンク先の記事で第五回もレビューしますね!

↓↓↓

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『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章レビュー【第03回(時計/ねじれる/他…)】

stainless faucet

放送第3回について

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さて、それでは放送第三回のレビューを始めましょう

この放送回について、まず言いたいことは、

この回は、神回である!

ということです。

いやもう、私の中でのレジェンド回のひとつなのですよ、率直に

今回のゲスト怪談師さんは、

いたこ28号さんと、郷内心瞳さん

今から観ると、いたこ28号さんの紹介キャッチが、「一般の方」「普通の会社員の方」となっているのが驚いてしまう!

その後、怪談界隈を語るには避けて通れぬ御方となった、いたこ28号さんが!

司会の狩野英孝さんが「怪談社さんのオスキつきというなら、一般の方といっても大丈夫ですねー」と言っていますが・・・今や怪談界隈でのいたこ28号さんの知名度はそれどころではございませんからね。

いっぽうの郷内さんは、現職の「拝み屋」さんということで、持ってくる怪談も貴重な話ばかりながら、合間に話すご本人のトークも逐一、面白い。東北に行きたくなってきます!

それでは、怪談をひとつひとつ、見ていきましょう!

時計(紙舞さん)

analog clock sketch in black surface
Photo by Miguel Á. Padriñán on Pexels.com

紙舞さんご自身が、

「怪談ってのは怖いばかりじゃないのです。こういうハナシもあるんです」

と仰っていますが、まさにその通り。

強烈な感動が後に残ります。

心にジワっとくる、「あったかい系」の怪談は、もしかしたらこれが『怪談のシーハナ』で初めてじゃないかな?

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ねじれる(いたこ28号さん)

stainless faucet
Photo by Steve Johnson on Pexels.com

この怪談は・・・いやもう素晴らしい!

パーフェクトな怪談!怖い!面白い!引き込まれる!

もうたまらん!いたこ28号さん、大好きです!!

『怪談のシーハナ聞かせてよ。』には傑作が多々ありますが、「純粋に怖い怪談が聞きたい」という方には、これは特にオススメ

番組に登場した怪談中の「謎のモノたち」の中でも、弩級にヤバい存在が迫ってきます!

そしてもうひとつ、忘れてはならないこと。

この「ねじれる」という怪談。なんとなんと、『怪談のシーハナ聞かせてよ。』の第参章で、後日談が登場するのです!

ここで話された怪異は、まだ続いているらしく!詳細はぜひ、「第参章」のいたこ28号さんゲスト回を参照くださいませ!

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ザリガニ神社(郷内心瞳さん)

traditional shrine with columns
Photo by Kyla Van Dyk on Pexels.com

郷内さんらしいネタです!

まるでフォークロアの世界観。

こういう「日本昔話」そのままのような因果応報な出来事が現代にも起きたという、感慨深い実話怪談でした

そのうえ、子供の命をとるまでには至らず、スンドメくらいの目で解放してくれているのが、

なんとも、東北の神様の仕業って感じがしますよね

しかし、この怪談、話の内容そのものよりも、怪談の開始前に郷内さんが語る、「今日は他の怪談をするつもりだったのに、急遽、この怪談に変更します。その理由は・・・」というところが、いちばん怖くないですか?!

郷内さん、本当は別の怪談を準備して撮影に臨んだのに、なぜか目が腫れてしまったそうで。

そして、この郷内さんの「目の腫れ」の話、このあとの放送第四回で、アシスタントの高田のぞみさんに伝染してしまうのです!

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愛しの雛人形(いたこ28号さん)

doll with grey eyes and brown hair
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おそらくはミヤビな古代王朝時代からやってきたと思われる、

古語で話しかけてくるという珍しい幽霊との遭遇譚。

夜中に現れたモノの言ってきたセリフが「そちは誰じゃ」って・・・お前こそ誰だってハナシですわいw

なにやら淫靡な方向に展開していくあたりも、まさに日本の古典怪談とリンクするような世界観で、面白い。

しかしこの、体験者の方の妄想なのか夢なのか、なんなのかわからない感じが、なんとも「実話怪談」!

お線香を食べちゃうところとかw

とっぴなイメージが入り乱れる、

もうわっけわかんない、奇妙キテレツなハナシ!

まこと、強烈なインパクトなのです。

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桜女と青い光(郷内心瞳さん)

pink petaled flowers closeup photo
Photo by Brett Sayles on Pexels.com

私は、こういうタイプのオチの怪談が、いちばん怖いのですよ

すなわち、

「このハナシを聞いてしまった人には何かが起こるのでは?」と不安にさせるオチのパターン

この怪談のラストにも、「ゾゾゾ」っとしたものです。

それにしても、そういう「話しちゃいけないのではないか?」な怪談を語る時、この時の郷内心瞳さんも含め、

怪談師の片って、実に楽しそうですよねw?

この怪談でも、郷内さん、このくだりに差し掛かった時、「またしてもね・・・フフフ・・・夢の中でね・・・ハハハ・・・光が・・・フフフ・・・ぐるぐるまわってたんですよ!」とめちゃくちゃ嬉しそうなんです

怪談を聴いている人たちを、運命共同体のごとく、巻き込んでいく感覚があるからでしょうか!

ところで、もう一点、この怪談を視聴していて気づいた、

細かすぎて伝わらないトリビアをひとつ。

この怪談が終わった後に、せきぐちあいみさんが、「今日は、腰がヌケるような怖い話から、ちょっとヌケるようなエロいハナシまで、いろいろですね」と、シモなダジャレをかましてくれているんですが、

せきぐちさんは「きつーいシモネタを言ってやったぜ」という感じでいるのに、

みんなが完全にスルーしているところ、

とてもかわいそうだった・・・大丈夫ですよせきぐちさん、私は、笑いました。。。

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まとめ

総評として。

いたこ28号さんと郷内心瞳さんという、これまたスタイルのまったく違う怪談師さんを交互に楽しめる贅沢な回であり、

まさにシリーズ初期の神回と扱うべき放送回でございます!

特にいたこ28号さんの「くねくね」のインパクトと、郷内心瞳さんの眼の腫れの話がヤバかった。

なお、私としてはもうひとつ、細かすぎて伝わらないトリビアに気づいてしまいました。

この回で、せきぐちあいみさんが、怪談の合間に「私も昔、不思議な体験をしたことがあって・・・」と短く喋っているハナシ。・・・このハナシ、もしかして、のちの放送第9回で語られる『帰りの車中で』という怪談のモトネタになっているのでは?

「中華料理屋のワンさん」が出てくるやつ

ここで少しだけ話していた、せきぐちあいみさんのコネタが、のちに正式な怪談として洗練されて語られ直すわけですねー!

さて次回の放送第四回は、お初の「心霊写真もちこみ」回となります!第四回に登場する怪談についても、以下の記事で、レビュー致しますね!

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『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章レビュー【第02回(合宿/アタックザック/他…)】

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放送第2回について

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それでは『怪談のシーハナ聞かせてよ。』放送第2回のレビューを始めましょう!

今回のゲスト怪談師は安曇潤平さんと宇津呂鹿太郎さん

第一回のゲストもいきなり凄かったですが、

第二回もまた、強力コンビをぶつけてきましたね、

この番組の出し惜しみのなさ、

さすがです!

特に私は安曇潤平さんには注目!

もともと「山の怪談」ってのは本当にヤバい話ばかりですが・・・

安曇潤平さんの持ってくるネタはとりわけ爆弾級の怖さのものばかり

そうです、「山の怪談」は別格なのでござんすよ。山をナメてはいけない。

もう一人の宇津呂鹿太郎さんは、こちらはこちらで、この後『怪談のシーハナ』に欠かせない「準レギュラー」クラスの一人になっていくお方です。

それでは、この放送回で語られた怪談、ひとつひとつ見ていきましょう

合宿(紙舞さん)

string lights hanged on bed frame
Photo by Tan Danh on Pexels.com

紙舞さんの奇声「イイイイイイイイ!」の不意打ちにびっくりさせられた怪談

紙舞さんのスタンスとして、「いきなり声を出して驚かす怪談は違うと思う」みたいな雰囲気をいつも出しておりますが、

たまーにこうやってぶっこんでくるのでw、

真の意味で不意打ちになります。心臓に悪いことこのうえないですタイ、オラ本気でびっくらこいた、、、。

ですが、この怪談の放送でいちばん面白いところは・・・!

怪談が終わった後のトークパートで、狩野英孝さんが、アシスタントのせきぐちあいみさんを驚かそうとして「イイイイイ」と真似してみせたとき、

一瞬だけですが、紙舞さんもびくっと体が反応しているように見える、ところなのです!

ちょっとだけですが、きっとこれ、びっくりしてますよね?紙舞さん?違うかなどうかな、、、?

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アタックザック(安曇潤平さん)

man standing on cliff
Photo by Kasuma on Pexels.com

神回キターーーー!

怖い怖い怖い怖い!

このハナシはめちゃくちゃ怖い!!

いいですねー!安曇潤平さん。待っておりましたよ、かような、ガチで怖い山の怪談を!

『怪談のシーハナ聞かせてよ。』放送第二回目で、さっそくこのような、超弩級の怖さの怪談が叩き込まれるあたり、

この番組は本当に凄い。

繰り返しになりますが、

やはり「山の怪談」というのは、日本怪談の中でも別格だと思います。

こういうとんでもなく不穏な話が出てくるのも、やはり、山という場所の力かと。

そういえば・・・吉本隆明さんが宮沢賢治論の中で「山の怪談が特別に怖いのは当然だ、そもそも日本の怪談というものは山の怪談から生まれて派生してきたものなのだ」という意味のことを書いていたことがありますが、

なるほど、そういうことかもしれませんね。

何をおいても、安曇潤平さんの、静かで、しかし重い語り方も、たまりません。

「ヤット見ツケタヨ・・・」のところとか

ヤバいすねこのハナシ、、、!

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白い手(宇津呂鹿太郎さん)

white and red house surrounded by trees at night
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これはあくまでも、この第2回の構成上の話にすぎないんですが、

安曇さんの後に宇津呂さんが来ると、なんか、めちゃくちゃ安心しますw

というのも、

宇津呂さんが投入してくるのも、こちらも怖い話には違いない筈なのに、

あったかい関西弁の語りがどこか癒し系で、たまらないのです

この『白い手』という怪談に出てきたモノは、

幽霊というよりは、家に憑いている妖怪?の類なのかなあ、と推測しました。悪意とか攻撃性とかは、なさそうな、たぶん

なお、この怪談ですが、この後放送30回の『彼女の実家』でも、この怪談にとても似た構図が、上間月貴さんから出てくることとなります。つまり、「彼女の実家に行ってみたら、怪異に遭遇するけど、相手のご実家では『ああ。あれね。この家では普通だよ?』みたいに扱われる」ってパターン。

「彼女の家に何かが憑いている」は、現代怪談の1パターンなのかもしれません。

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ゾンデ(安曇潤平さん)

landscape photography of mountains covered in snow
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紛れもなくこの回は神回だーーー!

安曇潤平さん二連発の、

超弩級破壊力の「山の怪談」となります。

これも怖い怖い怖い怖い!

この回の安曇潤平さんは絶好調ですね!!

最後に、「おそらく、怪異の正体が見えたら、あの人の顔なんだろうな?」と聴き手に思わせておいて・・・

実は予想外のオチ

に向かうあたりも、まこと、実話怪談ならではの置いてけぼり感!

ちなみに、アシスタントのせきぐちあいみさんはこの怪談のインパクトが相当強かったようで

、後の放送回で「アシスタントが選ぶ傑作怪談」というコンセプトの際に、これを選んでいましたね

たしかにせきぐちさん、のめりこむように聴いておりましたね

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依頼(宇津呂鹿太郎さん)

close up photography of concrete tombstones
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奇妙奇天烈、摩訶不思議!

時空が歪んだのか?タイムスリップが起こったのか?

何かSF的なとんでもないことが起こった、とでもいうのか、、、?

なんだか『トワイライトゾーン』とか『世にも奇妙な物語』とかに出て来そうな不条理な話ですが、

こういうものが実話怪談師の方々が取材していると集まってくるというのだから、現代日本も、わからないことだらけと、いいますか。

なお、私個人は、幽霊とか妖怪が出てくるハナシよりも、

このような「あれ?時空間が何かおかしくなったのか?」と戸惑うような、

世界感覚の喪失パターン、

あるいは並行世界パターンの怪談が、

大好物でございます!

安曇潤平さんの後に、宇津呂鹿太郎さんが登場して、「幽霊ではない」系統の怪談を披露してくれるって。この第2回はバランスとれてます。

はやくも、第一シーズン(第壱章)の神回のひとつですよね

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まとめ

前回の放送第1回では、朱雀門出さんに「あなた自身は幽霊を信じているのか」の話が振られたわけですが、

今回は、安曇潤平さんに対して、「あなた自身は幽霊を信じているのか」という質問が出ます。

そこでの安曇潤平さんの回答が、もはや、怪談を愛する人必聴の見解と思います。

こういう深い話が聴けるのも、『怪談のシーハナ』のたまらない魅力ですね。

そして、もうひとつ、この放送回については指摘したいことが!

せきぐちあいみさんの「妄想タイム」!なんと、この第2回から、始まっていたんですね!!

視聴者としても、最初は「???」だったが・・・だんだんこれも、第一シーズンの「顔」として、ないと寂しいコンテンツとして認知されていくのですから、不思議なものです。

さて、以下の次回記事では、放送第三回、郷内心瞳が「怪談を語ろうとしたら身体に霊障らしき異常が、、、」と訴えてくる、こわーい事件が起こる回をレビューします!

↓↓↓

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『怪談のシーハナ聞かせてよ。第壱章』全333怪談リストに戻る


※『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章は2024年12月現在、DVDはGEOにて貸出可能、放送第39回以降からはU-NEXTで動画配信中と確認できております。

『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章レビュー【第01回(ドアスコープ/オーグリーンは死にました/他…)】

old television

はじめに

今回より、いよいよ、やります!始まります!

すなわち、

『怪談のシーハナ聞かせてよ』第壱章の全怪談レビュー

マラソン投稿開始です!

このレビューを読んだ後にぜひ本編も視聴していただきたいという観点での記事となりますので、ネタバレは最小限にしていきます(もしレビューの都合上、ネタバレに踏み込まなければいけない場合は、「この先はネタバレとなります」の旨、都度、注意喚起します)。

それにしても、

今から放送第一回を再視聴すると、

司会の狩野英孝さんも、アシスタントのせきぐちあいみさん・高田のぞみさんも、怪談社のお二人もなんだか初々しい

そんな記念すべき放送第一回のレビューを、

それでは、始めましょう!

第一回のゲスト怪談師は、

吉田悠軌さんと朱雀門出さん

いきなり強力なゲストですねー!

ドアスコープ(紙舞さん)

silhouette photo of person holding door knob
Photo by George Becker on Pexels.com

その後、名前が「上間月貴」さんに変わることになりますが、この時代のお名前は、まだ「紙舞」さん。

その紙舞さんが放送第一回目の冒頭の怪談を担当しますが、

いきなりの安定のクオリティ、さすがです。

そもそも、

ドアスコープというものは、

「視界が限定されてしまう」モノであるが為に、これを通して「何かを覗き見ている」という状態は、

死角が多くてあまりに不安!

そしてこの怪談では、案の定、実に奇妙なモノの存在が視界の外から体験者を脅かします。

ドアスコープというモノのもつ、

・よく見えないのがもどかしい

・しかし何かが見えてしまったら、それも怖い

というアンビバレンツな不安に聞き手を追い込む一編でした。

番組初回の冒頭の怪談からこのクオリティ!!

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ペディキュア(吉田悠軌さん)

interior of bathroom
Photo by Max Rahubovskiy on Pexels.com

その後すっかり番組の「準レギュラー」的存在感になってしまう、

吉田悠軌さんの初登場です!

今から振り返ると、初登場にして語り方もキャラクターもすでに堂々たる風格で完成されているのがさすがというべき・・・!

語りとしては、

「真っ白な肌」と

「真っ赤なペディキュア」のコントラスト

を強く印象づけることで聞き手を引き込みます。

語り方も、構成も、巧みです。

ちなみに・・・『怪談のシーハナ聞かせてよ』の相当なマニアでないと絶対気づかないと思う、細かすぎて伝わらないかもしれないトリビアひとつ

この「ペディキュア」という怪談のタイトルイラスト。不気味な女の影がこちらを振り向いているイラストは、放送第5回でDJ響さんが語る『クラブの女』という怪談のタイトルで、使いまわされていたりします。

皆様、気づきましたでしょうか!?

細かすぎて伝わらない指摘??失礼しました、、、

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呪殺寺(朱雀門出さん)

traditional shrine with columns
Photo by Kyla Van Dyk on Pexels.com

民俗学的といいますか、人類学的といいますか、

こういうアプローチはまさに朱雀門先生です!

怪異そのものが怖いのか、それとも、それを信じて成立している共同体の因縁が怖いと言うべきか。

髑髏を持った仏像の視覚的インパクトといい、

ディテールも不穏なアイテム続出で、たまりません。

ですが怪談本編以上に私の心をとらえたのは、

怪談を終えた後の狩野英孝さんとのトークの中で出た、朱雀門先生の「ある意味、呪いというのは科学的にも存在する」の見解。

レヴィ=ストロースの本にも出てきますよね。

全員が呪いを信じている共同体では、呪いをかけられたほうも、呪いを信じているがゆえに体調を悪くして死んでしまうことがある、そういう意味ではその共同体には呪いは実在する」という話。

こういう、

「怪談師さん自身はどこまで怪異を信じているのか?」

とか、

「怪異とか霊とかについてどのような見解なのか」

とかを伺えるのも、本番組の醍醐味です!

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鼠(吉田悠軌さん)

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Photo by DSD on Pexels.com

突飛でシュールでクレイジーで、面白すぎる怪談

吉田さんのアヤしくもユーモラスな魅力が爆発します!さすがは我らが吉田会長、放送第一回から絶好調ではないですか!

それにしても、この「アキヤマ」さんなる女子はいったいナニモノだったのか、、、さっぱり掴めない。意味がわからない。ですがこれぞ実話怪談。

ドッドッドッドッドッ、という、吉田さんの擬音語を活かした語りと相まって、超ブキミー!

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オーグリーンは死にました(朱雀門出さん)

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Photo by Christiano Sinisterra on Pexels.com

これは、、、たまらない傑作!

『怪談のシーハナ』シリーズにこのあと登場する、あまたの怪談の中でも、

かなり特異な存在ではないでしょうか?

子供の頃にテレビの人気番組を見ていたら、変なものを見てしまう、という怪異のオハナシ

朱雀門先生ご自身が体験した実話となります

すごい!怖い!気味悪い!でも面白い!

しかしこれ、実際に見た人が全国にもたくさんいるわけですよね?背景をネットとかで調べてみたら、何か出てくるんじゃないでしょうか?

・・・とは思いつつも、なんとなく、一生懸命調べて何かが出てきてしまうのも怖い気もして・・・私はそっとしておくことにした次第

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まとめ

第一回から番組のコンセプトも登場怪談のクオリティも確固としていて、なんべん振り返り視聴しても、いい回です!

そのうえ、この回、紙舞さん、遮那さん、吉田悠軌さん、朱雀門出さん、それぞれに「あなた自身は幽霊を信じているのか?」と司会の狩野英孝さんが切り込んだ時の、それぞれの回答がめちゃくちゃ勉強になって、面白かった。

とりわけ私としては、朱雀門先生の「いる/いない」概念そのものをめぐる、とても知的な見解が特に興味深かったオハナシでした!

次回の放送第二回は、山の怪談、安曇潤平さんが登場します!以下の次回記事でレビューしますね!

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『オーメン2/ダミアン』は悪くないと、「キャラクター死亡率」まで出して擁護してみた回(※ネタバレあり)

a broken wooden crucifix leaning on concrete

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Photo by KoolShooters on Pexels.com

『オーメン2/ダミアン』とは?

ホラー映画シリーズ『オーメン』の第二作が、『オーメン2/ダミアン』。

後光の差すほどの傑作(悪魔を扱った映画で「後光が差す」という表現もナンですが)だった第一作に比べると、「第二作は微妙」「演出が雑」といった声も多々あるようで。

かくいう私も、第一作絶賛者

そんな私の、第二作への感想はといいますと。

いや、どうしてなかなか、優秀作だと思っておりますよ!?

以前のこちらの記事でも述べた通り、第三作にはいろいろと言いたいことのある私ですが、第二作は悪くない。

「第一作と比べると何かが違う」?

いやいや、そうじゃないと思うんです。

この第二作は、かなり努力して、「第一作とは違う路線」に振り切っているんですよ。それが悪くない!

どういことか?説明しようと思います。なお、以下はネタバレを含みますので、未視聴の方はご注意ください。

スラッシャー路線に振り切った第二作(ネタバレあり!)

有名になりすぎた第一作を引き受けた続編として、どこがよいか?

今回はスラッシャー映画に路線を振り切っているんです!

これは正しい判断だったと思います。

というのも・・・

メイキングのウラバナシですが、かの第一作の監督をしたリチャード・ドナーは、制作会社から「もっとバンバン、人が死ぬ場面を増やせ」というプレッシャーを受けていたのに抵抗していた人なのですね!(第一作のDVD特典映像で、リチャード・ドナー氏自らが、「映画会社はスラッシャー映画にしてしまおうとしてきたが、そうはさせるかとふんばった」と証言しています)。

たしかに!

第一作で、悪魔および悪魔崇拝者の仕業(とみられるもの)で死んだキャラクターは、たったの4人なのです(※私カウントです、あしからず)。

ところが、この『オーメン2/ダミアン』はどうか。

これもまた、私の数え方にはなりますが、

悪魔および悪魔崇拝者の仕業(とみられるもの)で死んだキャラクターは、12人なのですw。

これ、凄いことです。だって、オーメン2の上映時間は111分なのですよ?

つまり・・・

約9分に1人の割合で人が死んでいる??w

平均をとると、まぁ、そういうことです。約9分に1人!?

まぁ、今回は、「2人まとめてサクッと1シーンで死亡」するパターンも複数あるので、単純計算した場合の話にはなりますが。そうは言っても、多いです。『チャイルドプレイ』とか『エルム街の悪夢』とかの有名ホラーでも、110分で12人というのは、あんまり見たことがないペースではなかろうか!?

そう計算してから、あらためて、オーメン2を見直してみると、なるほど!

たしかに、頻度がハンパないんです。

物語が進んだら、

こわーい音楽が流れてきて、ブシャ・グシャ・ギエー!

その人のお葬式シーンが出てきて、またちょっと、登場人物たちのドラマが進んだら、

またこわーい音楽が流れてきて、ブシャ・グシャ・ギエー!

さくさくと人が死んでいく映画なんです。序盤で紹介された、名前のあるキャラクターは、111分以内に文字通り全滅してる(悪魔崇拝者側のキャラは除く=別の見方をすると、名前のあるキャラで死ななかった奴は全員「あちら側の勢力」と見てよい・・・運転手だけは違うっぽいけど、たぶん)。

このスラッシャー映画方針の採用、悪くないですよ。

「どうしたって、あの第一作のインパクトにはかなわないんだからさ。サクサクと死亡シーンが連続する、殺人ショーにしちゃおうよ」

と製作者側が割り切ったようなスピード感。

そして、有名なエレベーターでの必殺大切断のように、それぞれの死亡シーンにけっこう手間かけているんですね。もう殺人ショーだ。生き埋めになったり、農薬にまみれたり、氷の池に落ちたり、カラスにチクチクやられたり、みんな大変。一人だけ、ベッドで寝ている時に例の怖い音楽が流れてきて、何が起こるのかと思いきや「ああ、急に胸が苦しい」と病死してしまうだけの地味なデスシーンもありましたが・・・さすがに予算が追っつかなくなったのかもしれません。

観ているほうも、趣味の悪い言い方ですが、「さあて、次は誰が死ぬのかなー」というドキドキ感で見ちゃうんですね。

そして確かに、最後のほうになると、観ているほうも、キャラクターがコーヒーメーカーひとつ操作しただけで「もしかしてこの機械が故障して凶器になるのでは?」と、画面に映るものすべてに警戒してしまうんですね。ファイナル・ディスティネーションみたいなもんだ。

雰囲気オシだった第一作と、まっこう勝負をせず、

スラッシャー映画としてサクサク人を死んでいく豪快さにもっていった第二作。

悪くないんじゃないでしょうか?!

まとめ

というわけで、私のオーメン三部作への感想を整理しますと。

第一作は、紛れもない傑作!

第二作は、酷評する人も多いけど、私は「かなりがんばった優秀作」とみている

第三作は、そんな私も、弁護のしようがない💦

というところです。

でもですね、『オーメン』シリーズ全体の評価に関わる話を、もうひとつだけ、させてください。

この第二作、シリーズ全体の位置づけとして、めちゃくちゃ大事な点があるんです。

第二作では少年に成長している、ダミアン君のことです。

彼、この第二作の中で、自分の頭皮に「666」の痣があることに、どうやら生まれて初めて気づくんですけど。

そのとき、めちゃくちゃビックリしているんですよ!

これ、私には意外だったんです。

「え?ダミアン君って、てっきり最初から自分が悪魔だと自覚しているもんだと思ってたのに!?」と。

本人がそれに気づいていなかったとなると、いろいろ、物語の解釈が変わってくるんですね。

良い意味で、深みが出てくるんです。

だって・・・第一作で、グレゴリー・ペックに車に押し込められた時にブルブル震えていたのは、「子供のフリして父親を混乱させている悪魔のやりくち」ではなくて、

本気で「お父さん、なにするの??」と怖がってたことになりますよね。

そして「前作から7年後の物語」ということは、ダミアンは第二作のタイムラインで13歳くらい。

思春期のさなかに、自分が悪魔の子だと気づいてしまう少年の話でもあるんです。

ということは、ラストシーンで見せたあの涙も、ウソの涙じゃないわけだ。

第一作では、「あどけない子供のフリをしているが、きっと腹の底では恐ろしいことを考えている悪魔なんだ!」と思っていたダミアン君が、実は複雑な内面を持った子供だとわかってしまう第二作。

そういう面からも、第一作をよくぞここまで深掘りしたと言いたい優秀作と思いますし、

ますます・・・第三作が残念に見えてきちゃうなぁ。中継ぎがここまで好投したのにねえ・・・!

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【第015夜】電話がかかってくる時

yellow and silver rotary phone
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Photo by Markus Spiske on Pexels.com

「オレだけが気づいていて、お前らは誰もわかってないな。この街は実はな、何度も全く同じ一日を繰り返し続けてるんだぜ。オレ以外のヤツは記憶が深夜にリセットされちまうみたいで誰も気づかないがな。ウソじゃねえよ。見てろ。2秒後に猫が一声鳴いて、そのあと電話が2回だけ鳴って切れるから」

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電話機一台だけが写っている写真をお題に出されて、こうきましたか

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SF路線じゃが、『トワイライトゾーン』とか『世にも奇妙な物語』とかを想起させる雰囲気もあるのお

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お?ということは、旦那、この140字怪談は、なかなかお気に入りってことですかい?

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いや別に?やりたいことはわかるが、正直、たいして面白くもないのお。1点じゃ!

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映画『オーメン最後の闘争』のよいところ/わるいところ(※ネタバレあり)

『オーメン/最後の闘争』とは?

ホラー映画シリーズ『オーメン』の第三作。

その名は『オーメン/最後の闘争』(Omen III: The Final Conflict


オーメン/最後の闘争 (字幕版)

もう「最後」って言っちゃっている通り、三部作の完結編となります。

この後もなぜかオーメンと名のつく続編は作られていくのですが、それらはもう別の話。少なくとも悪魔の子「ダミアン」君が暴れ回るシリーズは本作で幕引きです。

別記事でも述べた通り、

私は『オーメン』第一作をめちゃくちゃ高く評価しています。

そんな私、ファンからも評価の低いこの第三作をどうみているかと言うと、

「高い評価はできないが、何をやりたかったか理解できるぞ」と、慈悲深い父のような優しい目で見ております。

まあ、聞いてください。

この第三作、ストーリーラインは悪くないと思うんです。

オトナになったダミアンが、いよいよ本格的に世界の破壊に向かい。それを止めようと、七人の修道僧がイタリアを出発する、というストーリーラインは。

そして、舞台がイギリスとなっているのも、第一作を思い出させる背景設定で、なかなか良い。

なにがわるいのか?

いやもう、いろいろ、わるいんですが。

私がとりわけわるいと思っているところを指摘しようと思います。以下はネタバレになるので、未視聴の方はご注意ください。

わるいところ(ネタバレあり!)

私がいちばん、気になってしまうところ。

いちばん、わるいと思っているところ。

それを、ハッキリ、言いましょう。

すなわち、

ダミアンを暗殺しにやってくる修道僧たちが、勝手に死んでいく

ことでしょうw。

第一作でも第二作でも、ダミアンの正体に気づいた人は、けっこう頑張ったところで、飛んできたガラスに切断されたり、エレベーターのケーブルにやられたり、いろいろ見せ場を持たせてもらった上で豪快に亡くなっていたはずだぞ、、、?!

それなのにこの第三作の7人の神父の死に方ときたら。

ひとりめ:ダミアンを暗殺しようとテレビスタジオの天井裏にひそんでいたら、スタッフに声をかけられてビックリして足を滑らせ、転落死

ふたりめ:仲間にダミアンと見間違えられて、仲間にメッタ刺しにされる

さんにんめとよにんめ:雷に襲われ、あわてて廃墟の地下室に自分から入り込み、「やばい出口がない!閉じ込められた!」と騒いでフェードアウト。閉じ込められたのではなくて勝手に入ったようにしか💦

ごにんめとろくにんめ:あれだけ「正面から向かって行ってもかなわない」と自分達で伏線?をはっておいたのに、ダミアンに白昼堂々、真正面から向かっていき、ダミアンの超能力?で死亡。一人はぎこちなく橋から落っこち、もう一人は犬に食われて(!)死亡💦

しちにんめ(リーダー):物陰に潜んでからの奇襲を狙って返り討ち。しかもその際、関係ない子供を巻き込んで殺してる。

いやもう、、、なんだこの映画?コントなのか?と💦

モンティパイソンプレゼンツ、「悪魔をやっつけようとしたけどうまくいかないズッコケ修道僧たちの珍道中!夜のイギリスは大混乱!」みたいなタイトルのジョーク映画なのか?と💦

しかしこれが正式なシリーズ完結編なのです。どうしてこうなった?

悪いけど、、、あまりのショボさに、笑っちゃいましたよ、私は。

よいところ

わるいところだけ指摘して済ますのも何ですので。

よいところも、指摘しておきましょう!

この映画に、よいところ、あります!

イギリス・ロケの美しさです!

三人目四人目の神父が(勝手に)閉じ込められてしまう廃墟は、コーンウォールの屋外古城での撮影。

クライマックスは、ヨークシャーの修道院の遺跡(ファウンテンズ・アビーという世界遺産です)でロケ撮影されています。

これらの、イングランドの荒野と廃墟の神々しさとのコントラストが、なんともいえずフォトジェニック。

うーん、いい景色だなあ、イギリスに行きたいなあ!と思わせてくれる、なんとも旅情をかき立てられる、ロケ映像なのでした。

・・・よいところは、以上

まとめ

というわけで、私のオーメン三部作への感想を整理しますと。

第一作は、紛れもない傑作!

第二作は、酷評する人も多いけど、私は「かなりがんばった優秀作」とみています

第三作は、そんな私も、弁護のしようがない💦

というところでしょうか。

でも、こうとだけは言っておきましょう。聖書のヘロデ王のパロディの如くに赤ん坊が殺されていくところとか、カルト宗教の如くダミアンの信奉者がどんどん増えていくプロセスとか、ストーリーラインはかなり良かったと思うんです!

うまくやればかなり怖い映画に仕上がった筈なのに、何かの歯車が狂ったように「???」な映画になっているのはなんなのだろう?

やはりあの七人の修道僧たちのコントが、全体の緊張感をお笑いで破壊してしまうからでしょうか、、、!


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『紙芝居と不気味なものの近代』が掘り出した「墓場奇太郎」にがぜん注目したい

姜竣さんの著作『紙芝居と<不気味なもの>の近代』では、今日で言うところの「ホラー」表現の前史が、昭和初期の紙芝居に求められているのが、とても面白い。

『猫少年』とか『怪人ゴーラ』とか『墓の呪い』とかいった、戦前戦中期の紙芝居の「ホラー系」作品が紹介されているのですが、まさにノリも絵柄も今日でいうホラー漫画と同じ。正直なところ私も、日本の「ホラー」とか「怪談」とか「怪奇幻想モノ」とかを追いかけてきた中で、紙芝居というメディアはまったくノーマークでした・・・

これに気づかせてくれただけでも本書を読んだ甲斐はありました。

とりわけ、水木しげる先生の『ゲゲゲの鬼太郎』『墓場の鬼太郎』の前に、そのモトネタと思われる『墓場奇太郎』なる紙芝居が存在していたというのは、重大な指摘ではないでしょうか。これを知っている人は、なかなかいないように、私には思われる。

ただし本書を一般読者が読む上では弱点が。タイトルが予感させているとおり、フロイトやラカン、アガンベンやクリステヴァ、レヴィ=ストロースやフーコーといった、フランス(一部ドイツ・イタリア)現代思想ばりばりな本だということです。それがいけないというわけではないけれど、一般読者の立場に立つと、こんなに面白い本を扱っているのに、こんなに読みにくい本もない、ということになる。とまれ、私としては、権力非難とかエピステーメーとか文化装置とかいった「いかにも現代思想だなぁ」という議論に興味のない人は、本書に出てくる「これはフーコーのいうところの〇〇である」「あれはアガンベンのいうところの〇〇である」といった箇所は、ぜんぶ読み飛ばしても構わない気もする。

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【第014夜】「あれはマネキンじゃなくて、トルソーだよ!」

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Photo by Mochammad Algi on Pexels.com

「あの窓際に置いてあるマネキン、こっちを見ている感じで気持ち悪いな」
「お前さ、あれはマネキンじゃなくてトルソーっていうんだよ?頭と手足がついてるのがマネキンで胴体だけのはトルソー。それが違いさ」
「何言ってんの?頭も手足もついてるじゃん?」
「・・・お前、何が見えてるの?」

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おお!よいぞよいぞ!これはなかなか、よいじゃないか!!

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ええー!?ドン・キホーテの旦那が140字怪談を褒めるなんて珍しいですね!なんかむしろ怖いな・・・

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何を言うんじゃ、サンチョ・パンサよ。まあ、この作品をよく見るがよい。この怪談は、「トルソー」という、服飾系の仕事をしている方でもない限りは、普通は知らないコトバを使っておる。だが、それをちゃんと説明しつつ、きっちり、140字内で怪談オチまで持ち込んでいるのじゃ!

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ああ!ほんとだ!ちゃんと言葉の説明をしているのに、140字以内にきちんと収まってる!

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ツイノベというなら、こういう、「よくぞこの文字数の中で、説明まで含めて全部入れたものだ!」と感心させてくれるものを読みたいわな。よし、これは100点満点で・・・60点じゃ!

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ええー!?ドン・キホーテの旦那がそんな高い点数を?珍しい!(次回、一気に酷評に戻るんじゃないかと怖いなぁ・・・)

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