『オーメン/最後の闘争』とは?
ホラー映画シリーズ『オーメン』の第三作。
その名は『オーメン/最後の闘争』(Omen III: The Final Conflict)。
オーメン/最後の闘争 (字幕版)
もう「最後」って言っちゃっている通り、三部作の完結編となります。
この後もなぜかオーメンと名のつく続編は作られていくのですが、それらはもう別の話。少なくとも悪魔の子「ダミアン」君が暴れ回るシリーズは本作で幕引きです。
私は『オーメン』第一作をめちゃくちゃ高く評価しています。
そんな私、ファンからも評価の低いこの第三作をどうみているかと言うと、
「高い評価はできないが、何をやりたかったか理解できるぞ」と、慈悲深い父のような優しい目で見ております。
まあ、聞いてください。
この第三作、ストーリーラインは悪くないと思うんです。
オトナになったダミアンが、いよいよ本格的に世界の破壊に向かい。それを止めようと、七人の修道僧がイタリアを出発する、というストーリーラインは。
そして、舞台がイギリスとなっているのも、第一作を思い出させる背景設定で、なかなか良い。
なにがわるいのか?
いやもう、いろいろ、わるいんですが。
私がとりわけわるいと思っているところを指摘しようと思います。以下はネタバレになるので、未視聴の方はご注意ください。
わるいところ(ネタバレあり!)
私がいちばん、気になってしまうところ。
いちばん、わるいと思っているところ。
それを、ハッキリ、言いましょう。
すなわち、
ダミアンを暗殺しにやってくる修道僧たちが、勝手に死んでいく
ことでしょうw。
第一作でも第二作でも、ダミアンの正体に気づいた人は、けっこう頑張ったところで、飛んできたガラスに切断されたり、エレベーターのケーブルにやられたり、いろいろ見せ場を持たせてもらった上で豪快に亡くなっていたはずだぞ、、、?!
それなのにこの第三作の7人の神父の死に方ときたら。
ひとりめ:ダミアンを暗殺しようとテレビスタジオの天井裏にひそんでいたら、スタッフに声をかけられてビックリして足を滑らせ、転落死
ふたりめ:仲間にダミアンと見間違えられて、仲間にメッタ刺しにされる
さんにんめとよにんめ:雷に襲われ、あわてて廃墟の地下室に自分から入り込み、「やばい出口がない!閉じ込められた!」と騒いでフェードアウト。閉じ込められたのではなくて勝手に入ったようにしか💦
ごにんめとろくにんめ:あれだけ「正面から向かって行ってもかなわない」と自分達で伏線?をはっておいたのに、ダミアンに白昼堂々、真正面から向かっていき、ダミアンの超能力?で死亡。一人はぎこちなく橋から落っこち、もう一人は犬に食われて(!)死亡💦
しちにんめ(リーダー):物陰に潜んでからの奇襲を狙って返り討ち。しかもその際、関係ない子供を巻き込んで殺してる。
いやもう、、、なんだこの映画?コントなのか?と💦
モンティパイソンプレゼンツ、「悪魔をやっつけようとしたけどうまくいかないズッコケ修道僧たちの珍道中!夜のイギリスは大混乱!」みたいなタイトルのジョーク映画なのか?と💦
しかしこれが正式なシリーズ完結編なのです。どうしてこうなった?
悪いけど、、、あまりのショボさに、笑っちゃいましたよ、私は。
よいところ
わるいところだけ指摘して済ますのも何ですので。
よいところも、指摘しておきましょう!
この映画に、よいところ、あります!
イギリス・ロケの美しさです!
三人目四人目の神父が(勝手に)閉じ込められてしまう廃墟は、コーンウォールの屋外古城での撮影。
クライマックスは、ヨークシャーの修道院の遺跡(ファウンテンズ・アビーという世界遺産です)でロケ撮影されています。
これらの、イングランドの荒野と廃墟の神々しさとのコントラストが、なんともいえずフォトジェニック。
うーん、いい景色だなあ、イギリスに行きたいなあ!と思わせてくれる、なんとも旅情をかき立てられる、ロケ映像なのでした。
・・・よいところは、以上!
まとめ
というわけで、私のオーメン三部作への感想を整理しますと。
第一作は、紛れもない傑作!
第二作は、酷評する人も多いけど、私は「かなりがんばった優秀作」とみています
第三作は、そんな私も、弁護のしようがない💦
というところでしょうか。
でも、こうとだけは言っておきましょう。聖書のヘロデ王のパロディの如くに赤ん坊が殺されていくところとか、カルト宗教の如くダミアンの信奉者がどんどん増えていくプロセスとか、ストーリーラインはかなり良かったと思うんです!
うまくやればかなり怖い映画に仕上がった筈なのに、何かの歯車が狂ったように「???」な映画になっているのはなんなのだろう?
やはりあの七人の修道僧たちのコントが、全体の緊張感をお笑いで破壊してしまうからでしょうか、、、!
オーメン/最後の闘争 (字幕版)