さまざまな切り口からのベスト怪談集:語り出しが巧い怪談10選

小説で言うところの「書き出し」がとても重要なことと同じく、怪談における「語り出し」って、とても重要ですよね。

そこでこのページでは、『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱シーズンの333本の怪談から、語り出しが印象に残ったもの10個を集めてみました!

なおこれはランキングではなく、あくまで「10個のピックアップ」のみとなります。

狂犬の語り出しは、つかみのコトバとしてとても好き。「おかしいヤツは死んでもおかしい」というこの導入の一文通り、死んでもおかしいままのヤツが学校に現れる。個人的にはこのハナシに登場した女子の反応(幽霊のせいだと言っても信じてくれず「なんで男子そんなことするの?」な反応に固執する)がとてもリアルに感じられてこの女子のほうが怖かったがそれは余談・・・。

なおちゃんとなおくんはいきなりこの文から始まり、ぐいと聞き手を出来事の渦中に放り込む。幼なじみが死んだと連絡を受け、あわてて駆けつけるところから怪異に巻き込まれていくわけですが、しかし実際、知り合いの葬儀の連絡というのは確かに、このように唐突に入ってくるものですよね。その切迫感が物語の異様な緊張にも合っており、巧いなと思った怪談。

紫陽花マンションの書き出しは、花の色に関する小知識から。これで始まった怪談だけに、当然、フシギな色の紫陽花が事件現場に咲いていた、というオチに収斂する構成が見事です。

百物語-第二話は・・・何を言ってもネタバレになるハナシなので、コメントしません!それにしてもこの「百物語スペシャル」での吉田会長は数々の「冒険的試み」をしていて、興味が尽きません!個人的には百物語スペシャルのMVPはこの方と思っている。この「壊し屋」ぶりはマジメすぎる怪談ファンには眉をひそめる向きもあるかもしれないけど。「定石くずし」のみならず、自分が「こういうのは怪談ではない」と事前に封じていたルールさえ、本番で破壊してきますから・・・!

朝の滝壺の語り出しは、ハリウッドのシナリオ作成術講座だったら満点を貰えるかもしれないが、怪談でこれをやるのは勇気がいったかもしれない。いきなり、クライマックスから始まっている、という構成。でもこの怪談については、体験者も「いきなり奇妙な現場の真ん中に放り出されているところで目が覚めて仰天」するという内容だから、この語り出しがふさわしかった、ともいえる!

。公開生収録スペシャルでせきぐちあいみさんが披露した怪談ですが、私はこれ、めちゃくちゃハイレベルでよかったと思うた。それにしても、この、講談か浪曲を思わせるような、「前口上」のような語り出しは、どこから思いついたアイデアなのでしょう!そうとうな練習量が感じられる流麗な入り方で、とても印象に残りました。

ゆうれいの語り出しは、いきなりどこへ連れていかれるのかわからないスタートとして印象深い。何の話から始まったのだろう、このハナシはどこへ行くんだろう・・・と思って聴いていると、あの陰惨ストーリーが始まるわけで。

廻る首は、語り出しの一発目の文ではなく、あくまで序版で出てくる文ですが、最初から「体験者はもともと視える人です」と示して始まるパターン。これが実は重要で、「幽霊が見えて当たり前」な生き方をしていた体験者の視界に、実にややこしいものが紛れてくる、というオハナシなのです。

エロ怪談においても、最初に体験者のキャラクター紹介がされる。けれども「性獣」とは!キャラクターの印象を最初に聴き手に焼き付けるという意味で、「インパクト重視のあだ名を紹介する」というのは強力なのではないかな、と思うた一作。そういえば、徳光正行さんの「狂犬」も、あだ名での印象付けが効いている怪談の一例かもですね。

の体験者は怪談社に電話をかけてきて、『幽霊ってほんとにいますよ』と切り出してくる。一連のハナシが終わった後に、『ね、だから、幽霊ってほんとうにいるんですよ』で怪談自体もフェードアウトしていくわけで。構成の妙!

※次回は「タイトルイラストがすでに怖い」怪談をピックアップして紹介します!

タイトルイラストが既に怖い怪談10選


※『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章は2024年12月現在、DVDはGEOにて貸出可能、放送第39回以降からはU-NEXTで動画配信中と確認できております。

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怪談のシーハナ聞かせてよ。第壱章:私的ベスト名作怪談第3位~第1位

前回に引き続き、カウントダウン形式で、『怪談のシーハナ聞かせてよ。』全放送怪談中のいよいよベスト3作品を紹介します!(尚、ランキングはあくまで私の個人的オススメ度となりますので、あくまで参考程度としてください)。

それでは、第3位の紹介です!

【解説】

誰かに映像化してもらえばハリウッド進出も可能なのでは、と思ったほど、打ち出しのよい御方が出てきて存分に暴れまわるという、モンスターホラー

映画『イット/それが見えたらおわり』にも、こんなパターンのモンスター(というか、モンスター化した少女)がいましたね。詳細ネタバレは避けますが。

夜の体育館に一人でいるときに、かようなモンスターに追跡されるというシチュエーションの怖さもさることながら、ラフカディオ・ハーンに師事したのではと思わせるような、このモンスターの「先回り」能力が強烈です。

私としては、ラストに「助かった」と思ったところで、「もういっかい、バーンと、出て来るのでは??」と身構えちゃっていたくらい、追跡再登場について、執拗なモンスターなのでした。

続いては第2位の紹介となります!

【解説】

講評不可能な話

話の内容自体、すなわち、体育館の倉庫に出てくるピエロの存在も、ブキミでは、あるのですが。

問題は、この怪談が吉田悠軌さんのところに舞い込んできた背景なのです。

いたこ28号さんの「ねじれる」以上に、この怪談は、放送で語ってはいけない禁断の怪談だったのではないでしょうか?!

何を言ってもネタバレになるので、これ以上、何も言えず。気になった方はぜひ、第20回放送分を見てください。

そして、「聴いてしまった者」どうし、今後の人生で何かが起こらないか、どきどきしながら、生きましょう!!

お待たせしました!第1位、私が選ぶ第壱章ベストワン怪談の紹介です!

【解説】

ちょっと玄人好みなベスト1になったかもしれません。

けれども私個人にとっては、この怪談との出会いこそ、第壱章における最高の出会いでした。

本作について、語りたいことは山ほどありますが、ありきたりな怪談と同じパターンを踏んでいるようで、「怖いほう」ではなく「いいハナシのほう」に、だんだん、だんだんズレていくところに、妙味があり。

実際にこれを体験されたのは、俳優の須藤為五郎さんということですが、そのお人柄が出ているかのような、

「この世ならざるもの」とのフシギな交流

「いい意味」での、大どんでん返し

後味として残る、言いようのない哀切感

更には牛抱せん夏さんの語りのテクニックが心地よく、

聞いてしまったら忘れられない余韻を残し、アシスタント高田のぞみさんも号泣の回となりました。

怪談は「怖い」だけじゃない!こういう上品な傑作が登場する「怪談のシーハナ」は、本当に凄い!

※次回からは、記事を改めて、総合点ではなく「さまざまなテーマでの」ベスト10を、第壱章から選んで紹介していきます!

さまざまな切り口からのベスト怪談集:語り出しが巧い怪談10選


※『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章は2024年12月現在、DVDはGEOにて貸出可能、放送第39回以降からはU-NEXTで動画配信中と確認できております。

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怪談のシーハナ聞かせてよ。第壱章:私的ベスト名作怪談第5位~第4位

前回に引き続き、カウントダウン形式で、『怪談のシーハナ聞かせてよ。』全放送怪談中、第5位と第4位までの怪談を紹介します(尚、ランキングはあくまで私の個人的オススメ度となりますので、あくまで参考程度としてください)。

それでは第5位から見ていきましょう!

【解説】

私が怪談を分類するのに使う造語の一つとして、「カウントダウン形式」というのがあります。すなわち・・・

・エレベーターが1階に降りていくまでに、だんだん怪異が激しくなり、1階で大事件となる

・一日、一日と怪異が激しくなり、「七日後くらいに最悪の事態になるのでは」と予感させておいて・・・そうなる

など、聞いている側に「だんだんクライマックスが近づいてくる」感が伝わるパターンですね。

そしてこちらの怪談では、座敷童子(のようなもの)が口ずさむ歌が、カウントダウンの役目をしているわけですが、

怪異の体験者が、積極的に、怪異に会いに行こうと努力する、というのが新鮮でした。

「これぜったい、ろくなことにならないから、怪異の正体を見に行こうと努力するのをやめい!」

とツッコミを入れたくなる程の体験者の積極性(!?)が、緊張感を高めていく。言わんこっちゃない。怖い展開になったでしょう?それにしても、最後の宿の対応はいったいなんだったのでしょうね・・・??

続いて、第4位の紹介です!

【解説】

あるホラー漫画(私も大好き)、『不安の種』という作品に描かれていたエピソードが、現実とリンクしてしまっている、という、SFチックなハナシ。

それにしても、こんな実話怪談があり得てしまったとなると・・・

もしかして、私やあなたが、昨日や今日、読んだ、

あのホラー漫画の中のブキミなキャラクターが・・・

いつのまにか、現実の東京に飛び出し、さまよっている、なんてことが、 今宵も、起きているのかもしれません。。。

※記事を改めて、次回はいよいよベスト3の紹介を行います!

カウントダウン形式で紹介!私的ベスト3(第3位~第1位)!


※『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章は2024年12月現在、DVDはGEOにて貸出可能、放送第39回以降からはU-NEXTで動画配信中と確認できております。

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怪談のシーハナ聞かせてよ。第壱章:私的ベスト名作怪談第10位~第6位

前回の第30位~第11位に引き続き、カウントダウン形式で、『怪談のシーハナ聞かせてよ。』全放送怪談中、第10位から第6位までの怪談を紹介します(ランキングはあくまで私の個人的オススメ度となりますので、あくまで参考程度としてください)。

それは、まずは第10位から!

【解説】

山の怪談というのは、そもそもが舞台設定からして、どこか桁違いな怖さをもっている傾向なのですが。

放送第2回で安曇さんが語ってくれる2つの「山の怪談」は、どちらも強烈

人によっては、この回で安曇さんが語ったもう1つの山の怪談、『ゾンデ』のほうが怖かったと感じる人もいるかもしれません。ただ私自身はこちら、直球で「でたー!」となる、こちら『アタックザック』のほうが強烈な印象であり、私的なランキングながら、第10位に選ばせていただきました。

しかし!

この2本の怪談のみならず、安曇さんがこの第2回で累々と語った、「自分(安曇さん)自身は幽霊を信じてない」のになぜ怪談を集め語るのか・・・をめぐる見解が、とても含蓄に富み、興味深かった。

最高級の怪談を聞けるだけでなく、「怪談とは何か」についての各怪談師さんたちの考え方が聞けるのも、この番組ならではの醍醐味ではないでしょうか?

つづいて、第9位の発表です!!

【解説】

これぞ実話怪談、と唸らせられた1本。

さまざまな出来事が続き不穏なエピソードなのですが、本当のところは何が起きているのか、どうにも、核心が曖昧なままに進んでいく。

けっきょく、「カオルさん」という女性に起こったことの正体はなんだったのか?

宇宙人のシワザ、というのも簡単ですし、幽霊のシワザ、というのも簡単ですし、神様か怨霊のシワザ、というのも簡単ですが。どの仮説をとっても釈然とせず、ただ「鉄の棒」が残ったというオチの前に、怪談を聞いている者は宙づりにされる。

実話怪談の本領とは、いかにもこのように、聞いている者の「理解」に、奇妙な「スキマ」を開けて去っていくところにあり。

まさに「実話怪談」というジャンルならではの 奇妙な後味の怪談なのでした。

続いて第8位の紹介です!

【解説】

トラウマ回。

あまりにも凄惨な展開が、これでもか、これでもかと続いていき、

このオハナシはどこにオチるのだろうか・・・?と心配になっているタイミングで、見知らぬ老婆が近寄ってきて、あの言動ですからねぇ。

終わったあとに現場の空気もいささか凍りつき、狩野英孝さんもそのせいか噛んだ。直後のせきぐちあいみさんの妄想時間のおかげで場の空気は相当に助かったんじゃないかしら。この回に関しては(!)。

なお、このハナシって、実際に古い日本民家に住んだことのある人じゃないと真の迫力は伝わらないのかもしれません。

私自身も、小さい頃に、実家の古い民家に泊まりにいったことがありまして。

明治以来の建物だったということで、雨戸の外には古井戸が、たしかにありましたが、夜に見るとめちゃくちゃ怖かったです。

このハナシを聴いている時に、私としても、子供の時のその民家に泊まった 、夏休みの夜の不安さを思い出してしまいましたよ。古井戸ねえ・・・そう、古井戸なのです。。。

続いて第7位の発表となります!

【解説】

漫画家として大活躍している押切蓮介さんが登場し、語った話。

「ある意味で」全333怪談中、最強のドンデン返しが待っている怪談です。

何を話してもネタバレになってしまうので、これについては私も細かくコメントできない!

(※もっともこの話、押切さんが漫画作品として既に出しているので、そちらを先に読んでしまった方も多いかもですが・・・)

私の感想としては、これほど哀愁ただよう怪談オチはないと言ってよく。

嗚呼、人の世とは何なのだろう!

怪談は怪談のまま終わってくれていたほうが、きっと、まだ、よかったのに!

「ニンゲン」という生き物が情けなく思えてくる、そんなテツガク的な怪談なのでした。

押切蓮介さん!この話こそ「ある意味で」最恐怪談と、私は応援させていただきます!

続いては第6位の紹介となります!

【解説】

第壱章屈指のインパクトであるだけでなく、なんとこの怪談は、後年、第参章に登場する別の怪談とリンクしますよ!(第参章未視聴の方は、お楽しみに!)

ナニモノかが憑いている(らしい)部屋の情景も、登場するモノの見た目も、恐ろしいは、恐ろしい。

しかし!

いちばん恐ろしいのは、この怪談を、語り手のいたこ28号さんが知ることになった背景を巡る不可解な点のことです。

もしかしてこの話、放送で出しちゃいけなかったのでは?!

ネタバレはしないように、コメントはこれくらいで。

ただし、もうひとつだけ付け加えますと、途中でいたこさんがギャグで入れたのかと思った「クラシアンに電話しなくちゃ」のところから、この怪談はむしろ、真骨頂になっていきます!「クラシアンで笑いをとった後に云々」のところが、オチへのキーワードになるとは!

※次は、記事を改めて、いよいよベスト5の紹介を行います!

カウントダウン形式で紹介!私的ベスト名作怪談第5位~第4位!


※『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章は2024年12月現在、DVDはGEOにて貸出可能、放送第39回以降からはU-NEXTで動画配信中と確認できております。

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怪談のシーハナ聞かせてよ。第壱章:私的ベスト名作怪談第30位~第11位

ここでは、カウントダウン形式で、『怪談のシーハナ聞かせてよ。』全放送怪談中から、第30位から第11位までの怪談を紹介します(ランキングはあくまで私の個人的オススメ度となりますので、あくまで参考程度にしてください)。

解説:第30位から第21位まで

30『手首』

「お前も高校生になったら一人暮らしをせいや」という方針のお父さんの言いつけどおりに、実家近くの部屋に引っ越してみたら、いろんなことが起こり始める、というオハナシ。ラストの余韻もたまらない。つまるところけっきょく、この怪異の原因は、幽霊だったの?それともラストを考慮するかぎり・・・? !

29『メンヘラ』

語り手である糸柳寿昭さんのご家族が登場するという、このうえなく「実話」怪談なオハナシ。まさかの暗黒展開に追い込まれる。それにしても押切蓮介さの『父親』を含め、語り手ご自身のご家族が巻き込まれるハナシというのは、聴いているほうにもグサグサくる緊迫感がありますね。実話と聞くとこのオチのダークさには、ただただ顔がひきつる。

28『百物語-第九十七話』

百物語スペシャルにはタイトルが入っていないので、やむなく「第九十七話」と振らせていただきましたが、いやはやこのハナシは凄い。幽霊の話かと思わせておいて、実はヒトコワになる・・・かと思わせておいて、もう一回、幽霊の話に振り戻しがかかります。短い時間の中で物語の構造が二重三重に入り組む怪談。

27『友の顔』

『怪談のシーハナ』世界においては珍しい(?)ことに、どちらかといえばハッピーエンド、感動的なエンディングを迎えるハナシ。よせやい、泣けるハナシじゃないですか。運命は選択によって変えられるのだ!

26『ひとりぼっち』

聴いている人が、いじめっ子の経験があるか、いじめられっ子の経験があるかで、感想がまるで変わってくるハナシと思います。途中の焼却炉のくだりも聞いていて辛いが、人間の暗黒面が奔流するラストがどうにもこうにも強烈。

25『温泉旅館の露天風呂』

温泉旅館が大好きなのに、何というハナシをうっかり聞いてしまったのだろう!今後、一人で露天風呂に入れなくなっちゃったらどうしてくれるのですか!なんてね。それにしても、一緒に温泉旅行ついてきた四人の友だちはガーガー寝ていて何の役にも立たないのは怪談界のお約束!

24『掃除の女』

新宿で借りためちゃくちゃ安い部屋に引っ越してみたら、いい感じで怪異が起こります。そしてこの場合、怖いのは、「最初は誰かが掃除をしている音かな」と思った音が、実は違う音だった、という認識転換の瞬間なのです。

23『彼女の実家』

結婚前提でお付き合いしている恋人の実家が、こんな家だったら、とってもイヤだ、というハナシ。それにしても、「お茶」に関する一連のやりとりはいったいなんだったのだろう・・・?これだけの怪現象を起こしておいて、お義父さんのセリフが言うにことかいて「泊まっていったらどうだ?」なのです。こんなことが平気で起こる実家に泊まるわけなかろう!だまれ!

22『桜女と青い光』

このオチを聞く限り、これは放送で話してはいけない怪談だったのではなかろうか!『怪談のシーハナ』のこの放送回の視聴者は(私を含め)今後、大丈夫なのでしょうか!?

21『深夜のバラエティー番組』

初見殺しの傑作。後半、「そうきたか!」と思うた。ちなみに、別番組のハナシですが、『永野が震える夜』というトーク番組に山口綾子さんが出演した際、この怪談イッパツで芸人の永野さんをマジでビビらせることに成功していました。自分もあんなふうに怪談で人を震え上がらせたい、と嫉妬する怪談。この語りの見事さは、そうそう真似できるもんではない。

解説:第20位から第11位まで

20『おとしもの』

いったいこれは、登場人物たちの人生に何が起こったのか?まるで『トワイライトゾーン』や『世にも奇妙な物語』に出てきそうな、時空感覚が混乱するハナシ。ただただ奇妙。

19『セーターの女』

いろんな意味でヤバすぎるハナシ!とっても怖いのですが、日本の犯罪史上にも名を残す実際の殺人事件が背景になっている為、「怪談」としてスナオに楽しむにはちょっと強烈すぎるかもしれない。同じ第14回で住倉カオスさんが話す『心霊映像の編集』はこのハナシの後日談になっているので、ぜひ、連続で視聴の程!

18『紐引き女』

大学からの帰り道で観たモノが、どんどん深刻化していき、最後は凄まじいモンスターにまで成長する!ところでこのハナシ、『怪談のシーハナ』では珍しいことに、埼玉県熊谷市と土地の名前が明言されています。どういうわけだか「熊谷」は第壱章の別の怪談でも舞台となっていた町。怪異のモノたちに人気の土地なのか、熊谷?!

17『島の旅館』

夏休みに出かけた離島の旅館で出会った親子のハナシ。最後まで聞くといろんな背景が見えてきますが、起きる事件そのものよりも、実は私自身は、何もしゃべらずにひらすらゴハンをかきこんでいる少女の挙動が妙に意味深でめちゃくちゃ怖かった。

16『カラオケ』

カラオケボックスで働いているとき、監視カメラが奇妙な頻度で故障する。そうしているうちに、お客さんが奇妙な様子で部屋から逃げ出してきて・・・。監視カメラの故障の頻度、そして故障の仕方、すべてに実は意味があった、というオハナシ。

15『車を覗く女』

これまたヤバコワなオハナシ!渋滞をしている車列に干渉をしてくる奇妙な女を見た・・・という始まりなのですが、ハナシはそこでは終わらない。映画『リング』『呪怨』の如く、関係者にどんどん事件が感染していく恐怖が余韻を残す。この奇妙な現象は、今でも日本のどこかで続いているかもしれないのだ!

14『手の話』

心霊スポットでバチあたりなことをすると大変なことになるというのも怪談界の常ではございますが、これほどのレベルの悲惨な目にあった「罰当たり心スポ突撃隊」もそうはいないのではなかろうか。ここまでボコボコに罰が当たると聞いているほうも気持ちがいい・・・なんてことはなく、やっぱり怖い!

13『留守電』

幽霊でも怪談バナシでもないんですけどね、一回だけ気持ちの悪い体験をしたことがあるんですよ」って、そういう始まり方をするハナシがたいてい幽霊なんぞよりもめちゃくちゃ怖いというのが『怪談のシーハナ』の常でございますからね。語り出しから警戒して聞いていましたよ。間違い電話の類かと思っていた留守電が、意外な波及を見せていくというハナシ。

12『ゆうれい』

背景となっている事件があまりに凄惨すぎて聞いていて打ちのめされるハナシ。映像のない「語り」という表現でも、ここまで残酷さ・不条理さは出せるのだ、と思うた。いや、もしかしたら、このハナシの言いようのない残酷さは、映像のない「語り」だから、出せているものなの、というべきなのかな?!

11『駅前のおばあさん』

ただ立っているだけでもじゅうぶんなインパクトのあるおばあさん。追いかけてきた上に、無言でいるだけかと思いきや、意外な言動に出ます。やめてください、おばあさん。これを食らったら、ぁみさんでなくても、誰でも、ファミレスに逃げ込んで朝までしのぐしか打ち手がありません・・・。

※次は、記事を改めて、いよいよベスト10の紹介を行います!

カウントダウン形式で紹介!私的ベスト名作怪談第10位~第6位!


※『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章は2024年12月現在、DVDはGEOにて貸出可能、放送第39回以降からはU-NEXTで動画配信中と確認できております。

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過去に投稿した創作呟怖集

noteのページにリダイレクトしますので、ご了承ください。

https://note.com/scaristory_eng/n/ndf6a526a0ac5

https://note.com/scaristory_eng/n/nf38a5ab74ae0

https://note.com/scaristory_eng/n/n4907b399d0c6

https://note.com/scaristory_eng/n/n1c0fba6cbc40

https://note.com/scaristory_eng/n/n34dce4df1b24

過去に出題した呟怖お題集

過去にTwitter「呟怖」企画にて「この妖怪を現代怪談風な怪談で復活させてください」と呼びかけ、様々な方に投稿いただいた妖怪呟怖シリーズのアーカイブです。

各バナーをクリックすると、それぞれの「妖怪」お題への投稿一覧を読むことができます。

※togetterにリダイレクトしますので、ご了承ください

>>Youtube動画「お題『ひとつめ小僧』に投稿いただいた作品の紹介!」はコチラ

>>Youtube動画「お題『雲外鏡』に投稿いただいた作品の紹介!」はコチラ

>>Youtube動画「お題『うわん』に投稿いただいた作品の紹介!」はコチラ

>>Youtube動画「お題『あずみとぎ』に投稿いただいた作品の紹介!」はコチラ

>>スタエフ放送「お題『鬼婆』に投稿いただいた作品の紹介!」はコチラ

>>スタエフ放送「お題『キムナイヌ』に投稿いただいた作品の紹介!」はコチラ

>>スタエフ放送「お題『油赤子』に投稿いただいた作品の紹介!」はコチラ

>>スタエフ放送「お題『蛸入道』に投稿いただいた作品の紹介!」はコチラ

>>スタエフ放送「お題『ろくろ首』に投稿いただいた作品の紹介!」はコチラ

>>スタエフ放送「お題『サザエ鬼』に投稿いただいた作品の紹介!」はコチラ

>>スタエフ放送「お題『ル・カルコル』に投稿いただいた作品の紹介!」はコチラ

>>スタエフ放送「お題『大蝦蟇』に投稿いただいた作品の紹介!」はコチラ

>>スタエフ放送「お題『平家の落武者』に投稿いただいた作品の紹介!」はコチラ

>>スタエフ放送「お題『蟹坊主』に投稿いただいた作品の紹介」はコチラ

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『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章全54放送回の歴史を振り返るチャート表

※各放送回のゲスト怪談師のお名前を記載しています
※毎回のレギュラー出演者である糸柳寿昭さん・上間月貴さん・せきぐちあいみさん・高田のぞみさん・狩野英孝さんのお名前は除外しています)


※『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章は2024年12月現在、DVDはGEOにて貸出可能、放送第39回以降からはU-NEXTで動画配信中と確認できております。

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はじめに:『怪談のシーハナ聞かせてよ。』とはいかなる番組か?

放送第一回目のテロップにいわく、この番組は、

本当にこわい話“本物の怪談”を知るために毎回いろいろな語り手をお招きして「怪談のシーハナ」を楽しむ番組

・・・との旨。

しかし私にとってはこの番組はそれ以上の存在です。

もともとホラー映画や怪奇小説が好きだった私。

『怪談のシーハナ聞かせてよ。』を

サブスク動画サイトの検索で見つけ、

前情報もなく、なんとなく、かけてみたのですが。

一気に、沼地にハマりました。

以降の私は毎日、本番組を第一回から最新回まで、

ひたすらループで聴きながら開発タスクをこなし、

深夜遅くには『怪談のシーハナ』をイヤホンで

聴きながらベッドに入って寝落ちする、

そんな生活を送るようになりました。

それにしても、当時の私は

いささかブラックな企業で働いていた時期。

今から振り返っても心身が相当ボロボロだったハズなのに、

『怪談のシーハナ』を聴くと、なぜか落ち着いたものでした。

否むしろ体調が回復していく気すらした!

これが怪談の力です。

『怪談のシーハナ』がなければ、

私はブラック企業での日々、

人生でも一番苦しかった時代を

乗り越えられなかったかもしれない。

だから「怪談のシーハナ」は、言ってしまえば、

命の恩人なのです。

そして、まさに怪談の定型として、

命の恩人には恩返しをしないとバチが当たる

このサイトでは、

・既に『怪談のシーハナ』に詳しい人には振り返り用

・『怪談のシーハナ』未視聴の方には入門用

として、

第壱章(第1シーズン)全54放送回収録怪談3全333話分を、

様々な切り口からランキング付けしレビューします。

怪談好きな方、怪談に興味のある方、

ぜひお付き合いくださいませ!


※『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章は2024年12月現在、DVDはGEOにて貸出可能、放送第39回以降からはU-NEXTで動画配信中と確認できております。

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