さまざまな切り口からのベスト怪談集:「この人怖いな」と思った怪談師5選

今度はまた少し変わった切り口で整理をしたいと思います。

『怪談のシーハナ聞かせてよ。』を連続視聴していく楽しさのひとつは、さまざまな怪談師さんの経歴や自己紹介を聞くことができる点ですよね?

ところがその中には、「怪談師さんご自身が何かに憑かれている?」というような禍々しいジンクスを持参されてくる方もあり!

今回は、そのような、「怪談本編だけでなく、ゲスト怪談師さんの自己紹介パートが既に怖かった」回を5つ、集めてみました!

第三回のいたこ28号さんが恐ろしいのは、怪談『愛しの雛人形』を語った後の、体験者に対するその態度。

何やら不可解な呪いに憑かれた体験者の方から、いまだにメールで連絡が来るということを受けて、「ヒトとしては、なんとかなってほしいと思う反面、怪談マニアとしては、死なれたら困るけど、(そうならない程度に)続きの何かが起こってほしいんですよね」という意味のことを、とても楽しそうに仰っております。

真の怪談マニアとはこういうものか!

そうですよね。怪異に巻き込まれてしまった体験者たちに、ココロの底ではどこかで「いいぞもっと何か起これ!」と思っているようなところがないと、長期活動できる怪談師さんにはなれませんよね。怪談師さんって穏やかな人が多いけど、よく考えると、こええな。気を付けよう、、、ブルブル。

同じく第三回に登場した郷内心瞳さん、この回は事件といってもよい、とんでもない話を持参してやってきます。

「本当は今日、語ろうと思っていた怪談があったのに、準備をしていただけで目が腫れ上がる怪異があったので、急遽、内容を変更してきた(そうしたら目の腫れが引いた)」とおっしゃるのです。こわい・・・と思っていたら、次収録回に判明したことですが、この「目の腫れ」はアシスタントの高田のぞみさんに感染したようなのです!言われてみれば収録場所の四谷はかの四谷怪談の土地柄。何か関係がある、とでも、いうのだろうか・・・?

第十回に登場した笑福亭純瓶さんは、居酒屋等で怪談を披露することがあるそうですが、「私が怪談を語るとそのお店はなぜかつぶれる」というジンクスを持参してきて、とっても楽しそうに披露します。「ここで怪談をやっちゃダメじゃないですか!」というせきぐちあいみさんのマジ反応が、実にいいw。

その笑福亭純瓶さんを上回ることを言いだしたのが、第二十三回に登場した川奈まり子さん。「わたしと共演した女優さんはみんな死ぬ」というジンクスを持っていらっしゃる旨を自慢げに語ります。「こんな人を呼んじゃダメじゃないですか!」というせきぐちあいみさんのマジ反応が、再び、いいw。まったくですよね・・・!

第二十八回に登場した城谷歩さん。「城谷さんにも心霊体験とか、あるんですか?」と訊かれたときに、「はい、私の場合は、みる・きく・さわる、全部あります」な回答をしています。ちょっと待ってください!「さわる」がめちゃくちゃ気になるんですけど!城谷さんの「自身の体験談」には凄いのがいっぱいあるので、これは第弐章に持ち越しの、お楽しみ案件となります。

【総評】

総評として・・・振り返りみれば、笑福亭純瓶さんが怪談を語ったところでビクともせずに『怪談のシーハナ聞かせてよ。』は長寿番組となり、川奈まり子さんが出演しても、せきぐちあいみさんも高田のぞみさんもその後もぴんぴん元気ですね。ヨカッタ!「怪談を語ることは魔除けにもなる」という別のジンクスがある通り、これだけ怪談が語られている本番組の収録現場では、むしろ中半端なジンクスは通用しない!・・・とでも、いうのだろうか?

※次回は私好みのテーマとなりますが、「時間がループした?!」とか、「見た目は同じなのに住民が違う(パラレルワールド?)ところに一瞬迷い込んでいた」といった、異次元系怪談とでもいうべきテーマの名作怪談10選をピックアップして紹介します!

さまざまな切り口からのベスト怪談集7:「異次元系」の名作怪談10選


※『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章は2024年12月現在、DVDはGEOにて貸出可能、放送第39回以降からはU-NEXTで動画配信中と確認できております。

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さまざまな切り口からのベスト怪談集:真似したくなる語り口10選

『怪談のシーハナ聞かせてよ。』の楽しみ方は、毎週入れかわり立ちかわり登場する怪談師さんたちの語りのテクニックを堪能することにあり!

その観点から見たとき、思わず語り口を真似したくなる怪談回、というものをピックアップすることが可能です。

・・・という次第で、全54放送回中の333怪談から、私が語り口にほれ込んだ怪談10個を集めてみました!

『雪国』

「気のせいかさ?」などなど、牛抱せん夏さんが長野県の方言を随所のセリフに投入した語りで怪談を語ってくれた回です!雪深い田舎でのオハナシということで、この方言の投入が雰囲気づくりにばっちり貢献している!とはいえこれはもちろん地方出身の方でないと使いこなせないワザ、となりますが、地元の怪談を語る際に土地の雰囲気を出したい、という地元愛溢れる方はぜひチャレンジしてみたい怪談語りではないでしょうか!それにしても私、牛抱さんはずっと千葉県出身(つまり私と同郷)と思い込んでいたのですが、千葉に来る前の幼い頃には長野県の野沢温泉村にいらっしゃったのですね。

『上手な絵』

語りスピードの緩急に注目したい!女の子の様子がだんだんおかしくなっていくに伴い、絵を描いている時の鉛筆の音、「シャシャシャシャシャー!」が、どんどん早くなっていきます。クライマックス(しかもなんとも凄惨な破局)に向かってどんどんアクセルを踏んでいく感じの語り口が怖い!

『鈴』

山口綾子さんの表情・口調がだんだん無表情かつ無機質になり、ブキミさを盛り上げていく怪談。つくづく、「間のとりかた」がうまいな、と聞いていると、途中で恐ろしく長い「間」をとります。・・・と思ったら、なんとこの時の間は意図的なものではなく、山口さんは本当にこの瞬間、何か「ヘンな耳鳴り」を食らっていたそうです。怖い、やめてー!語り口のテクニックに相乗して、ナニかがほんとに来てしまった瞬間、とでもいうのだろうか!

『鼠』

まさに怪鼠(としか呼びようのないモノ)が歩き回るオハナシです。吉田会長の「タッタッタッタッタ、カリカリカリカリ、トトトトトト!」という擬音語の反復が情景を盛り上げます。それにしてもナニモノだったのだ、「あきやまみさえ」!?

『第五號室』

怪談のシーハナを語る上では避けて通れない『怪談社スペシャル』で披露された一遍。糸柳さんと上間さんの二人がかりでの語りというオオワザが炸裂、すごいです!怪談が終わった後の、狩野さんのコメント、「ハナシの受け渡し方(びっくりするから)どうにかしてくんないかなー」に笑った。はい、同じ気持ちです。「からから」のところで狩野さんめちゃくちゃびっくりしたんですね。ハイ、私も「からから」のところでビックリしましたよ!

『温泉旅館の露天風呂』

最初はハナウタで表現していた音楽のメロディーが、少しずつ、歌詞つきの唄に変わっていきます。「ふーんふんふんふん・・・ふにゃのなかのとりは」と、みんなが知っている(そしてみんなどこかで気持ち悪いと思っている)あの唄にだんだん変わっていく感じがたまらない。やっと終わった、と思ったら・・・最後にもっかい、このメロディーの反復による追い討ちが!

『いいものがあるよ』

怪異にまきこまれた体験者の主観が、ふと、元の駅の情景に戻るところの話調の切り替えに注目したい!駅のホームの喧騒の表現→「ねえ、いいものがあるよ」と声がして主人公の主観になる(この間、ひっそりと静かになる)→主人公が我にかえった途端にぱああんと喧騒が戻ってくる。そんな、映画のスローモーション効果のような、語りの妙!

『おばあさん』

「幽霊とか呪われたとか、そういう因果の整然としたハナシであれば比較的ラクなんですが、そうではないハナシというものが怪談を集めていると入ってきまして・・・」という背景説明から入ります。このように、これから始まる怪談の傾向を最初に話してしまうのは大胆なようですが、本作では、これが怪談への期待度をグンと高めて、とても効いている。実際、この『おばあさん』というハナシ、いったいなんだったのか最後までブキミなモヤモヤが残るのでめちゃくちゃ怖い!怪談の語り手自体が正体不明という珍しいパターン。

『せんせえ』

めちゃくちゃ私が好みなこの怪談についても語らせてください!こちらは、今度は「(怪談を教えてくれた)体験者自身がどこかでウソをついている?」という疑惑を感じさせるという、ミステリアスな怪談。でも、いちばん素敵なのは、深夜テレビでアイドルが歌を歌っているシーンを再現するときの、マイクを持つ手真似をしながらの吉田会長の「ふんふんふんふーん」という情景描写そのものなのです。か、、、かわいい。

『演説』

この怪談における上間さんの名人芸は何度でも聞きたい!会社の朝礼での、クソイヤミな上司の演説の描写があるのですが、この上司が狂った時の描写がヤバすぎる。上間さん自身に何か人外のモノがとり憑いたのではないか、と思えるほど、狂気にとりつかれた人物の演技が迫真で、もうたまらない。それがこの名作、「演説」なのでした。

※次回はまた視点を変えます。今度は「ゲストで呼ばれた怪談師さんの自己紹介が既に怖かった」放送回5選をピックアップして紹介致します!私の中でいまだにトラウマ回となっている、「怪談師さんが収録にたどり着く直前に怪異が起こり急遽内容を変更した」あの事件回も紹介します!

さまざまな切り口からのベスト怪談集:「この人怖いな」と思った怪談師5選


※『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章は2024年12月現在、DVDはGEOにて貸出可能、放送第39回以降からはU-NEXTで動画配信中と確認できております。

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さまざまな切り口からのベスト怪談集:「困った第三者」の名セリフ10選

怪談を盛り上げる発言をするのは異形のモノの側だけではありません。

ただの人間であるところの第三者が、状況を煽るだけ煽って何の役にも立たず去って行ったり、余計な事をしてむしろ事態を深刻化させてしまったり、そんな展開よくありますよね!

そこで「さまざまな切り口」第4弾としては、そのような、「困った第三者」の名(迷)セリフが登場する怪談を、『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章333怪談の中から10個、ピックアップしてみました!

「え?おまえ、前任者から聞いてないの?」

これはバイトの先輩からの発言として登場します。しかし、これは困りますよねー。とても大事なルールがこのバイトにはあったということで・・・「それ、最初に言ってよ!」と思ったのは、私だけではないはずだ。

「言ってなかったっけ?ごめん」

これも似たようなパターン。だがこの『白い手』に関しては、この家に住んでいる皆様にとっては心霊現象は日常化していて、そんなに騒ぎ立てることとは認識されていなかった、とも解釈できる。だとするとそれはそれで、この家に住んでいるご家族の冷静さがむしろ怖いけど。

ああ、私の力ではとても祓えない!

と怖いことを言ってくるお坊様の登場する『呪われた恋人』もエントリー。ただしこのお坊様の弁護をしておきますと、その後、ちゃんと「より位の高いお坊様」を紹介してくれました。よかった・・・!

泊まって行ったらどうだ?

『彼女の実家』で登場するセリフ。怪異が起こった直後の家で親切そうにこんなことを言われて泊まる奴がいるかい。「だまれ!」

「きっと地獄に・・・」

『おじいちゃんの戦友』で登場するおばあちゃんのセリフ。この怪談ではずっと背後の登場人物かと擬態しておいて、実はキーパーソンはこのおばあちゃんでした。

「また来てたのか!」

え・・・?てことは、あいつらのこと、何か知っているんだな、おじいちゃん!!

この学校は雨の日はいろいろあるから

この怪談は面白い。先生も生徒もみんなが、こう口にする。しかし「具体的に何があるんですか?」と転任の教師が聞くと、みんながお茶を濁す。この先生&生徒のうすっぺらな反応こそが、もっとも「怪」なる点かもしれません。みんな新参者に冷たすぎる!何かあるなら具体的に教えてよ

「この家、出るのよね・・・」

徳光正行さんの『左から』で、実のお母さんがいきなりこんなことを言い出します。でも徳光正行さんのご実家のハナシということは、お父さん、とはつまり、あの徳光さんのことですよね・・・?と余計なことを考えてしまいました。

ぜんぜん気にしなくていいんだけどさ・・・」

『チェックのおじさん』は、私がひそかに「日本最大の心霊県」だと認定している山口県でのオハナシ。さすが山口、一般通行人レベルで平気で「視える人」が出てくる。気になるわい!

「つぎ頭飛んでくるからな」

『柿、食うな』は実に面白い二段階構成になっている怪談。怪異現象の異常さも迫力満点ですが、後部座席に座っているシノダさんこそが、幽霊よりもはるかに恐ろしいヤツだった、というオチが強力。あんたぜったい、何か知ってますよね、シノダさん!教えてくれないとコマリマスヨ!

総評として。こうして10個並べてみると、「困った第三者」のみなさん実に、怪談の盛り上げ役としていい味を出していますね。でも私としては、やはりお坊さんや祈祷師や霊媒師が出てきておきながら、「ごめん、私の手には負えません!」と帰っていくパターンが、常道とはいえ大好きなのでした。

それが悪い事とは言いません。できないもんは、できない、これは仕方ない。

洋モノのホラー映画『ポルターガイスト』にいたっては、「これでこの家は浄化されました」と霊媒師がいい加減なことを言って帰って行った後に、真の幽霊の猛攻撃が開始されたわけですから・・・これらの実話怪談に出てくる、「手に負えません」と帰っていく霊媒師さんは正直で誠実で親切な分、まだマシかもしれないのだ!

※次回はまた視点を変えて、怪談師さんたちのテクニックに注目し、「語り口を真似したくなる怪談10選」をピックアップして紹介致します!

さまざまな切り口からのベスト怪談集:真似したくなる語り口の怪談集10選


※『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章は2024年12月現在、DVDはGEOにて貸出可能、放送第39回以降からはU-NEXTで動画配信中と確認できております。

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さまざまな切り口からのベスト怪談集:異形のモノの名セリフ10選

有名な都市伝説の「死ねばよかったのに」とか、有名な口裂け女の「これでもキレイかい?」のように、異形のモノ(幽霊だったり、なんだか正体不明のヤツだったり)のセリフ一発で怪談の恐怖がMAXに高まる瞬間ってありますよね。

そんな、異形のモノの名セリフを、『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章の中から10個、集めてみました。

残念ながらこれはうっかりやると、各怪談のネタバレになってしまいますので・・・

ネタバレを防ぐためにどの怪談で出てくるセリフなのかは一切、伏せさせていただきます。

ご自身で是非、どの怪談に出てくるセリフなのか、探してみてください!

「お前、なんで俺のことを知ってるんだよ!」とツッコみたくなる異形のモノの発言。ずっと憑かれていたということなのか、それとも心の中を読まれていたのか・・・?!

これはちょっと笑ってしまいました。いったいなんだったんだよw!?あまりにも正体不明な怪異すぎて、怪談話を聞いているほうも「コマリマスヨ・・・」。

怪談を聞いていた私としては、この家のお父さんのほうにも、「だまれ」と言いたい。。。

郷内心瞳さんのご自身の体験談。でも、このオチになったということは、この怪談自体、放送しちゃいけない類のハナシだったのでは?番組のこの回を視聴してしまった人(私を含め!)は大丈夫なのだろうか!ぶるぶる・・・。

親切を装ってお祓いを妨害しにきたかなり知的な異形のモノ。

お前がいうなよw

結論として、やっぱり、振り返らなくて正解だったということですね。。。

ただでさえお母さんが信じてくれずにガッカリしているところに、異形のモノみずからが追い討ちでこんなことを言ってきます。ただでさえ怖いのに。ドエスか。

これは名作なので、ネタバレ防止のため細かく説明できないのが残念!ヒントだけお伝えしますと、山口綾子さんの怪談のうちのひとつで、出て来ます。

これも名作なので、ネタバレ防止のため細かく説明できないのが残念!ヒントだけお伝えしますと、山口綾子さんの怪談のうちのひとつ・・・って、山口綾子さん2連発になっちゃった!

この10個の他にも、忘れがたい名セリフはいろいろありましたが、異形のモノがそのセリフ一発で物語の雰囲気を一気に不穏にしてしまうパターンは、怪談師さんのテクニックも発揮されて実に楽しいですねー。

※次回はまた少し視点を変えて、異形のモノではなく、直接は怪異ではないはずの第三者が、頼りにならなかったり状況を悪化させたりするパターン、すなわち「第三者の迷惑なセリフ集10選」をピックアップして紹介します!

さまざまな切り口からのベスト怪談集4:「困った第三者」による名セリフ集10選


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さまざまな切り口からのベスト怪談集:タイトルイラストが既に怖い怪談10選

『怪談のシーハナ聞かせてよ。』の隠れた愉しみどころは、毎回の怪談のタイトルの背景に描かれているイラスト

「怪談の内容もさることながら、イラストがいちばんこええよ!」とツッコミたくなることすらありますよね。BGMとして流れる「びしゃあんきゃよええんぴきぴきずううん」みたいなナゾの効果音と相まって・・・。

というわけで、ここでは「怪談そのものが始まる前の、タイトルのイラストがすでに怖くてビビった」回、10個を選んでみました!ここに登場している10怪談分のタイトル、どれも眺めているだけで、不穏な気分満載になることでしょう!

『クラブの女』のタイトルのイラストですが、これは気がついている人は少ないハナシと自負していますが、実はこれ放送第一回の『ペディキュア』という怪談のイラストを使いまわしなのですね。もともと『ペディキュア』のイラストもインパクトがあったのですが、さらに顔をアップにしてインパクトを増したのが、この第五回『クラブの女』で使われたイラストなのでした。振り向き加減がこれまたグー!

『遺品の整理』のイラストは本当に怖い。怖いよ。出落ち感満載だよ。やめてくれ。直視できない。嗚呼なんなのだろうこの禍々しさは!

『オーグリーンは死にました』のタイトルのイラストは、もはや内容とは直接関係がございません!レトロなテレビ画面のほうからとんでもなく禍々しい顔がこちらを覗いているイラストですが、肝心の怪談のほうはもっと抽象的な、都市伝説?的なオハナシ。こんな禍々しい顔のモノが出てくるわけじゃございません。でもこれだけ怖ければ許されるのだ!

『老夫婦』『おばあさん』は同系統のイラストと言っていい。どちらも「顔が奇妙に歪んでいる老人の顔」をボーンと出すインパクトを狙っています

『青い女』も同系統。『老夫婦』と『おばあさん』が老人の顔芸だったのに対してこちらは不穏な「女性の顔」のドアップパターンです。こちらも絶好調で不穏な空気を振りまいてくれます。

『あつい』のイラストの禍々しさも忘れがたい。うん、このイラストは、たしかに、あつそうだ!でも怪談本篇のハナシを無視して、なんか地獄の業火の絵みたいになっとるね。出落ち感満載。

『のぞくな』はスペインのホラー映画「REC」のジャケットデザインを思い出す顔芸イラスト。そんでもって、「REC」のジャケットよりはるかにこちらのほうが怖いです。この顔で「のぞくな」と言われましたら、「ハイ」と答えるしかございません。

『紐引き女』も激コワ絶不穏!怪談の中に登場する「紐引き女」の形象は「こんな感じかな」と再現図にしてくれたところというべきか。それにしても、怪談の中に出てくる奴は恨みつらみ系のはずですが、このイラストのやつは微妙に笑っている?何にしてもこええ。

『カーテン』もハナシのオチに出てくる「モノ」をイラストに図消化してくれた、といったところ。なお、どうでもいいかもしれませんが、このイラストを見たとき、世代的に「聖闘士星矢」のデスマスクの神殿を思い出した。

総評として。総じて『怪談のシーハナ聞かせよ。』のタイトルイラストはぜんぶ怖い。ぜんぶ怖いけれども、ここに挙げた10話のイラストをたとえば大画面にプロジェクターで連続投射したら、それだけで見た人を仰天させられるスライドになるんじゃないか、と思った次第でした。

※次回は「異形のモノの名セリフ10選」をピックアップして紹介します!

さまざまな切り口からのベスト怪談集3:異形のモノの名セリフ集10選


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さまざまな切り口からのベスト怪談集:語り出しが巧い怪談10選

小説で言うところの「書き出し」がとても重要なことと同じく、怪談における「語り出し」って、とても重要ですよね。

そこでこのページでは、『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱シーズンの333本の怪談から、語り出しが印象に残ったもの10個を集めてみました!

なおこれはランキングではなく、あくまで「10個のピックアップ」のみとなります。

狂犬の語り出しは、つかみのコトバとしてとても好き。「おかしいヤツは死んでもおかしい」というこの導入の一文通り、死んでもおかしいままのヤツが学校に現れる。個人的にはこのハナシに登場した女子の反応(幽霊のせいだと言っても信じてくれず「なんで男子そんなことするの?」な反応に固執する)がとてもリアルに感じられてこの女子のほうが怖かったがそれは余談・・・。

なおちゃんとなおくんはいきなりこの文から始まり、ぐいと聞き手を出来事の渦中に放り込む。幼なじみが死んだと連絡を受け、あわてて駆けつけるところから怪異に巻き込まれていくわけですが、しかし実際、知り合いの葬儀の連絡というのは確かに、このように唐突に入ってくるものですよね。その切迫感が物語の異様な緊張にも合っており、巧いなと思った怪談。

紫陽花マンションの書き出しは、花の色に関する小知識から。これで始まった怪談だけに、当然、フシギな色の紫陽花が事件現場に咲いていた、というオチに収斂する構成が見事です。

百物語-第二話は・・・何を言ってもネタバレになるハナシなので、コメントしません!それにしてもこの「百物語スペシャル」での吉田会長は数々の「冒険的試み」をしていて、興味が尽きません!個人的には百物語スペシャルのMVPはこの方と思っている。この「壊し屋」ぶりはマジメすぎる怪談ファンには眉をひそめる向きもあるかもしれないけど。「定石くずし」のみならず、自分が「こういうのは怪談ではない」と事前に封じていたルールさえ、本番で破壊してきますから・・・!

朝の滝壺の語り出しは、ハリウッドのシナリオ作成術講座だったら満点を貰えるかもしれないが、怪談でこれをやるのは勇気がいったかもしれない。いきなり、クライマックスから始まっている、という構成。でもこの怪談については、体験者も「いきなり奇妙な現場の真ん中に放り出されているところで目が覚めて仰天」するという内容だから、この語り出しがふさわしかった、ともいえる!

。公開生収録スペシャルでせきぐちあいみさんが披露した怪談ですが、私はこれ、めちゃくちゃハイレベルでよかったと思うた。それにしても、この、講談か浪曲を思わせるような、「前口上」のような語り出しは、どこから思いついたアイデアなのでしょう!そうとうな練習量が感じられる流麗な入り方で、とても印象に残りました。

ゆうれいの語り出しは、いきなりどこへ連れていかれるのかわからないスタートとして印象深い。何の話から始まったのだろう、このハナシはどこへ行くんだろう・・・と思って聴いていると、あの陰惨ストーリーが始まるわけで。

廻る首は、語り出しの一発目の文ではなく、あくまで序版で出てくる文ですが、最初から「体験者はもともと視える人です」と示して始まるパターン。これが実は重要で、「幽霊が見えて当たり前」な生き方をしていた体験者の視界に、実にややこしいものが紛れてくる、というオハナシなのです。

エロ怪談においても、最初に体験者のキャラクター紹介がされる。けれども「性獣」とは!キャラクターの印象を最初に聴き手に焼き付けるという意味で、「インパクト重視のあだ名を紹介する」というのは強力なのではないかな、と思うた一作。そういえば、徳光正行さんの「狂犬」も、あだ名での印象付けが効いている怪談の一例かもですね。

の体験者は怪談社に電話をかけてきて、『幽霊ってほんとにいますよ』と切り出してくる。一連のハナシが終わった後に、『ね、だから、幽霊ってほんとうにいるんですよ』で怪談自体もフェードアウトしていくわけで。構成の妙!

※次回は「タイトルイラストがすでに怖い」怪談をピックアップして紹介します!

タイトルイラストが既に怖い怪談10選


※『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章は2024年12月現在、DVDはGEOにて貸出可能、放送第39回以降からはU-NEXTで動画配信中と確認できております。

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怪談のシーハナ聞かせてよ。第壱章:私的ベスト名作怪談第3位~第1位

前回に引き続き、カウントダウン形式で、『怪談のシーハナ聞かせてよ。』全放送怪談中のいよいよベスト3作品を紹介します!(尚、ランキングはあくまで私の個人的オススメ度となりますので、あくまで参考程度としてください)。

それでは、第3位の紹介です!

【解説】

誰かに映像化してもらえばハリウッド進出も可能なのでは、と思ったほど、打ち出しのよい御方が出てきて存分に暴れまわるという、モンスターホラー

映画『イット/それが見えたらおわり』にも、こんなパターンのモンスター(というか、モンスター化した少女)がいましたね。詳細ネタバレは避けますが。

夜の体育館に一人でいるときに、かようなモンスターに追跡されるというシチュエーションの怖さもさることながら、ラフカディオ・ハーンに師事したのではと思わせるような、このモンスターの「先回り」能力が強烈です。

私としては、ラストに「助かった」と思ったところで、「もういっかい、バーンと、出て来るのでは??」と身構えちゃっていたくらい、追跡再登場について、執拗なモンスターなのでした。

続いては第2位の紹介となります!

【解説】

講評不可能な話

話の内容自体、すなわち、体育館の倉庫に出てくるピエロの存在も、ブキミでは、あるのですが。

問題は、この怪談が吉田悠軌さんのところに舞い込んできた背景なのです。

いたこ28号さんの「ねじれる」以上に、この怪談は、放送で語ってはいけない禁断の怪談だったのではないでしょうか?!

何を言ってもネタバレになるので、これ以上、何も言えず。気になった方はぜひ、第20回放送分を見てください。

そして、「聴いてしまった者」どうし、今後の人生で何かが起こらないか、どきどきしながら、生きましょう!!

お待たせしました!第1位、私が選ぶ第壱章ベストワン怪談の紹介です!

【解説】

ちょっと玄人好みなベスト1になったかもしれません。

けれども私個人にとっては、この怪談との出会いこそ、第壱章における最高の出会いでした。

本作について、語りたいことは山ほどありますが、ありきたりな怪談と同じパターンを踏んでいるようで、「怖いほう」ではなく「いいハナシのほう」に、だんだん、だんだんズレていくところに、妙味があり。

実際にこれを体験されたのは、俳優の須藤為五郎さんということですが、そのお人柄が出ているかのような、

「この世ならざるもの」とのフシギな交流

「いい意味」での、大どんでん返し

後味として残る、言いようのない哀切感

更には牛抱せん夏さんの語りのテクニックが心地よく、

聞いてしまったら忘れられない余韻を残し、アシスタント高田のぞみさんも号泣の回となりました。

怪談は「怖い」だけじゃない!こういう上品な傑作が登場する「怪談のシーハナ」は、本当に凄い!

※次回からは、記事を改めて、総合点ではなく「さまざまなテーマでの」ベスト10を、第壱章から選んで紹介していきます!

さまざまな切り口からのベスト怪談集:語り出しが巧い怪談10選


※『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章は2024年12月現在、DVDはGEOにて貸出可能、放送第39回以降からはU-NEXTで動画配信中と確認できております。

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怪談のシーハナ聞かせてよ。第壱章:私的ベスト名作怪談第5位~第4位

前回に引き続き、カウントダウン形式で、『怪談のシーハナ聞かせてよ。』全放送怪談中、第5位と第4位までの怪談を紹介します(尚、ランキングはあくまで私の個人的オススメ度となりますので、あくまで参考程度としてください)。

それでは第5位から見ていきましょう!

【解説】

私が怪談を分類するのに使う造語の一つとして、「カウントダウン形式」というのがあります。すなわち・・・

・エレベーターが1階に降りていくまでに、だんだん怪異が激しくなり、1階で大事件となる

・一日、一日と怪異が激しくなり、「七日後くらいに最悪の事態になるのでは」と予感させておいて・・・そうなる

など、聞いている側に「だんだんクライマックスが近づいてくる」感が伝わるパターンですね。

そしてこちらの怪談では、座敷童子(のようなもの)が口ずさむ歌が、カウントダウンの役目をしているわけですが、

怪異の体験者が、積極的に、怪異に会いに行こうと努力する、というのが新鮮でした。

「これぜったい、ろくなことにならないから、怪異の正体を見に行こうと努力するのをやめい!」

とツッコミを入れたくなる程の体験者の積極性(!?)が、緊張感を高めていく。言わんこっちゃない。怖い展開になったでしょう?それにしても、最後の宿の対応はいったいなんだったのでしょうね・・・??

続いて、第4位の紹介です!

【解説】

あるホラー漫画(私も大好き)、『不安の種』という作品に描かれていたエピソードが、現実とリンクしてしまっている、という、SFチックなハナシ。

それにしても、こんな実話怪談があり得てしまったとなると・・・

もしかして、私やあなたが、昨日や今日、読んだ、

あのホラー漫画の中のブキミなキャラクターが・・・

いつのまにか、現実の東京に飛び出し、さまよっている、なんてことが、 今宵も、起きているのかもしれません。。。

※記事を改めて、次回はいよいよベスト3の紹介を行います!

カウントダウン形式で紹介!私的ベスト3(第3位~第1位)!


※『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章は2024年12月現在、DVDはGEOにて貸出可能、放送第39回以降からはU-NEXTで動画配信中と確認できております。

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怪談のシーハナ聞かせてよ。第壱章:私的ベスト名作怪談第10位~第6位

前回の第30位~第11位に引き続き、カウントダウン形式で、『怪談のシーハナ聞かせてよ。』全放送怪談中、第10位から第6位までの怪談を紹介します(ランキングはあくまで私の個人的オススメ度となりますので、あくまで参考程度としてください)。

それは、まずは第10位から!

【解説】

山の怪談というのは、そもそもが舞台設定からして、どこか桁違いな怖さをもっている傾向なのですが。

放送第2回で安曇さんが語ってくれる2つの「山の怪談」は、どちらも強烈

人によっては、この回で安曇さんが語ったもう1つの山の怪談、『ゾンデ』のほうが怖かったと感じる人もいるかもしれません。ただ私自身はこちら、直球で「でたー!」となる、こちら『アタックザック』のほうが強烈な印象であり、私的なランキングながら、第10位に選ばせていただきました。

しかし!

この2本の怪談のみならず、安曇さんがこの第2回で累々と語った、「自分(安曇さん)自身は幽霊を信じてない」のになぜ怪談を集め語るのか・・・をめぐる見解が、とても含蓄に富み、興味深かった。

最高級の怪談を聞けるだけでなく、「怪談とは何か」についての各怪談師さんたちの考え方が聞けるのも、この番組ならではの醍醐味ではないでしょうか?

つづいて、第9位の発表です!!

【解説】

これぞ実話怪談、と唸らせられた1本。

さまざまな出来事が続き不穏なエピソードなのですが、本当のところは何が起きているのか、どうにも、核心が曖昧なままに進んでいく。

けっきょく、「カオルさん」という女性に起こったことの正体はなんだったのか?

宇宙人のシワザ、というのも簡単ですし、幽霊のシワザ、というのも簡単ですし、神様か怨霊のシワザ、というのも簡単ですが。どの仮説をとっても釈然とせず、ただ「鉄の棒」が残ったというオチの前に、怪談を聞いている者は宙づりにされる。

実話怪談の本領とは、いかにもこのように、聞いている者の「理解」に、奇妙な「スキマ」を開けて去っていくところにあり。

まさに「実話怪談」というジャンルならではの 奇妙な後味の怪談なのでした。

続いて第8位の紹介です!

【解説】

トラウマ回。

あまりにも凄惨な展開が、これでもか、これでもかと続いていき、

このオハナシはどこにオチるのだろうか・・・?と心配になっているタイミングで、見知らぬ老婆が近寄ってきて、あの言動ですからねぇ。

終わったあとに現場の空気もいささか凍りつき、狩野英孝さんもそのせいか噛んだ。直後のせきぐちあいみさんの妄想時間のおかげで場の空気は相当に助かったんじゃないかしら。この回に関しては(!)。

なお、このハナシって、実際に古い日本民家に住んだことのある人じゃないと真の迫力は伝わらないのかもしれません。

私自身も、小さい頃に、実家の古い民家に泊まりにいったことがありまして。

明治以来の建物だったということで、雨戸の外には古井戸が、たしかにありましたが、夜に見るとめちゃくちゃ怖かったです。

このハナシを聴いている時に、私としても、子供の時のその民家に泊まった 、夏休みの夜の不安さを思い出してしまいましたよ。古井戸ねえ・・・そう、古井戸なのです。。。

続いて第7位の発表となります!

【解説】

漫画家として大活躍している押切蓮介さんが登場し、語った話。

「ある意味で」全333怪談中、最強のドンデン返しが待っている怪談です。

何を話してもネタバレになってしまうので、これについては私も細かくコメントできない!

(※もっともこの話、押切さんが漫画作品として既に出しているので、そちらを先に読んでしまった方も多いかもですが・・・)

私の感想としては、これほど哀愁ただよう怪談オチはないと言ってよく。

嗚呼、人の世とは何なのだろう!

怪談は怪談のまま終わってくれていたほうが、きっと、まだ、よかったのに!

「ニンゲン」という生き物が情けなく思えてくる、そんなテツガク的な怪談なのでした。

押切蓮介さん!この話こそ「ある意味で」最恐怪談と、私は応援させていただきます!

続いては第6位の紹介となります!

【解説】

第壱章屈指のインパクトであるだけでなく、なんとこの怪談は、後年、第参章に登場する別の怪談とリンクしますよ!(第参章未視聴の方は、お楽しみに!)

ナニモノかが憑いている(らしい)部屋の情景も、登場するモノの見た目も、恐ろしいは、恐ろしい。

しかし!

いちばん恐ろしいのは、この怪談を、語り手のいたこ28号さんが知ることになった背景を巡る不可解な点のことです。

もしかしてこの話、放送で出しちゃいけなかったのでは?!

ネタバレはしないように、コメントはこれくらいで。

ただし、もうひとつだけ付け加えますと、途中でいたこさんがギャグで入れたのかと思った「クラシアンに電話しなくちゃ」のところから、この怪談はむしろ、真骨頂になっていきます!「クラシアンで笑いをとった後に云々」のところが、オチへのキーワードになるとは!

※次は、記事を改めて、いよいよベスト5の紹介を行います!

カウントダウン形式で紹介!私的ベスト名作怪談第5位~第4位!


※『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章は2024年12月現在、DVDはGEOにて貸出可能、放送第39回以降からはU-NEXTで動画配信中と確認できております。

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怪談のシーハナ聞かせてよ。第壱章:私的ベスト名作怪談第30位~第11位

ここでは、カウントダウン形式で、『怪談のシーハナ聞かせてよ。』全放送怪談中から、第30位から第11位までの怪談を紹介します(ランキングはあくまで私の個人的オススメ度となりますので、あくまで参考程度にしてください)。

解説:第30位から第21位まで

30『手首』

「お前も高校生になったら一人暮らしをせいや」という方針のお父さんの言いつけどおりに、実家近くの部屋に引っ越してみたら、いろんなことが起こり始める、というオハナシ。ラストの余韻もたまらない。つまるところけっきょく、この怪異の原因は、幽霊だったの?それともラストを考慮するかぎり・・・? !

29『メンヘラ』

語り手である糸柳寿昭さんのご家族が登場するという、このうえなく「実話」怪談なオハナシ。まさかの暗黒展開に追い込まれる。それにしても押切蓮介さの『父親』を含め、語り手ご自身のご家族が巻き込まれるハナシというのは、聴いているほうにもグサグサくる緊迫感がありますね。実話と聞くとこのオチのダークさには、ただただ顔がひきつる。

28『百物語-第九十七話』

百物語スペシャルにはタイトルが入っていないので、やむなく「第九十七話」と振らせていただきましたが、いやはやこのハナシは凄い。幽霊の話かと思わせておいて、実はヒトコワになる・・・かと思わせておいて、もう一回、幽霊の話に振り戻しがかかります。短い時間の中で物語の構造が二重三重に入り組む怪談。

27『友の顔』

『怪談のシーハナ』世界においては珍しい(?)ことに、どちらかといえばハッピーエンド、感動的なエンディングを迎えるハナシ。よせやい、泣けるハナシじゃないですか。運命は選択によって変えられるのだ!

26『ひとりぼっち』

聴いている人が、いじめっ子の経験があるか、いじめられっ子の経験があるかで、感想がまるで変わってくるハナシと思います。途中の焼却炉のくだりも聞いていて辛いが、人間の暗黒面が奔流するラストがどうにもこうにも強烈。

25『温泉旅館の露天風呂』

温泉旅館が大好きなのに、何というハナシをうっかり聞いてしまったのだろう!今後、一人で露天風呂に入れなくなっちゃったらどうしてくれるのですか!なんてね。それにしても、一緒に温泉旅行ついてきた四人の友だちはガーガー寝ていて何の役にも立たないのは怪談界のお約束!

24『掃除の女』

新宿で借りためちゃくちゃ安い部屋に引っ越してみたら、いい感じで怪異が起こります。そしてこの場合、怖いのは、「最初は誰かが掃除をしている音かな」と思った音が、実は違う音だった、という認識転換の瞬間なのです。

23『彼女の実家』

結婚前提でお付き合いしている恋人の実家が、こんな家だったら、とってもイヤだ、というハナシ。それにしても、「お茶」に関する一連のやりとりはいったいなんだったのだろう・・・?これだけの怪現象を起こしておいて、お義父さんのセリフが言うにことかいて「泊まっていったらどうだ?」なのです。こんなことが平気で起こる実家に泊まるわけなかろう!だまれ!

22『桜女と青い光』

このオチを聞く限り、これは放送で話してはいけない怪談だったのではなかろうか!『怪談のシーハナ』のこの放送回の視聴者は(私を含め)今後、大丈夫なのでしょうか!?

21『深夜のバラエティー番組』

初見殺しの傑作。後半、「そうきたか!」と思うた。ちなみに、別番組のハナシですが、『永野が震える夜』というトーク番組に山口綾子さんが出演した際、この怪談イッパツで芸人の永野さんをマジでビビらせることに成功していました。自分もあんなふうに怪談で人を震え上がらせたい、と嫉妬する怪談。この語りの見事さは、そうそう真似できるもんではない。

解説:第20位から第11位まで

20『おとしもの』

いったいこれは、登場人物たちの人生に何が起こったのか?まるで『トワイライトゾーン』や『世にも奇妙な物語』に出てきそうな、時空感覚が混乱するハナシ。ただただ奇妙。

19『セーターの女』

いろんな意味でヤバすぎるハナシ!とっても怖いのですが、日本の犯罪史上にも名を残す実際の殺人事件が背景になっている為、「怪談」としてスナオに楽しむにはちょっと強烈すぎるかもしれない。同じ第14回で住倉カオスさんが話す『心霊映像の編集』はこのハナシの後日談になっているので、ぜひ、連続で視聴の程!

18『紐引き女』

大学からの帰り道で観たモノが、どんどん深刻化していき、最後は凄まじいモンスターにまで成長する!ところでこのハナシ、『怪談のシーハナ』では珍しいことに、埼玉県熊谷市と土地の名前が明言されています。どういうわけだか「熊谷」は第壱章の別の怪談でも舞台となっていた町。怪異のモノたちに人気の土地なのか、熊谷?!

17『島の旅館』

夏休みに出かけた離島の旅館で出会った親子のハナシ。最後まで聞くといろんな背景が見えてきますが、起きる事件そのものよりも、実は私自身は、何もしゃべらずにひらすらゴハンをかきこんでいる少女の挙動が妙に意味深でめちゃくちゃ怖かった。

16『カラオケ』

カラオケボックスで働いているとき、監視カメラが奇妙な頻度で故障する。そうしているうちに、お客さんが奇妙な様子で部屋から逃げ出してきて・・・。監視カメラの故障の頻度、そして故障の仕方、すべてに実は意味があった、というオハナシ。

15『車を覗く女』

これまたヤバコワなオハナシ!渋滞をしている車列に干渉をしてくる奇妙な女を見た・・・という始まりなのですが、ハナシはそこでは終わらない。映画『リング』『呪怨』の如く、関係者にどんどん事件が感染していく恐怖が余韻を残す。この奇妙な現象は、今でも日本のどこかで続いているかもしれないのだ!

14『手の話』

心霊スポットでバチあたりなことをすると大変なことになるというのも怪談界の常ではございますが、これほどのレベルの悲惨な目にあった「罰当たり心スポ突撃隊」もそうはいないのではなかろうか。ここまでボコボコに罰が当たると聞いているほうも気持ちがいい・・・なんてことはなく、やっぱり怖い!

13『留守電』

幽霊でも怪談バナシでもないんですけどね、一回だけ気持ちの悪い体験をしたことがあるんですよ」って、そういう始まり方をするハナシがたいてい幽霊なんぞよりもめちゃくちゃ怖いというのが『怪談のシーハナ』の常でございますからね。語り出しから警戒して聞いていましたよ。間違い電話の類かと思っていた留守電が、意外な波及を見せていくというハナシ。

12『ゆうれい』

背景となっている事件があまりに凄惨すぎて聞いていて打ちのめされるハナシ。映像のない「語り」という表現でも、ここまで残酷さ・不条理さは出せるのだ、と思うた。いや、もしかしたら、このハナシの言いようのない残酷さは、映像のない「語り」だから、出せているものなの、というべきなのかな?!

11『駅前のおばあさん』

ただ立っているだけでもじゅうぶんなインパクトのあるおばあさん。追いかけてきた上に、無言でいるだけかと思いきや、意外な言動に出ます。やめてください、おばあさん。これを食らったら、ぁみさんでなくても、誰でも、ファミレスに逃げ込んで朝までしのぐしか打ち手がありません・・・。

※次は、記事を改めて、いよいよベスト10の紹介を行います!

カウントダウン形式で紹介!私的ベスト名作怪談第10位~第6位!


※『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章は2024年12月現在、DVDはGEOにて貸出可能、放送第39回以降からはU-NEXTで動画配信中と確認できております。

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