【第063夜】壊れてゆくひと

photo of person typing on computer keyboard
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Photo by Soumil Kumar on Pexels.com

プログラマーの俺がブラック企業に勤めていた頃。ある夜から「お前は役立たずだ!死ね!」というメールが連投され始めた。心が折れそうになりつつ、せめて犯人を調べようとシステム部に調査依頼。犯人がわかった。どうやら自分が別人格になり、裏メアドを偽装してコツコツ仕組んだ自作自演プログラムだった。自分の異常性がわかった俺は会社を辞め、キチンとした医者の治療を受ける決断をした。おかげでこれはもう昔の話である。

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なにこれ。暗い。怖い。ツラい

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仕事のしすぎで病んでいる人の心を描いたのだろうが、なんか鬼気迫る感じで、楽しくないのお

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これ,単純に、創作怪談を書いたこのブログの管理人自身がハードワークで潰れかけてるっことではw

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うん、そういうことじゃろうな。これを書いた時、よほど仕事で追い詰められている事案があったんだろうてw

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なーんか個人的な心痛が入ってしまっている時点で読み手にはツラいモノに仕上がってる気がしますよねー

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そうじゃな。とてもとても高い点数はつけられん。1点じゃ!

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【第062夜】カフカの橋

first perspective photography of hanging bridge
first perspective photography of hanging bridge
Photo by Jacob Colvin on Pexels.com

その橋は「カフカの橋」と呼ばれている。
「時々人が渡っている際ひとりでにひっくり返ることがあるから」らしい。
そんなバカなと思いながらも興味を持って訪れ、橋の下を覗くと、白骨死体を見つけてしまい、警察を呼んだ。自殺なのか、それともウワサが本当だったのか、今でも不明なままである

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ほほう、これは、、、!

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ど、どうしやした?ドン・キホーテの旦那?

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いやはや、これはなかなかシャレた創作怪談だと思ってな。わかるかなこれ、カフカの『橋』という短編小説へのリスペクトになっているんじゃよ。橋がとつぜん意志を持って、ひっくり返る、という気味の悪いシュールな短編じゃな

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なるほど!世界文学に詳しい人ならわかる、そういう人をニンマリさせる系統の創作怪談ってわけですね。これはドン・キホーテの旦那の好みに合うんじゃないですかい?

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まあわし自身が世界文学の古典の登場人物じゃから。文学名作パロディ系にはニンマリしてしまうよな。採点としては、これは、60点つけてやろうかのう

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【第061夜】漢語から生まれた創作怪談

gray concrete wall
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Photo by Henry & Co. on Pexels.com
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ドンキホーテの旦那。今回の創作怪談は、「冷吟閑酔という四字熟語を使って呟怖を作ってください」というTwitterでのお題に反応したものだそうですぜ

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冷吟閑酔て、こりゃまた難しい言葉じゃな。漢語かな?わしも知らん言葉じゃ・・・

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辞書を引いてみたところ、「れいぎんかんすい」と読むそうです。「詩を吟じたり酒を飲んだりしながら悠々と暮らす」ことだそうで、はい、あちきも知らないコトバでしたね

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これで怪談にするというのはなかなか困難ではないかなあ。まあ、出来上がった140字怪談を見てみようか

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漢文の先生から聞いた話。中国旅行中、宿で夜起きると、古風な服装の中国の方々が月夜の庭で酒を酌み交わしていた。
加わったら古代の漢詩に詳しい陽気な人たち。
先生「まさに冷吟閑酔ですな!う、ハクション!」
とくしゃみをしたら全員煙のように消えてしまった。
あの人たちは何だったのか?

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ほほう、漢文の先生の話にしおったか!

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中国怪談になっていますが、あくまで「日本人の漢文の先生が見た、いかにも古典漢文のステロタイプな幻影だったかもしれない」というのがミソですね

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そうじゃな。日本人目線からの「古代中国への憧れ」を怪談にした感じじゃない。なるほど、いいんじゃないか?

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お、ならば、この創作怪談、まあまあな高得点貰えたりしますかね?

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わし自身が、スペイン語圏のとはいえ、古典世界の住民じゃからな、好感湧いてしまうな。ま、それでも、30点というところかな

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【第060夜】たった20文字の「怖い話」

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Photo by Jon Mishou on Pexels.com
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ドンキホーテの旦那。今回の創作怪談は、なんだか少し趣向が違うようですぜ

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ほう、そいつはよかった!最近、このシリーズも60回になっていささかマンネリの観があったからの。スタイル自体が変わるのはいいことじゃな。で、どんな趣向なんじゃ?

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普段はTwitterの仕様に合わせた「140字創作怪談」として連載していたものが、この2021年9月にTwitterに投稿した創作怪談は、「20文字」という厳しい文字数制限の中で、しかも「上空」というキーワードを使っての「怖い話」にチャレンジしたものだそうでして

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むむ?さすがに20文字の中で「怖い話」表現というのは、いくらなんでもムリではないかな?

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ところが、ちゃんとそのお題に投稿した作品があるそうで。それが、以下に転載されているものだそうです

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まあ、見てみようか

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上空で「投下」を押すだけの簡単な仕事です

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ハハハ!なるほどのう、、、!

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これ、ちゃんと「上空」というキーワードも使ってますね

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めちゃくちゃ縛りの強いお題企画に参加してきた、チャレンジの記録ということで、これは、なかなか、いいんじゃないか?

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お、ということは、この超ショート怪談の採点は?

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そうじゃな。チャレンジへのサービス点含め、40点というところかな

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【第059夜】魂の機械処理

black and gray motherboard
black and gray motherboard
Photo by Athena on Pexels.com

「体から魂を救う最新技術」の被験体募集があった。
「悩みがなくなる」というコトバにつられ志願した私。脳だけを移植された鋼鉄のロボットに改造された。感情が湧かないから確かに悩みはなくなったが「何を目的に生きているんだろう?」という問いを特に感情もなく無限ループで繰り返している

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このところしばらく「イイ話」路線に進んでいたと思ったら、これまた唐突に、SF系に戻ってきましたね!

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結局のところ、このブログ管理人、やりたい路線はSFホラーってことなんだろうて

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しかし、これをどう扱えばいいんでしょうかね、、、久々に、お得意のSFホラー系に持ち込んで創作したショートショートとしては、、、そのう、、、

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つまんない。そう思ったんじゃろ?

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ええ、まあ、、、

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わしもそう思った。これがSFホラー路線の怖さじゃよ。たいていのアイデアは、もはや何百万回やり尽くされていて、ありきたりに落ちるのじゃ

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ホントですね。これも、やりたいことはわかるんですが、よく見かけるショートショートに収まってるんですよねー

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そういうことじゃよ。というわけで、採点も厳しく、1点というところじゃな!

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【第058夜】トンネルの女の子

brown concrete tunnel
brown concrete tunnel
Photo by João Luccas Oliveira on Pexels.com

昔、戦国大名が妻子を脱出させるために作ったトンネル。
問題は、私が思春期の頃、ここでいつも古風な着物を着た「姫君」と呼ばれる女の子に会いよく遊んでいたこと。
大人になった今また会いたい。たぶん、恋。だが会えたほうがいいのか会えないままがいいのか悩みつつ、毎日ここに通っている

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なにー!これはいったい!またしても、このブログ管理人にそぐわない、甘酸っぱい路線な創作怪談!

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これもまた、朗読用の創作怪談の呼びかけにTwitterで応えた時の作品じゃそうだ

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前回に引き続き、またですか?このブログ管理人、「朗読に使われる」となると、途端に作風変えて、こんな甘ったるーいものも平気で出しやがるんですか?!

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そういうことのようじゃな

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しかし、この作風の露骨なチェンジは、いくらなんでもひどい!ふだんは「ぜったい『恋』なんて言葉は使わねえ」みたいな顔つきしてるくせに!

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うん、それが、『恋』ときたもんだ

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こっぱずかしいですねー

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まことに、こっぱずかしい。こんなこっぱずかしい怪談の採点は、当然きびしく、1点じゃ!

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【第057夜】哀しいブランコ

brown wooden swing
brown wooden swing
Photo by Pille Kirsi on Pexels.com

「おおい、そこの坊や!立ち乗りブランコでそんなに勢いをつけたら危ないぞ!落ちたらオオケガをするぞ!」
「いいの。僕はもうお母さんに殺されてるから、ケガすることはもうないの」
「そういうことか、、、わかったよ。今夜は好きなだけ遊んでから、ゆっくり、あちらへ行きなさい」

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え、なにこれ、凄く切ないハナシ!

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これは、朗読用の創作怪談の呼びかけにTwitterで応えた時の作品じゃそうだ。人が朗読原稿を求めているということで、朗読用に、かなり気合を入れて作ったようじゃな

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え?ということはこのブログ管理人、「朗読に使われる」とか「媒体に掲載される」とか、そういう利用目的がある程度、見えているお題企画では、普段よりクオリティあげてるってことですか?

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逆じゃろう。つまり、普段のTwitterでの創作怪談では、気ままに遊んでやがるんだ・・・

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多作自慢していて、なんだ、手ぬいているんですね

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うん、けっこう、手ぬきしておるな

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せっかく、たまにはエモーショナルな良作を出して来たと思ったのに、普段手を抜いているとわかると、腹立ちますね

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というわけで、この怪談も採点は厳しくしてやろう、1点じゃ!

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【第056夜】古生物学者なにかを見抜く

architecture bones building city
architecture bones building city
Photo by Pixabay on Pexels.com

旅館。
お風呂上がりに窓を見ていると蛙が張り付いていた。風流だねえ。ばんっ!凄まじい音と共に、木の幹ほどの太い舌が伸びてきて、蛙を一瞬で捕食した。 え?今のは何? すると2階から宿泊していた古生物学者だという人が駆け降りてきた。
「みんな家具の下に隠れろ!ヤツが来るぞ!」

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「カエル」をお題にした創作ショート怪談かと思わせておいてw

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ジュラシックなホラーに持ち込みおったか!

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世代的に、こういうショートショートで「古生物学者」なんて出てくると、サム・ニールの顔を思い出しちゃいますよね

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この創作怪談のシーンを見る限り、意地悪なキャラないし、どーでもいいモブ系のキャラが一人、さっそく食われるところじゃよな

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カエルを見て「風流」だなんて言っている語り手に、フラグ立っていますね

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フラグ立っておるな

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さて、そんなジュラシックホラーなこの創作怪談、百点満点では何点ですかい?

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1点

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【第055夜】フォロー

person sitting inside car with black android smartphone turned on
person sitting inside car with black android smartphone turned on
Photo by Roman Pohorecki on Pexels.com

オカルトが常識となった近未来。

「お気に障り登録」で相手に霊障をもたらせる機能がSNSで流行った。

見知らぬ人からそれを食らった私。

頭にきたので相手を「フォローする」ならぬ「フォローさせる」に登録した。

これをやると、相手はひたすら得体の知れぬ怪異につきまとわれ続けるという

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「フォローする」じゃなくて、「フォローさせる」ボタンてw

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たしかに、そんなSNSはイヤだな

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「フォローされバック」で、相手にも霊障を付けることができるんでしょーね

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できるんじゃろうな

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霊能者の力でも借りない限り、「フォローされ解除」は自分ではできないんでしょうね

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できないんじゃろうな

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などなど、いろんな連想が進んでしまうこの創作怪談、百点満点では何点ですかい?

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1点

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【第054夜】新ヴィラン誕生の予感

shallow focus photography of green and black animal skin during daytime
shallow focus photography of green and black animal skin during daytime
Photo by Pixabay on Pexels.com

女子学生「わたし最近、覚えのないネイルが毎日勝手についていて。取っても翌朝にはまたこのネイルになってるんです」
医者「あなた学生さん?」
女子学生「遺伝子工学研究所のボランティア学生です」
医者「、、、放射線を帯びた爬虫類に噛まれた記憶とか、あります?」

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スパイダーマンかっ!

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という、ツッコミ待ちですよね、これ

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バットマンかっ!

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というツッコミも、アリですよね。いわゆるアメコミのヴィラン誕生話にかこつけた創作怪談ってわけですからね

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スポーンかっ!

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いや、スポーンとなるとまたちょっと系統が違うかも。それにしてもドン・キホーテの旦那、今日はそればかりですね。そろそろ採点を入れてくださいよ。この創作怪談は、百点満点とすると、何点ですか?

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1点じゃっ!

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