「怖い本」トラウマ読書日記:おばけのはなし2

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昨日のコチラの記事において、私が子供の頃にトラウマ級の怖さ(褒め言葉です!)を受けた、寺村輝夫先生『おばけのはなし』第三巻のことを取り上げました。

今夜は巻数をひとつ遡り、第二巻のことを語らせてください。

というのも今夕、うちの小学一年生の娘がこの「第二巻」の表紙に興味を持ったので、三話分をピックアップして読み聞かせてやったばかりというタイミングの良さがあるからです。すなわち、この本についての、現代っ子らのリアルな感想を聞いたばかりのところ、というわけでして!

↓↓↓

その感想は・・・「これ、あんまり怖くないね」とのことでした。

いやいや慌てないでください!この感想、実は、多少は織り込み済みのことなのです。

ポケモンやらマインクラフトやらに囲まれて毎日生きている六歳の子供が、ムカシバナシの活字を読んで、いきなり「おもしろい」「怖い」「すごい」などというわけもない!

現代っ子を相手に「読書好き」に染め上げるのは、時間がかかるはずなのだ。ここからがスタートです!

それに、今日については、私が娘の様子を見て、

読み聞かせの際に、敢えて怖い話をスキップし、キツネやタヌキが化かしに出てくる比較的穏やかなストーリーのものをピックアップしてしまったせいもある。これは父親としての、コンテンツ提供時の戦略ミス。子供相手だからと、情けをかけてしまった。

ほほう?怖くないだと?そうか、キツネやタヌキが脅かしに出てくる程度では刺激が足りないか。よいだろう!この「おばけのはなし」第二巻の本気を教えてやろう!

では、明日は、この第二巻に収録されている中でも、もっと「妖怪」系のエグいハナシ、

『目玉三つに歯が二つ』

『足が目だらけ』

『しゃみせん山』

三本セットを読み聞かせてあげよう!この三つは、相手がガチな妖怪変化なので、いっきに怖くなってきますよー!

それにしても。

自分でも一つの気づき。

オチが「実はキツネのシワザでした」「実はタヌキのシワザでした」って、読み手を安心させる効果があるのに対し、

「最後まで怪異の正体はおろか、意図も不明でした」という、読者おきざりパターンのハナシのほうが、現代にも通じる怖さを蔵しているのでは?

さてはて、キツネやタヌキの怪談如きでは「つまらない」と言った娘を、今度こそ、「怖い!でも、面白い!」と言わせ、オバケバナシ好きに目覚めさせることができるのか?私のチャレンジは続きます!

※なお追記としてめちゃくちゃどうでもいい指摘ですが・・・この表紙、

↓↓↓

第一巻は一つ目小僧、第三巻は三つ目入道とわかるのですが、第二巻の表紙の、この二つ目のオバケの名前はなんなのでしょうね?ピンク色でなんかポップで、忘れがたいインパクトのオバケさんなのでした。かわいい


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「怖い本」トラウマ読書日記:おばけのはなし3

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明らかに子供向けに書かれた本、文章もイラストも子供向けに書かれたいわゆる「児童書」であっても、「怖いハナシ」を集めた本は、子供には強烈な印象を与えることがあるようです。

私にもそんな思い出の本がいくつかあります。そのうちのひとつが、

「表紙が三つ目のオバケのイラストで」「中にめちゃくちゃ怖いヘビオンナ(のようなもの)が出てくるハナシが入っている」という思い出だけが残っていた一冊。

それを、ついに、見つけました。これでした!

↓↓↓

児童文学作家の寺村輝夫さんが放った、「おばけのはなし」の第三巻。これでした!

懐かしさに駆られて本日、中身を確認したのですが、

なんてこった・・・大人になった今読んでみても、これ、かなり怖いじゃないですか!?

そして、子供心にトラウマとなった「ヘビオンナのようなもの」が出てくるハナシ、ちゃんと入っていましたよ!『かぼちゃへび』というオハナシです。

子供向けなのですが、なんだこの容赦なさ、かなり怖いです!

このハナシがたまらないのは、私が考える「日本の妖怪バナシらしさ」がぜんぶ詰まっていること。

・相手(妖怪)の能力も実体も意図すらもいまいち曖昧

・物理的に攻撃してくるわけではないのに、ただ「立っている」というだけで不穏!

・退治したと思ったらカボチャだけが残っていた、と、けっきょく正体もいまいち曖昧

ちなみに、本書の「あとがき」を読むと、書いていた寺村輝夫さんご自身が、この『かぼちゃへび』執筆中になんだか不穏な気配に包まれ、怖くなって仕事場から一度逃げ出したとか。

この本に入っているハナシで、その他オススメなのは、

・ぬりかべ伝説の変種?と思われる、奇怪な異次元系妖怪のハナシ『かべぬりおばけ』

・バケネコを描いた挿絵がめちゃくちゃ怖い!『ねこのお茶

の二編。

この寺村輝夫さんの名著の唯一惜しいことは、収録されているオハナシの出典が記載されていないのです!(どうやら新潟方面に取材をして集めたらしい、という点だけ、あとがきに書いてあるのですが)。

『かべぬりおばけ』にせよ『かぼちゃへび』にせよ、第一級の妖怪バナシとして、ぜひ出典までさかのぼって調べてみたいのですが・・・とても残念!


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データで読む『怪談のシーハナ聞かせてよ。』:体験者の名前で「Mさん・Iさん・Kさん」が上位に来るのはナゼ?

前回の記事(≫一番よく使われている体験者の名前は、Aさん?Bさん?Cさん?)では、『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第1シーズン放送の全333怪談から、どんな名前が「体験者の名前」として好まれて使われているかを分析してみました。

その結果、「聴き手に邪魔にならない」Aさんが上位に来たのは予想通りでしたが、Mさん・Iさん・Kさんが上位の頻度で使われていることがわかり、この理由は何だろう?ということを宿題にさせていただきました。

で、こちらの件ですが、その後MさんKさんIさんが登場した回を深掘りしてみたところ、

あっけなく、理由がわかりました!

Mさん、Iさん、Kさんが登場した怪談を集めて、話者である怪談師さん単位で割ってみたところ、以下のような結果になりました。

『怪談のシーハナ聞かせてよ。』において最も怪談を語る機会の多い(※毎回、最低でもひとつは披露しているわけですからね・・・)上間月貴さんが、特定のアルファベットに寄らないように、複数のアルファベットに「散らしている」工夫をしているように見えます。つまりナゾの分散の理由はほとんど上間さん一人の影響でした!

もう少し詳しく見るために、上間月貴さんが使った「名前」と、そのばらつきをみてみましょう。

アルファベット26文字以内17文字まで活用して分散しています。この中で上間さんが特に採用しがちなのがIさんKさんMさんという次第でした。

他にも、登場回数が多い方は、なんとなく似たような分散になってくるようで、

登場回数が増えた怪談師さんほど、最初のほうはAさんを比較的使いつつ、しだいに同じアルファベットの反復を避けるようになる。その際、H・I・J・K・L・M・Nあたりのアルファベットが確率的にやけに狙われる、という傾向が掴めました。

それにしても、宇津呂さんも高田さんも「Mさん」と「Nさん」になんとなく引き寄せられているのは何なのでしょうね?偶然なのでしょうか?このあたりのアルファベットが選ばれやすい何かセオリーがあるんでしょうか???

この調査をしていて、別の面白い発見があったので、それも以下に記載します。

今仁さんのケースをぜひ見ていただきたい。3回だけ「Aさん」を使っているものの、その他はアルファベットに頼らず、毎回、仮の名前とはいえ、固有名を割り振ってあげているんですね。これはシーズンを通じて集計してみないと気づかなかった、今仁さんの見えないところでの工夫と言えるのでは?!

似た工夫をされている方をもう一人、見つけました。

城谷歩さんです。こちらも、アルファベットよりも、固有名の割り振りで語ることを好んでいらっしゃいます。それにしても、狩野英孝さんが司会をされている番組で、「カノウさん、という体験者さんから聞いたオハナシです」と始めた時はちょっと笑いました!狩野さんもこの時は苦笑してましたね。

さて、この結果を見て、いかがでしょう。あなたが次に人前で怪談を語る時は、無記号的「アルファベット」派でいきますか?それとも、何らかの固有名を逐一、割り振ってあげますか?最終的にはこれは好みの話になるので、お気に入りの怪談師さんの語りを研究しながら、ご自身の「喋るときのセオリー」をぜひ、作って行っていただければと思います!


※『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章は2024年12月現在、DVDはGEOにて貸出可能、放送第39回以降からはU-NEXTで動画配信中と確認できております。

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データで読む『怪談のシーハナ聞かせてよ。』:一番よく使われている体験者の名前は、Aさん?Bさん?Cさん?

実話怪談というものは、おおよそ、以下のような始まり方をしますよね。

「これはあんまりハッキリとした場所は言えないんで、兵庫県とだけ、言っておきます。Aさんというね、石材屋さんの体験なんですよ。今から十七、八年前ゆうことでしたね・・・」(※宇津呂鹿太郎さん『依頼』の冒頭より引用)

「マニアックな話ですいませんが、ノコギリクワガタというクワガタがいます(中略)。私の友だちにBさんという中年の男性がいまして、近くに住んでいるんですけどね、彼の息子が、クワガタが好きで・・・」(※戸神重明さん『バリカン大発生』の冒頭より引用)

このように、体験者の名前を「Aさん」とか「Bさん」といった仮の名前にして語るのが、実話怪談の最近の定型。

で、少し気になってきたこと。

たとえば『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第1シーズンの全333怪談から「体験者の名前」を抽出して、どんな名前が多くの怪談師さんに好んで使用されているかの傾向を出してみたら、結果はどうなるでしょう!?

個人的な予測としては、「Aさんが筆頭に来るのではないか!?」というもの。

というのも、怪談師さんというのはまず「伝わりやすい語り方」を研究されている方々やので、できるだけ聴き手の邪魔にならない、無個性な仮名を好むのではないでしょうか?

となると、アルファベットの第1番目に出てくる「A」が、最も好まれて使われているハズ

この仮説が正しいか、以下の方法で検証してみました!

・第一シーズンの全333話から、「体験者の名前」を抽出する

・抽出した名前で、「さん」「くん」「ちゃん」「子さん」の表記ゆれは、すべて「さん」に統一する(例「Aくん」や「A子さん」は、「Aさん」に正規表現で統合する)

・怪談師さんご自身の体験談を語っているハナシは、「自身の体験談」という名称を振る

・上記の前処理を施したものを棒グラフに描画する

その結果が、以下となりました(上位10位までを描画)。

「自身の体験談」が、333話中45話を占める(13.51%)というのは、それはそれで、ひとつの発見でした。怪談師さんご自身の持ち込み体験談が『怪談のシーハナ』のひとつの核をなしております(※もっとも、この13.51%を「意外に多い」とみるか「意外に少ない」と見るかは、その人の「実話怪談」へのイメージで違ってくるところかもしれません)。

次点には、おお、予想通りに「Aさん」が来ました!全体の11.71%が「Aさん」です

その理由としては、私が考えたように、「ハナシを聴き手に分かりやすくするための配慮として、無機質な記号”A”がいちばん好まれる」からではないか、と思いますが、いかがでしょうか?

となると・・・問題となるのは、3位以下

無機質なアルファベットであるところの「Bさん」や「Cさん」が上位に来るのかと思いきや、「Mさん」「Kさん」「Iさん」が好まれているのはなんなのでしょう?!

日本人の名字で多いのは、佐藤さん・鈴木さん・高橋さんです。Iに該当しそうな「伊藤さん」や、Kに該当しそうな「加藤さん」は、日本人の名字上位10位にかろうじて入っている程度。Mで始まる名字である松本さんや前田さんがその他を押しのけて3位に来ているとも、どうにも私には思えない!

これはなんなのでしょう?「Mさん」「Kさん」「Iさん」が、語りの上で発音しやすい等、実話怪談で選好されやすい何かがあるのでしょうか?

これはナゾで、今の私には回答が見いだせておりません・・・。(※後日注:このナゾは別の切り口で分析をしていた時に解けました!右の記事を参照ください≫体験者の名前で「Mさん・Iさん・Kさん」が上位に来るのはナゼ?

だがひとつ、言えることがある。自身も怪談を語ってみたい、となったとき、冒険しないなら、やはり「Aさん」を使うのが妥当かと!あえて「Mさん」「Kさん」「Iさん」を使うと、ちょっと通っぽくなる・・・かもしれない・・・!

全データを以下に貼り付けておきます。下のほうは、かなり細かい職業名や出身名を当てられているケースが多くなりますね。ちなみに「熊谷の女子大生」は、かの暗黒怪談「紐引き女」の回ですね・・・あれ聞いたら新幹線で熊谷を通るたびに紐引き女のことしか思い出せなくなってしまいました・・・。

行ラベル個数 / 体験者百分率
自身の体験談4513.51%
Aさん3911.71%
Mさん195.71%
Kさん144.20%
Iさん133.90%
Cさん113.30%
Nさん103.00%
Yさん82.40%
Bさん72.10%
Sさん72.10%
Uさん61.80%
Hさん51.50%
Fさん41.20%
Rさん41.20%
Tさん41.20%
ケイコさん41.20%
Eさん30.90%
Oさん30.90%
Wさん30.90%
ある男性30.90%
タカハシさん30.90%
知人の体験30.90%
本人の取材30.90%
友人30.90%
Dさん20.60%
Jさん20.60%
あるサラリーマン20.60%
ある大学生20.60%
イシカワさん20.60%
お母さん20.60%
カズキさん20.60%
カナさん20.60%
サクラダさん20.60%
セイカちゃん20.60%
小学生20.60%
知人の女性20.60%
ササキさん20.60%
(怪談師さんの)ファン10.30%
35歳男性10.30%
40代男性10.30%
N実10.30%
アーウェン10.30%
アリサカさん10.30%
あるおじいさん10.30%
あるバスガイドさん10.30%
あるバンドのドラマー10.30%
ある主婦10.30%
ある主婦の方10.30%
ある女性10.30%
ある新婚の夫婦10.30%
ある人10.30%
ある男の子10.30%
アンノくん10.30%
エリさん10.30%
オオサワくん10.30%
オサムさん10.30%
カノウさん10.30%
ケンちゃん10.30%
サトウさん10.30%
サトシ10.30%
シンジさん10.30%
セキグチさん10.30%
タクシー運転手10.30%
たけしさん10.30%
タナベさん10.30%
タンジエさん10.30%
ナカジマさん10.30%
ナツキさん10.30%
ニシヤマさん10.30%
ノリコさん10.30%
の体験談10.30%
ひろさん10.30%
ポールダンサー10.30%
マイコさん10.30%
マエダさん10.30%
マスダさん10.30%
マナミさん10.30%
まみこさん10.30%
まゆこさん10.30%
マリさん10.30%
ミキさん10.30%
ミサキさん10.30%
ヤマモトさん10.30%
ユキヤさん10.30%
ヨシカワさん10.30%
ヨシミさん10.30%
リエさん10.30%
リカさん10.30%
沖縄に住んでいた男性10.30%
会社の後輩10.30%
怪談イベントに来ていた客10.30%
怪談バーのお客さん10.30%
看護師の妻10.30%
吉村智樹さんの取材したハナシ10.30%
熊谷に住む女子大生の話(を聞いた親戚のおじさんの話)10.30%
山形の女性10.30%
社長さん10.30%
須藤為五郎さん10.30%
声優10.30%
先輩芸人の知人10.30%
祖父10.30%
祖母10.30%
大学のときの先輩10.30%
大阪の知人10.30%
知り合いの人10.30%
知り合いの漫画家10.30%
知人10.30%
知人のバーテンダー10.30%
田中さん10.30%
登山家田中さん10.30%
都内に住む女性10.30%
同級生10.30%
同年代の男性10.30%
独身の男性の方10.30%
舞さん10.30%
妹さん10.30%
友人の従姉妹10.30%
由美さん10.30%
林さん10.30%
麓にある宿の主人10.30%

※『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章は2024年12月現在、DVDはGEOにて貸出可能、放送第39回以降からはU-NEXTで動画配信中と確認できております。

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さまざまな切り口からのベスト怪談集:「異次元系」の名作怪談10選

私個人の好みの怪談パターンとして。

現代実話怪談でいちばん面白いのは、幽霊モノでもヒトコワでもなく、私が「異次元系怪談」と呼んでいるもの。

それは「パラレルワールド」とか「タイムスリップ」とか、あるいは「記憶の書き換え」を疑わせるようなフシギ系。『トワイライトゾーン』やら『世にも奇妙な物語』といった作品に登場しそうな不可解なオハナシ。

量子の異常なのか、時空の異常なのか、はたまた人間の脳のフシギな暴走がもたらした高度な幻覚だったのか?「科学的にも、なんとか説明がつきそう・・・な気がする」寸止めの「異次元系怪談」は、そういう意味で、特に私のようなSF系ホラーが好きな人間の興味関心を、今日も強くそそる怪談たちなのです!

第十二回で登場した『ニュース』は、私のいう「異次元系怪談」の代表例として提示したい怪談。けっきょく何が起こっていたのか、さっぱりわからない。誰が悪いとも、誰がおかしいとも、判然としない。わかっているのは、わずかな間、体験者がトイレに行っている間にだけ、世界が少し、変わっていたらしい、ということだけなのです。

第三十三回の『決まりごと』も忘れがたい。これは話を聞いている最初は心霊系怪異と思いきや、実は時間ループ系(かもしれない)という解釈を残すオチに持ち込まれるもの。そしてもし、「あれ」が時間のループによって見えていたものだったとするならば、体験者さんの運命はおぞましいほど救いがない!まだ第三者の幽霊のせいだったほうがマシだった!?

第二十八回の『インターホン』は、これまた幽霊のシワザなのかなんなのか、混乱させてくるハナシ。私としては、幽霊の類というよりも、何らかの並行世界(曖昧な言い方ですいませんが!!)の存在を感じさせる不思議譚と思ったのですが、いかがでしょう?

第十九回にて洋介犬さんが放った異様きわまる怪談『円盤』。UFOもの、といえば、UFOものなのですが、それで済ますわけにはいかないキミョウキテレツさがたまりません。そして、恐ろしいことをひとつだけ、言ってしまっていいでしょうか?見間違いかと思いますが、私も子供の頃、このハナシに出てきた「ヒトデっぽいなにか」の描写とやけによく似たものを一度見ているんですよね・・・いや見間違いとは思いますよ・・・でも、こうも、怪談師さんが語る別の方の体験談と符号している「ように見える」のは、なんか・・・しこりとして・・・のこりますよね・・・ヒヒヒ。

場所は伏せられているものの、兵庫県のどこかで起きたハナシということだけわかっている、宇津呂鹿太郎さんの『依頼』。まさにこのままトワイライトゾーンや世にも奇妙な物語に登場してもよいような、異次元系の摩訶不思議なエピソード。掛け軸がキーアイテムとなって、時間ないし空間が歪んだ(これまた曖昧な言葉で失敬!!)としか思えない。

百物語スペシャル第四話目で丸山正也さんが披露したのが、干していた洗濯物に見知らぬ人の洗濯物が混じっていた、というところから始まる怪異。単に誰か近所の洗濯物が間違って紛れたのかしら?と思っていたら、事態は意外な展開を見せます。人間の無意識のなせるイタズラだったのか、それとも本当に時間が歪んだのか?

百物語スペシャル第三十三話目にて星川慶子さんが話した、田舎のホテル宿泊時の怪体験のハナシもまた、私の言うところの「異次元系」の典型といえます。これまた実にヘンテコなハナシ。ただし、テレビドラマと違って、落ち着いて対処したらあっけなく怪現象が収まってしまうという、「何か悪意があるもののシワザというわけでもなかったらしい」おいてけぼり感が、実話怪談ならではの後味。

放送第五十四回で、アシスタントの高田のぞみさんが、番組卒業のタイミングで語ってくれたご自身のモチネタが『青いジャンパー』。高田さんが第壱章の最終回にこんな隠し玉を持ってきたとは!これは凄いハナシ。まさに異次元系ですが、子供たちの世界が舞台ということで、なんとなく物悲しくもある。名怪談!

地味ながらも「異次元怪談の典型」としてもうひとつ忘れがたいのが、百物語スペシャル第三十八話での、狩野英孝さんのハナシ。本人は「こんなのも怪談として、いいんでしょうか?と迷いながら持ってきたネタです」という意味のことを仰っていますが、いやいや、実にいい怪談じゃないですか!確実に異様な現象が起こり、弟とお父様とさんざんその話をしたはずなのに、ある日を境に、ケロリと、自分以外の家族全員がそのことを忘れてしまった、というオハナシ。自分だけが覚えていて、他の家族はみんな「なんだっけその話?」と冷たく反応してくるのは、狩野さんご自身がおっしゃるとおり、「実話怪談あるある」ですよね。ありますよね、でも、なんなのでしょうね、この系統のハナシ。

最後に、第五十三回で国沢一誠さんが話した『Siriにまつわる話』。最新テクノロジーがもらたす不可解な事件、というわけですが、それにしても「電話」というものが登場したら大量に「電話怪談」が生まれ、テレビというものが登場したら大量に「テレビ怪談」が生まれたように、意外なことに怪談とテクノロジーはいつも親和性が高いものなのです。たしかに、言われてみると、Siriってなんか、ブキミなモノですよね・・・!

総評として、この「きりくち」を扱っている中で、私は「無意識のイタズラ」という言い方をしましたが、存外、これが私の「怪談」に対する態度のすべてを物語っているかもしれません。実は私は幽霊というものを信じてはおりません。ただし、「怪談」というものがウソだと思っているわけでもなく、おそらくそれは、迂闊な言い方になるかもしれませんが、どちらかといえば人間の「無意識」とか「深層心理世界」とか「潜在脳力」といったものの可能性にかかわる、ナニカなのではないか、と。

本当にナゾめいた怪談は、私たちが「自分の意識はこういうもので、現実はこう見えるもの」と安住している日々の「世界の見え方」に、突然、穴を開ける

それが、世界の側で何かが起こっているのか、脳の中で何かが起こっているのかは、禅問答みたいな話になり、ぶっちゃけ、どちらでもよろしい。

そうした「安住している世界の見え方」に、ぬらりとした穴が開く感覚、これを楽しみに、私は怪談を聞いているところがあります

そして、そんな私にとって、「異次元系」とここで整理したような怪談はまさに、「安住している世界の見え方」に穴を穿つ最高の事例たちなのでした!

※次回はいささか番外編となりますが、本篇の怪談以外で語られた、トークの中でのちょっとした怪談で、むしろ怖かったもの3編を紹介させていただきます!


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さまざまな切り口からのベスト怪談集:「この人怖いな」と思った怪談師5選

今度はまた少し変わった切り口で整理をしたいと思います。

『怪談のシーハナ聞かせてよ。』を連続視聴していく楽しさのひとつは、さまざまな怪談師さんの経歴や自己紹介を聞くことができる点ですよね?

ところがその中には、「怪談師さんご自身が何かに憑かれている?」というような禍々しいジンクスを持参されてくる方もあり!

今回は、そのような、「怪談本編だけでなく、ゲスト怪談師さんの自己紹介パートが既に怖かった」回を5つ、集めてみました!

第三回のいたこ28号さんが恐ろしいのは、怪談『愛しの雛人形』を語った後の、体験者に対するその態度。

何やら不可解な呪いに憑かれた体験者の方から、いまだにメールで連絡が来るということを受けて、「ヒトとしては、なんとかなってほしいと思う反面、怪談マニアとしては、死なれたら困るけど、(そうならない程度に)続きの何かが起こってほしいんですよね」という意味のことを、とても楽しそうに仰っております。

真の怪談マニアとはこういうものか!

そうですよね。怪異に巻き込まれてしまった体験者たちに、ココロの底ではどこかで「いいぞもっと何か起これ!」と思っているようなところがないと、長期活動できる怪談師さんにはなれませんよね。怪談師さんって穏やかな人が多いけど、よく考えると、こええな。気を付けよう、、、ブルブル。

同じく第三回に登場した郷内心瞳さん、この回は事件といってもよい、とんでもない話を持参してやってきます。

「本当は今日、語ろうと思っていた怪談があったのに、準備をしていただけで目が腫れ上がる怪異があったので、急遽、内容を変更してきた(そうしたら目の腫れが引いた)」とおっしゃるのです。こわい・・・と思っていたら、次収録回に判明したことですが、この「目の腫れ」はアシスタントの高田のぞみさんに感染したようなのです!言われてみれば収録場所の四谷はかの四谷怪談の土地柄。何か関係がある、とでも、いうのだろうか・・・?

第十回に登場した笑福亭純瓶さんは、居酒屋等で怪談を披露することがあるそうですが、「私が怪談を語るとそのお店はなぜかつぶれる」というジンクスを持参してきて、とっても楽しそうに披露します。「ここで怪談をやっちゃダメじゃないですか!」というせきぐちあいみさんのマジ反応が、実にいいw。

その笑福亭純瓶さんを上回ることを言いだしたのが、第二十三回に登場した川奈まり子さん。「わたしと共演した女優さんはみんな死ぬ」というジンクスを持っていらっしゃる旨を自慢げに語ります。「こんな人を呼んじゃダメじゃないですか!」というせきぐちあいみさんのマジ反応が、再び、いいw。まったくですよね・・・!

第二十八回に登場した城谷歩さん。「城谷さんにも心霊体験とか、あるんですか?」と訊かれたときに、「はい、私の場合は、みる・きく・さわる、全部あります」な回答をしています。ちょっと待ってください!「さわる」がめちゃくちゃ気になるんですけど!城谷さんの「自身の体験談」には凄いのがいっぱいあるので、これは第弐章に持ち越しの、お楽しみ案件となります。

【総評】

総評として・・・振り返りみれば、笑福亭純瓶さんが怪談を語ったところでビクともせずに『怪談のシーハナ聞かせてよ。』は長寿番組となり、川奈まり子さんが出演しても、せきぐちあいみさんも高田のぞみさんもその後もぴんぴん元気ですね。ヨカッタ!「怪談を語ることは魔除けにもなる」という別のジンクスがある通り、これだけ怪談が語られている本番組の収録現場では、むしろ中半端なジンクスは通用しない!・・・とでも、いうのだろうか?

※次回は私好みのテーマとなりますが、「時間がループした?!」とか、「見た目は同じなのに住民が違う(パラレルワールド?)ところに一瞬迷い込んでいた」といった、異次元系怪談とでもいうべきテーマの名作怪談10選をピックアップして紹介します!

さまざまな切り口からのベスト怪談集7:「異次元系」の名作怪談10選


※『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章は2024年12月現在、DVDはGEOにて貸出可能、放送第39回以降からはU-NEXTで動画配信中と確認できております。

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さまざまな切り口からのベスト怪談集:真似したくなる語り口10選

『怪談のシーハナ聞かせてよ。』の楽しみ方は、毎週入れかわり立ちかわり登場する怪談師さんたちの語りのテクニックを堪能することにあり!

その観点から見たとき、思わず語り口を真似したくなる怪談回、というものをピックアップすることが可能です。

・・・という次第で、全54放送回中の333怪談から、私が語り口にほれ込んだ怪談10個を集めてみました!

『雪国』

「気のせいかさ?」などなど、牛抱せん夏さんが長野県の方言を随所のセリフに投入した語りで怪談を語ってくれた回です!雪深い田舎でのオハナシということで、この方言の投入が雰囲気づくりにばっちり貢献している!とはいえこれはもちろん地方出身の方でないと使いこなせないワザ、となりますが、地元の怪談を語る際に土地の雰囲気を出したい、という地元愛溢れる方はぜひチャレンジしてみたい怪談語りではないでしょうか!それにしても私、牛抱さんはずっと千葉県出身(つまり私と同郷)と思い込んでいたのですが、千葉に来る前の幼い頃には長野県の野沢温泉村にいらっしゃったのですね。

『上手な絵』

語りスピードの緩急に注目したい!女の子の様子がだんだんおかしくなっていくに伴い、絵を描いている時の鉛筆の音、「シャシャシャシャシャー!」が、どんどん早くなっていきます。クライマックス(しかもなんとも凄惨な破局)に向かってどんどんアクセルを踏んでいく感じの語り口が怖い!

『鈴』

山口綾子さんの表情・口調がだんだん無表情かつ無機質になり、ブキミさを盛り上げていく怪談。つくづく、「間のとりかた」がうまいな、と聞いていると、途中で恐ろしく長い「間」をとります。・・・と思ったら、なんとこの時の間は意図的なものではなく、山口さんは本当にこの瞬間、何か「ヘンな耳鳴り」を食らっていたそうです。怖い、やめてー!語り口のテクニックに相乗して、ナニかがほんとに来てしまった瞬間、とでもいうのだろうか!

『鼠』

まさに怪鼠(としか呼びようのないモノ)が歩き回るオハナシです。吉田会長の「タッタッタッタッタ、カリカリカリカリ、トトトトトト!」という擬音語の反復が情景を盛り上げます。それにしてもナニモノだったのだ、「あきやまみさえ」!?

『第五號室』

怪談のシーハナを語る上では避けて通れない『怪談社スペシャル』で披露された一遍。糸柳さんと上間さんの二人がかりでの語りというオオワザが炸裂、すごいです!怪談が終わった後の、狩野さんのコメント、「ハナシの受け渡し方(びっくりするから)どうにかしてくんないかなー」に笑った。はい、同じ気持ちです。「からから」のところで狩野さんめちゃくちゃびっくりしたんですね。ハイ、私も「からから」のところでビックリしましたよ!

『温泉旅館の露天風呂』

最初はハナウタで表現していた音楽のメロディーが、少しずつ、歌詞つきの唄に変わっていきます。「ふーんふんふんふん・・・ふにゃのなかのとりは」と、みんなが知っている(そしてみんなどこかで気持ち悪いと思っている)あの唄にだんだん変わっていく感じがたまらない。やっと終わった、と思ったら・・・最後にもっかい、このメロディーの反復による追い討ちが!

『いいものがあるよ』

怪異にまきこまれた体験者の主観が、ふと、元の駅の情景に戻るところの話調の切り替えに注目したい!駅のホームの喧騒の表現→「ねえ、いいものがあるよ」と声がして主人公の主観になる(この間、ひっそりと静かになる)→主人公が我にかえった途端にぱああんと喧騒が戻ってくる。そんな、映画のスローモーション効果のような、語りの妙!

『おばあさん』

「幽霊とか呪われたとか、そういう因果の整然としたハナシであれば比較的ラクなんですが、そうではないハナシというものが怪談を集めていると入ってきまして・・・」という背景説明から入ります。このように、これから始まる怪談の傾向を最初に話してしまうのは大胆なようですが、本作では、これが怪談への期待度をグンと高めて、とても効いている。実際、この『おばあさん』というハナシ、いったいなんだったのか最後までブキミなモヤモヤが残るのでめちゃくちゃ怖い!怪談の語り手自体が正体不明という珍しいパターン。

『せんせえ』

めちゃくちゃ私が好みなこの怪談についても語らせてください!こちらは、今度は「(怪談を教えてくれた)体験者自身がどこかでウソをついている?」という疑惑を感じさせるという、ミステリアスな怪談。でも、いちばん素敵なのは、深夜テレビでアイドルが歌を歌っているシーンを再現するときの、マイクを持つ手真似をしながらの吉田会長の「ふんふんふんふーん」という情景描写そのものなのです。か、、、かわいい。

『演説』

この怪談における上間さんの名人芸は何度でも聞きたい!会社の朝礼での、クソイヤミな上司の演説の描写があるのですが、この上司が狂った時の描写がヤバすぎる。上間さん自身に何か人外のモノがとり憑いたのではないか、と思えるほど、狂気にとりつかれた人物の演技が迫真で、もうたまらない。それがこの名作、「演説」なのでした。

※次回はまた視点を変えます。今度は「ゲストで呼ばれた怪談師さんの自己紹介が既に怖かった」放送回5選をピックアップして紹介致します!私の中でいまだにトラウマ回となっている、「怪談師さんが収録にたどり着く直前に怪異が起こり急遽内容を変更した」あの事件回も紹介します!

さまざまな切り口からのベスト怪談集:「この人怖いな」と思った怪談師5選


※『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章は2024年12月現在、DVDはGEOにて貸出可能、放送第39回以降からはU-NEXTで動画配信中と確認できております。

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さまざまな切り口からのベスト怪談集:「困った第三者」の名セリフ10選

怪談を盛り上げる発言をするのは異形のモノの側だけではありません。

ただの人間であるところの第三者が、状況を煽るだけ煽って何の役にも立たず去って行ったり、余計な事をしてむしろ事態を深刻化させてしまったり、そんな展開よくありますよね!

そこで「さまざまな切り口」第4弾としては、そのような、「困った第三者」の名(迷)セリフが登場する怪談を、『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章333怪談の中から10個、ピックアップしてみました!

「え?おまえ、前任者から聞いてないの?」

これはバイトの先輩からの発言として登場します。しかし、これは困りますよねー。とても大事なルールがこのバイトにはあったということで・・・「それ、最初に言ってよ!」と思ったのは、私だけではないはずだ。

「言ってなかったっけ?ごめん」

これも似たようなパターン。だがこの『白い手』に関しては、この家に住んでいる皆様にとっては心霊現象は日常化していて、そんなに騒ぎ立てることとは認識されていなかった、とも解釈できる。だとするとそれはそれで、この家に住んでいるご家族の冷静さがむしろ怖いけど。

ああ、私の力ではとても祓えない!

と怖いことを言ってくるお坊様の登場する『呪われた恋人』もエントリー。ただしこのお坊様の弁護をしておきますと、その後、ちゃんと「より位の高いお坊様」を紹介してくれました。よかった・・・!

泊まって行ったらどうだ?

『彼女の実家』で登場するセリフ。怪異が起こった直後の家で親切そうにこんなことを言われて泊まる奴がいるかい。「だまれ!」

「きっと地獄に・・・」

『おじいちゃんの戦友』で登場するおばあちゃんのセリフ。この怪談ではずっと背後の登場人物かと擬態しておいて、実はキーパーソンはこのおばあちゃんでした。

「また来てたのか!」

え・・・?てことは、あいつらのこと、何か知っているんだな、おじいちゃん!!

この学校は雨の日はいろいろあるから

この怪談は面白い。先生も生徒もみんなが、こう口にする。しかし「具体的に何があるんですか?」と転任の教師が聞くと、みんながお茶を濁す。この先生&生徒のうすっぺらな反応こそが、もっとも「怪」なる点かもしれません。みんな新参者に冷たすぎる!何かあるなら具体的に教えてよ

「この家、出るのよね・・・」

徳光正行さんの『左から』で、実のお母さんがいきなりこんなことを言い出します。でも徳光正行さんのご実家のハナシということは、お父さん、とはつまり、あの徳光さんのことですよね・・・?と余計なことを考えてしまいました。

ぜんぜん気にしなくていいんだけどさ・・・」

『チェックのおじさん』は、私がひそかに「日本最大の心霊県」だと認定している山口県でのオハナシ。さすが山口、一般通行人レベルで平気で「視える人」が出てくる。気になるわい!

「つぎ頭飛んでくるからな」

『柿、食うな』は実に面白い二段階構成になっている怪談。怪異現象の異常さも迫力満点ですが、後部座席に座っているシノダさんこそが、幽霊よりもはるかに恐ろしいヤツだった、というオチが強力。あんたぜったい、何か知ってますよね、シノダさん!教えてくれないとコマリマスヨ!

総評として。こうして10個並べてみると、「困った第三者」のみなさん実に、怪談の盛り上げ役としていい味を出していますね。でも私としては、やはりお坊さんや祈祷師や霊媒師が出てきておきながら、「ごめん、私の手には負えません!」と帰っていくパターンが、常道とはいえ大好きなのでした。

それが悪い事とは言いません。できないもんは、できない、これは仕方ない。

洋モノのホラー映画『ポルターガイスト』にいたっては、「これでこの家は浄化されました」と霊媒師がいい加減なことを言って帰って行った後に、真の幽霊の猛攻撃が開始されたわけですから・・・これらの実話怪談に出てくる、「手に負えません」と帰っていく霊媒師さんは正直で誠実で親切な分、まだマシかもしれないのだ!

※次回はまた視点を変えて、怪談師さんたちのテクニックに注目し、「語り口を真似したくなる怪談10選」をピックアップして紹介致します!

さまざまな切り口からのベスト怪談集:真似したくなる語り口の怪談集10選


※『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章は2024年12月現在、DVDはGEOにて貸出可能、放送第39回以降からはU-NEXTで動画配信中と確認できております。

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さまざまな切り口からのベスト怪談集:異形のモノの名セリフ10選

有名な都市伝説の「死ねばよかったのに」とか、有名な口裂け女の「これでもキレイかい?」のように、異形のモノ(幽霊だったり、なんだか正体不明のヤツだったり)のセリフ一発で怪談の恐怖がMAXに高まる瞬間ってありますよね。

そんな、異形のモノの名セリフを、『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章の中から10個、集めてみました。

残念ながらこれはうっかりやると、各怪談のネタバレになってしまいますので・・・

ネタバレを防ぐためにどの怪談で出てくるセリフなのかは一切、伏せさせていただきます。

ご自身で是非、どの怪談に出てくるセリフなのか、探してみてください!

「お前、なんで俺のことを知ってるんだよ!」とツッコみたくなる異形のモノの発言。ずっと憑かれていたということなのか、それとも心の中を読まれていたのか・・・?!

これはちょっと笑ってしまいました。いったいなんだったんだよw!?あまりにも正体不明な怪異すぎて、怪談話を聞いているほうも「コマリマスヨ・・・」。

怪談を聞いていた私としては、この家のお父さんのほうにも、「だまれ」と言いたい。。。

郷内心瞳さんのご自身の体験談。でも、このオチになったということは、この怪談自体、放送しちゃいけない類のハナシだったのでは?番組のこの回を視聴してしまった人(私を含め!)は大丈夫なのだろうか!ぶるぶる・・・。

親切を装ってお祓いを妨害しにきたかなり知的な異形のモノ。

お前がいうなよw

結論として、やっぱり、振り返らなくて正解だったということですね。。。

ただでさえお母さんが信じてくれずにガッカリしているところに、異形のモノみずからが追い討ちでこんなことを言ってきます。ただでさえ怖いのに。ドエスか。

これは名作なので、ネタバレ防止のため細かく説明できないのが残念!ヒントだけお伝えしますと、山口綾子さんの怪談のうちのひとつで、出て来ます。

これも名作なので、ネタバレ防止のため細かく説明できないのが残念!ヒントだけお伝えしますと、山口綾子さんの怪談のうちのひとつ・・・って、山口綾子さん2連発になっちゃった!

この10個の他にも、忘れがたい名セリフはいろいろありましたが、異形のモノがそのセリフ一発で物語の雰囲気を一気に不穏にしてしまうパターンは、怪談師さんのテクニックも発揮されて実に楽しいですねー。

※次回はまた少し視点を変えて、異形のモノではなく、直接は怪異ではないはずの第三者が、頼りにならなかったり状況を悪化させたりするパターン、すなわち「第三者の迷惑なセリフ集10選」をピックアップして紹介します!

さまざまな切り口からのベスト怪談集4:「困った第三者」による名セリフ集10選


※『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第壱章は2024年12月現在、DVDはGEOにて貸出可能、放送第39回以降からはU-NEXTで動画配信中と確認できております。

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さまざまな切り口からのベスト怪談集:タイトルイラストが既に怖い怪談10選

『怪談のシーハナ聞かせてよ。』の隠れた愉しみどころは、毎回の怪談のタイトルの背景に描かれているイラスト

「怪談の内容もさることながら、イラストがいちばんこええよ!」とツッコミたくなることすらありますよね。BGMとして流れる「びしゃあんきゃよええんぴきぴきずううん」みたいなナゾの効果音と相まって・・・。

というわけで、ここでは「怪談そのものが始まる前の、タイトルのイラストがすでに怖くてビビった」回、10個を選んでみました!ここに登場している10怪談分のタイトル、どれも眺めているだけで、不穏な気分満載になることでしょう!

『クラブの女』のタイトルのイラストですが、これは気がついている人は少ないハナシと自負していますが、実はこれ放送第一回の『ペディキュア』という怪談のイラストを使いまわしなのですね。もともと『ペディキュア』のイラストもインパクトがあったのですが、さらに顔をアップにしてインパクトを増したのが、この第五回『クラブの女』で使われたイラストなのでした。振り向き加減がこれまたグー!

『遺品の整理』のイラストは本当に怖い。怖いよ。出落ち感満載だよ。やめてくれ。直視できない。嗚呼なんなのだろうこの禍々しさは!

『オーグリーンは死にました』のタイトルのイラストは、もはや内容とは直接関係がございません!レトロなテレビ画面のほうからとんでもなく禍々しい顔がこちらを覗いているイラストですが、肝心の怪談のほうはもっと抽象的な、都市伝説?的なオハナシ。こんな禍々しい顔のモノが出てくるわけじゃございません。でもこれだけ怖ければ許されるのだ!

『老夫婦』『おばあさん』は同系統のイラストと言っていい。どちらも「顔が奇妙に歪んでいる老人の顔」をボーンと出すインパクトを狙っています

『青い女』も同系統。『老夫婦』と『おばあさん』が老人の顔芸だったのに対してこちらは不穏な「女性の顔」のドアップパターンです。こちらも絶好調で不穏な空気を振りまいてくれます。

『あつい』のイラストの禍々しさも忘れがたい。うん、このイラストは、たしかに、あつそうだ!でも怪談本篇のハナシを無視して、なんか地獄の業火の絵みたいになっとるね。出落ち感満載。

『のぞくな』はスペインのホラー映画「REC」のジャケットデザインを思い出す顔芸イラスト。そんでもって、「REC」のジャケットよりはるかにこちらのほうが怖いです。この顔で「のぞくな」と言われましたら、「ハイ」と答えるしかございません。

『紐引き女』も激コワ絶不穏!怪談の中に登場する「紐引き女」の形象は「こんな感じかな」と再現図にしてくれたところというべきか。それにしても、怪談の中に出てくる奴は恨みつらみ系のはずですが、このイラストのやつは微妙に笑っている?何にしてもこええ。

『カーテン』もハナシのオチに出てくる「モノ」をイラストに図消化してくれた、といったところ。なお、どうでもいいかもしれませんが、このイラストを見たとき、世代的に「聖闘士星矢」のデスマスクの神殿を思い出した。

総評として。総じて『怪談のシーハナ聞かせよ。』のタイトルイラストはぜんぶ怖い。ぜんぶ怖いけれども、ここに挙げた10話のイラストをたとえば大画面にプロジェクターで連続投射したら、それだけで見た人を仰天させられるスライドになるんじゃないか、と思った次第でした。

※次回は「異形のモノの名セリフ10選」をピックアップして紹介します!

さまざまな切り口からのベスト怪談集3:異形のモノの名セリフ集10選


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